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優しい魔皇の冒険記  作者: たんたん
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魔皇、友との再会

転移の魔法は、転移する先に魔法陣を描く必要がある。

転移先と、転移元が繋がる空間を魔力で構築し、魔法陣を扉という形でワープする魔法だ。


タナトスら、三皇はそれぞれの玉座に転移魔法陣を描いている。その魔法陣を使えば、すぐに敵に奇襲をかけることが出来ると思われるだろうが、転移する際には、魔法陣を媒体とした念話を使い、対象から許可を取れなければ魔法陣を通れなくなっている。無理やり通ろうとすると、魔力による道が途切れ、別の空間、次元に飛ばされるようになっているのだ。


とは言え、タナトスは魔法陣が無くとも瞬間移動の魔法を使えるので魔法陣を通る必要はないのだが、下手に動く訳にはいかない為、敢えて魔法陣を使うことに決めたのだ。


「ゼオン?聞こえるか?タナトスや。」


魔法陣を使った念話で、覇皇ゼオンにコンタクトを取った。


「・・・タナトスか?久しいな。元気でやっているか?」


渋く、重厚な声がホールに響く。

覇皇ゼオンだ。


「久々やなぁ。相変わらずええ声しとるわ。ちょっと確認したいことがあってな、念話でもええねんけど、直接会って話さなあかん思てな。会わせたい子らもおるねん」


「それは丁度良かった。最近魔族が関わっている事案があってな。その件で他国の勇者を名乗るパーティーが動いているのだ。その話をせねばと思っていたんだが、もう会ったのか?」


勇者パーティーが話していた内容は、間違いなかったのだろう。覇皇自らが動くことは滅多にない。やはりヴァンパイアの件で様々な国が動いている。


「うん。色々あって、勇者は消してもうたんやけど、他の子達に事情を話してもろたんよ。うちの子達がいらんことしてるかもやから、その話をしに行きたいんや。今、大丈夫か?」


「消した?それは残念だ。直接その剣聖とやらに会いたかったんだが。まぁ良い。今は私だけだから、いつでも来てくれ」


許可を取った後、魔法陣が青く光り輝いた。許可を取れた時に、こうして鍵が解放される。解放されなかった場合は、魔法陣が赤く光り、自動的に消滅し、10分後起動出来る。


「ほな、行こか」


タナトスは、パーティーと共に覇皇の元に赴く。


一瞬、目の前が真っ白な光に包まれる。すぐに光が消え、景色が変わる。そこは覇皇の執務室だった。


「本当に久しいな、タナトス。元気そうで何よりだ」


銀の短髪でオールバックに近い髪型をし、短い白髭を生やした、とてつもない威厳を放つ男。その男のすぐ隣には、銀の鱗で作られた柄の無骨な大剣が置かれている。覇皇の愛剣、竜殺の魔剣グランファフニールだ。

竜を喰らう邪竜ファフニールの牙と爪、最硬の鉱物、アダマンタイトで造られた深緑の刀身。持ち主を選び、認められぬ者が持つと、持ち主自身を食い殺すと言われる本物の魔剣だ。


お世辞にも煌びやかとは言えない執務室のテーブルで、業務をこなしていた覇皇ゼオンが立ち上がり、タナトスと握手を交わす。


「相変わらずでかいなぁ、あんたも剣も」


友との再会を本当に喜んでいるのだろう。子どものような笑顔で覇皇と話す魔皇。


勇者パーティーは呆然としていた。人間界の王達を統べる覇皇ゼオン。邪竜ファフニールを倒した英雄、人間界の皇である覇皇に「あんた」呼びする魔皇に驚いていたのだ。人によっては無礼な男と見るだろう。だが、彼らはそんな礼儀など不要な程、信頼し合った仲間なのだ。


なぜなら、勇者パーティーは知らぬことだが、邪竜ファフニールを倒す際にタナトスはゼオンに力を貸した。彼らは後に、親友と呼びあえるほどの仲になった。


「なぁなぁゼオン。今の時代の剣聖てえらいレベル下がってんで?昔のゼオンの方が数百倍強かったけど、あいつほんまに剣聖やったん?」


「あぁ、それはそうだろう。彼らの国で、勝手に剣聖と謳っていたのだ。正式な剣聖ではないよ。本物の剣聖は、代々剣聖自らが選んでいる。今は各地に武者修行に明け暮れているよ。いつか会うことがあったら、一度手合わせしてやってくれ。クライ・エルバドールという者だ」


剣聖とは、代々の剣聖が候補者と剣を交え、その者の将来つけるであろう力、即ち才能の有無や、心の強さ、優しさを確かめ、先代に認められた者だけが剣聖と名乗ることが出来る、

覇皇ゼオンは、八代目の剣聖であり、歴代最強と言われた男なのだ。


「なんや、やっぱりそうか!剣聖が来たから楽しめる思たんやけど、めちゃくちゃ弱かったんよ!ゼオン何してんねんな思たで!」


「ふっ、それは悪かった。まぁ、剣聖とはなろうと思ってなれるものではない名誉ある名だ。名乗りたい者は名乗れば良い。止める時間もないからな」


ゼオンは苦笑いを見せた後、勇者パーティーに顔を向けた。


「お前達が勇者の仲間達だな。俺は覇皇ゼオン・アルガナード・クレイトス。友が亡くなったのは辛かろう。タナトスも悪気はないのだが、命を狙われたのだ。無礼な発言とは承知だが、許してやってくれ。」


「まぁ、命狙われたし、何より俺の部下を侮辱しおったからな。悪いけど、申し訳ないとは思わんねん。」


「なるほどな。それはタナトスが怒る訳だ。まぁ終わった話ではあるし、本題に入ろうか」


勇者パーティーを来客用のソファに座らせた後、ゼオンは対面のソファに腰掛ける。タナトスはゼオンの隣に立つようだ。


覇皇、魔皇、勇者パーティーの会議が始まった。


次の次ぐらいで、魔皇が旅に出ます!

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