異能力【裏社会】
『いつ見ても禍々しいね。』
「リーダーが傷を負っていたのを知っていたのか?」
『まあね。僕って一応古参でしょ?』
「…リーダー。」
「俺は万能じゃねえ。」
「…」
固まっているスナイパーを心配する莉奈、本屋はあっけからんとした様子で莉奈に説明する。
「スナイパーさん?」
『心配しなくて大丈夫、考えてる最中だから。ホームズ、本を手に取るとはいいけど大事な資料だからね?』
「分かっている。」
「…席に集まれ。」
『りょーかい。』
席とはなんだろうかと思い付いていく。大きな扉を開くとそこは別の場所のような空間だった。よく読んでいた本の中に貴族がよく座る白いシルクの布が被せてある長い机と豪華な椅子があった。
「【円卓の晩餐会】。先代がつけた会議の別称みてぇなもんだ。ここに座れ。」
「う、うん。」
スナイパー、ホームズ、モリアーティ教授、本屋、医師、小人たちが座っていた。宙に浮く料理たちをみて驚愕する莉奈。
「う、浮いてる?!」
「ここはなんでもありだからな。料理食いながら聞け。こいつは指揮者…名前は莉奈だ。」
「おややっと指揮者が?」
『そんな所。元刑事だよね?』
「え。」
『ホームズとモリアーティ教授を舐めないでね。君が所属していたところなんてあっという間に解明しちゃうんだから。』
「え。」
「…元刑事か。」
スナイパーの目付きが更に鋭くなっていて、莉奈は涙を流していた。怖くてだが。こほんっと咳き込んだ元凶はさらりと言ってのける。
『…集めたってことは本格的に動くんだね。』
「ああ、異能力者として世界中から依頼が届く。だが人手が必要だ…だからこそ奴を迎えに行く。」
「…奴?」
「【裏社会】を迎えにな。」
「リーダー反対だ奴は。」
「…世界改変との戦いに必要だからだ。奴の戦闘能力は俺と同等だ。傲慢だが奴は必要不可欠だ。」
スナイパーは反論出来ないのか黙ってしまった。名前の通り危険なのだろうと莉奈でもよく分かった。
「裏社会って概念?」
『大正解。そうだよ。生まれながらの高い知能と戦闘能力。自由自在に使って戦うとんでもくんだ。特徴が物凄く分かりやすくてね。教授は僕とお揃いの白衣を着てて、ホームズは英国紳士の服装…で、殺し屋くんは銀色の髪、眼帯をしている男さ。』
「眼帯?」
『拳銃やら体術を上手く使う子でね。本人が裏社会って呼べって言うから呼んでるのさ。問題はここからで…リーダーの言うことを聞かない子なんだよ。』
「え。それ大丈夫なんですか?」
『大丈夫じゃないからスナイパーくんが反対してるんだよ。』
<うきうき。>
『はいはい、小人くんたちは作業がしたいんだね。作業しておいで。』
「…あのー…もしかして私も?」
「てめぇが俺と来るのは決定事項だ。」
「はい…」
「…待ってくれリーダー、俺も行こう。」
「納得してねぇんじゃ。」
「奴が逆らったら撃ち抜く。」
「やめなさい。」
「あの…何処にいるんですか?」
「世界一でかい刑務所ロストプリズンに居る。」
名前からして物騒!と涙を流して目的地まで潜水艦に運んでもらったのだった。
「あの、どんな人?」
「一言で言うなら俺を殺そうとする狂人。」
「…なんで?」
「さぁ?」
「…リーダー、許可をくれ。」
「…時と場合。」
「了解した。」
〜ピーンポーンパンポーン、目的地ロストプリズン前、ロストプリズン前〜
「おら、車に乗るぞ。」
「あ、うん!」
「……」
乗り込み、車は走り出す。ハッチから飛び出てロストプリズンに突っ込む。犯罪者たちが逃げ惑い、異能力者な警備員たちが攻撃してきた。
「おーおー、手荒い歓迎だな。」
「…リーダー。」
「莉奈、背中にくっついてろ。」
「う、うん!」
「抜刀、【大典太光世】。」
「ターゲット確認【スナイプ】。」
敵を一掃して走り出す、目的地は最深部にある牢獄である。
「何をしたのその人?!」
「言ったろ裏社会だって。」
「その名の通り裏社会のトップとなった男だ。だが奴は問題児だ。」
「まあアイツと喧嘩するのはてめぇくらいだろうよ。裏社会を司る異能力者と思えばいい。一気に最深部までいく。」
床を斬って降りていく。円形に切るだなんて律儀だなぁと思いながら。最深部、巨大牢獄。
「…遅かったじゃねぇか。」
「よぉ裏社会。」
裏社会ということはヤクザとかそんな関係だろうかと思っていたら思いっきり睨まれた莉奈はビビった。チビるかと思ったと心の中で思っていた程には。
「…この人が裏社会さん?」
「なんだその女。てめぇの趣味か?」
「んな訳あるか、相棒だ相棒。」
「てめぇが相棒だぁ?笑わせる。てめぇみたいな孤独には孤独がお似合いだ。」
「貴様リーダーになんてことを。」
「スナイパーてめぇもてめぇもだ。こいつに従う理由などないだろう?」
莉奈は思っていた、何故煽るのだろうかと。まるでイラついているようなそんな感じをしていたのを感じ取った莉奈は思わず言ってしまった。
「…嫉妬?」
「おい女。今なんて言った。」
ピキっと音が鳴り響く、完全にキレた音だ。頭を抱えるウルフ、沸点が低いなと鼻で笑うスナイパー、そして。蹴破って莉奈の前に立っていた。莉奈より身長が高く想定は180cm以上はあるだろう。
「女、てめぇ何者だ。」
「莉奈です。」
「指揮者だ。」
「…ほぅ?」
「…リーダーを連れて行って大丈夫なのか?」
『スナイパーも裏社会も激重クソ重感情を向けてるから大丈夫!』
「そういうものか?」




