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相対性『僕とAI的』理論  作者: コラソン


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夢生。



張り裂けそうな気持ちは

どうしたらいいんだろう。


夢生は辛い気持ちはもちろんあったけど

意識を切り替えた。


このテレキャス。僕が貰う価値があるか

ないかで考えてました。

でも。

もう、そんな事を考えるのはやめます。


沢山ギタリストが居るのに、

凪さんが、僕に渡したいって言った気持ちを

大切にします。


気味悪くなんか思いません。

このギターは、まだ鳴るんです。

僕はギタリストにはなれないけど、

今度ステージに立つなら、

お客さんに、この音を聞いて貰いたいです。


僕が、そう話すと

凪さんは、優しく微笑んだ。


夢生は、このギターを宝物にしてくれた。


少し前の事。


ライブ終わりのゆーたが、

凪に

「めっちゃ、大好きな友達がバイト探してるんです!!

凪さん、ここでその友達雇ってくださいよ!!

俺、夢生がいるだけで、ライブがんばれるから!!」

と、しつこく言ってきた。


バイトのドタキャンもいなめかった。

まぁ、人手は欲しいかなぁ。


凪は「しかたないなぁ~。やる気なさそうなら帰ってもらうからね~」

なんて返したけど。


ライブハウスにやってきた夢生は

見た目、普通の真面目そうな子で

大人しそうだった。


それなのに。


不思議なことに

凪は

あぁ、この子はきっと

嵐のテレキャスを渡す相手だ。

そう直感した。


いや、違う。気のせいかなぁ。


なんだろうなぁ。俺疲れてるのかなぁ。


凪は自然と夢生を観察した。


機材を運ぶ時、慎重に扱う姿も、

ケーブルをまく姿も。夢生の目が輝いていた。


日が経つと、夢生がギターに興味を示した。

楽器店へ行き、下見をしていた。


ギターの仕組みに興味津々で、

凪さんは楽しくなってきた。


音楽初心者。

ハムバッカー? ってなんですか?


素直に聞いてくる夢生。

ライブハウスに通う若いバンドマン達は

プライドも技術も、自分で仕上げていくが、

夢生は、笑ってしまうくらい素直だ。


何年ぶりだろうか。

この子にギターを教えたい。


目の前にいる夢生に、


「夢生、細かい所は実際弾くといいよ。」

凪は自然とそう言った、


遠くにいってしまった弟に

嵐。ギターを弾いてくれる子がみつかったよ。




そう。

やっと鳴らせる。

嵐の変わりではない。


夢生は、自分で

「ぼく、陰キャだしオタクで、本当なら

ライブハウスなんて似合わないはずなんですけど…」


そんな事を思っている夢生だけど

凪は、オタクを知らなかった。


でも、わかったことがある。


オタクが好きな物に注ぐ情熱は

あつい。


夢生は気付いてないけど、

上達したら

ギターの音が深くなるに違いない。


夢生の音に変えて

フェンダーが、またステージへあがる。


曲を作りたくなった。


「夢生。来月のステージは

完璧にやろうね~」

凪の顔は、明日をみていた。


小野寺さんは、

「むー、おまえ鳴らすなら、オレ久々に

ドラムやるかな。タクミんがさぁ、あいつ

音響オタクになってきてるんだよ。」


宮川、元々勤勉なんですよ。


「だろ? オレ、ドラム叩く時タクミんに

音響まかせるわ。大丈夫。周りのスタッフも

いるから。」


凪さんが、笑って、

「ゆーたんとこのRE:PLAYと、対バンしようかな~。」

なんて言い出した。


小野寺さんは

「んーイイナそれ。多田くん、手伝いにきなよ。」


泣きじゃくって、目を真っ赤にした

多田さんが

「ほぇ?」と目が点になっていたけど


「あ~そうだぁ、多田くん。ちょっと

ビジネスの話しよっかぁ~。僕は

多田くんと、仕事の話がしたいんだよね~。」

なんて事を凪さんが言い出した。



多田さんが、

「えっ?えっ?えっ?」とうろたえていた。


そう。多田さんは転換期かもしれない。


僕はこの時、なんとなくだけど

音楽業界というフレーズが、頭の中に響いていた。


就活。近い未来の話。


久しぶりに、兄に会いに行こう。


それから、

多国籍軍の皆で集まろう。



会いたい人と、会おう










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