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6、コンゼツ根絶計画  作者: 黒十二色
第二章 自殺者根絶計画
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34/54

34、間奏、ろり雄の家

「そろそろだいじょぶかなー。電源、オーン」

 そんなことを言いながら、充電器につながれていたスマホを操作し、橘たちあなという変な名前の女は弟の良近に電話をかけた。

「もしもーし、おとうとー?」

《そうだけど、姉ちゃんどこに居るの?》

「知らない男の人の家」

《えっ! なんだそれ! 誘拐とかされた感じ?》

「うんにゃー、足くじいちまってねー。通りがかった人に肩貸してもらって、手当てしてもらったんだ」

《だからって、男の家に一人で……》

「いやいや、女の人しか居ないし」

《ごめん、ちょっと姉ちゃんが何言ってんだか》

「スマホ充電してたのー」

《そうなんだ》

「ところでさ、白い服の美女には会った? 見失っちゃってさぁ、エレベーターの横についてる数字で最上階に行ったのはわかったんだけど」

《ああ、うん。白い服の人ね。会ったけど……姉ちゃんさ、色んなことに首つっこもうとするのやめなよ》

「何だった? 何かの事件とかだった? スキャンダルとかさ」

《自殺未遂だったよ》

「おおう、それはなんと……。ということは、おや、もしかして、おとうとが命救っちゃいましたか?」

《いや、どうなんだろうね。俺だけの力じゃないと思うけど》

「おとうと誇らしい」

《誇らしい、か。どうかな。なんか自殺しようとしてる人にドクズって罵られたけども》

「おお、ドがついちゃったの。ドっていうのは、あれだよ。すごく貴族っぽい。つまり橘・ド・良近だね」

《もう切って良いかな》

「今日、晩御飯何?」

《また俺の家に来る気かよ……》

「だって、おとうとの家さあ、すごいコンビニ近いし」

《百均もファミレスもあるしね》

「うん。害虫も出ないし」

《そだね、昔ボロアパートに住んでた頃は、いっぱい出たけど》

「冷房あるし」

《そうだね、都会の夏は無いと厳しいよね。でもね、ベッドが無いんだ》

「おとうとには、床がある。床は冷たくて気持ちが良いと思う」

《じゃあ姉ちゃんが床に寝るならいいよ》

「わかった、床にベッド置いて寝る」

《うん、何言ってるんだろうね》

「そいじゃ、後で家に行くから、先帰ってていいよ。あと、友達呼んでいい?」

《もう勝手にしたらいいけどさ、朝まで騒いだりするのはやめてよ? 明日仕事なんだから》

「わかってるわかってる。そいじゃね、また後で」

 パーカー女は、通話終了ボタンを押した。

「というわけで、はんなに縞子。おとうとの家で遊ぼう!」

 それに対して、桂はんなは、

「いいの? 弟くん難色を示してたみたいだけど」

「問題ナッシング!」

 すると今度は嶋縞子が、

「私は、遠慮――」

「水臭いぞ、縞子」

「あなたは馴れ馴れしいですよ?」

「手厳しいっ! でも、来なかったら絶交だかんね!」

「だけど、帰って日記つけないと……」

「日記? そんなの紙とペンがあれば大丈夫でしょ。おとうとの家にも、そんくらいあるよ。無くても百均で買えるし」

「そんなに言うんだったら、少しだけ……」

「よっしゃー。じゃあメアド交換しよっ」

 橘たちあながスマホを頭上にかざすと、二人はそれぞれ携帯を取り出した。

 なんだか三人、友達になったようだった。



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