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優しい魔皇の冒険記  作者: たんたん
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魔皇、旅立ちの日

魔界にそびえ立つ魔皇城。

20階層と、地下10階層に別れており、それぞれのフロアには強力な魔物や罠が張り巡らされている。

その地下10階層には、宝物庫があり、タナトスが集めた様々な財宝が収められており、タナトスしか開けることが出来ない結界が張られている。

無理に通ろうとすれば、存在ごと消滅してしまう程の魔力を放つ強力な結界だ。


その宝物庫にて、タナトスは剣を探していた。

長く愛用出来、強力過ぎず、弱過ぎない剣が必要だと考えたのだ。


「久々やな。なかなか使う機会なかったけど、これから色々手伝ってくれへんか?」


その剣は、漆黒の鞘に収められており、一度鞘から抜けば、漆黒の刃から禍々しいオーラが辺り一帯を包み込む。そのオーラに触れるだけで、草木は枯れ果て、命という命が蝕まれる魔剣。


その剣の名は、ソウルイーター。

先代の魔皇、タナトスの父の愛剣だ。

ある理由でタナトスは父を打ち破った。その戦いの後、ソウルイーターはタナトスを主とし、それからはタナトスが管理していた。


「人間界に行くさかい、お前には力を抑えてもらうで。もちろん、僕からも抑えるから、窮屈やろうけど、よろしくな」


タナトスの言葉に応じるように、ソウルイーターを包むオーラが少し揺れたかと思うと、その禍々しさはなりを潜めた。


その後、タナトスは魔界十狼をホールに招集した。

門出の時だ。



そこには巨大なゲートが用意されていた。

そのゲートへの道の左右に並ぶような形で、彼らは跪いていた。


「我らが魔皇、タナトス・アルヴォカース 様。我ら魔十狼、お見送りさせて頂きます。しかし、その前にお願いしたいことがございます」


魔十狼が一人、重界の王にして、魔十狼のまとめ役であるアギダスだ。


「わざわざありがとう。お願いしたいことってのはなんなん?」


アギダスは跪いたまま、話を続けた。


「まず、タナトス様もご存知の通り、人間界は魔界と比べて、とても脆い世界でございます。魔界にいる現在でさえも抑えて頂いている力ですが、人間界ではより一層抑えなければなりません。貴方様の力は強大過ぎる故、簡単に人間界の秩序が崩れてしまう可能性がございます。どうかお気をつけ下さい」


タナトスは、普段から自信の魔力を半分以上抑えている。先の剣聖との戦いで突発的にその力が放たれたが、抑えていた力の極一部が漏れだしたに過ぎない。本来の力を出すことは即ち、全世界の終焉を迎えることと同じ為、彼は普段からその内に眠る力を抑えているのだ。


「ゼオンにも迷惑かけたないし、人間界の子らに恨みはないさかい、そこは大丈夫や」


「ありがとうございます。また、このゲートは、かの勇者パーティーが派遣された国、アルメンテに繋がっております。冒険者を始められる前に、一度そのヴァンパイアに会って話をされますようお願いします。その後、アルメンテには冒険者が集うギルドがございます。そこで、冒険者として登録されるのがよろしいかと」


「わかった。アギダス、それに他のみんなもありがとう。忙しくなるかもやから、しばらく帰ってこれへんと思うけど、魔界のこと、お願いね」


«はっ、仰せのままに»


皆が口を揃え、応える。しかし、なぜかその中にすすり泣きのような声も聞こえるのを、タナトスは気付いていないようだ。


「タナトス様、我ら魔十狼は貴方様の盾であり、剣でございます。我らはいつでも、貴方様を見守っておりますので、どうかご安心下さい。それでは、行ってらっしゃいませ」


「うん!行ってくるわ!!」


アギダスの言葉を最後に、彼はゲートを通った。


ゲートを通った後、魔十狼の王達は顔を見合わせる。

「無事に到着されたようだ。まず、皆も分かっているとは思うが、魔皇様はヴァンパイアの件で人間界に赴かれたが、その問題を解決した後は確実に遊びに出向かれる。何かしら問題が起こることは明白だ。そこで、我らの中で二人程人間界に派遣しようと思う。まぁ、一人はほぼ確定じゃが・・・」


諦めたようにアギダスが言う。

何が何でもついて行こうとする者が役一名いるからだ。


「ただ、本気で遊びだけに専念される訳ではないのはわかっている。あの方はふざけているようで、先の先まで考えておられるからな。一応、人間界で活動して行くに辺り、他にも注意事項はある。そのことは、お前達から話すのじゃ。何かあれば、念話を使い報告せよ。こちらからも何かあれば連絡する」


アギダスの話を聴き終わった瞬間、二人がゲートに突っ込んだ。


「全く、本当に魔皇様は慕われておるのぉ・・・」

呆れながらも、嬉しそうに笑うアギダスを見て、魔十狼のみんなも笑顔だ。


何だかんだで、彼らは皆タナトスの為なら喜んで命を差し出す。皆彼を心の底から慕っているのだから。



ゲートを通ると、そこは広大なアルメンテ街の中心、セントラルシティだ。他国にてゲートを使いアルメンテに来ると、この噴水広場に飛ばされる。

活気に溢れたこの街に、ようやく魔皇が到着した。


「よっしゃ!ほな行ってみよかな!!!」



魔界の皇、タナトス、剣狼としての旅が始まる・・・



やっと人間界に着きました!!

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