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35 ラウトゥーゾ遺跡

 遺跡自体の高さは、王都を囲む城壁は余裕で越すほどあった。そして、その入り口も天井にぎりぎりの高さまで開いていたので、何の心配もなく馬車ごと入ることができた。

 遺跡の中には、私たちの馬車だけが入っていった。

 警備隊は馬を止め、馬首を巡らすと引き返していった。

「彼らはこの辺りを守護する警備隊なんだよ」

 ヨハンが言う。

「遺跡の中はうちの管理だから、何かない限りは彼らは入ってこない」

 遺跡の中は、特に装飾もない巨大な空間が延々と続いていた。その突き当たりの壁はそれまでの白っぽい石ではなく、黒い堅そうな石になっていて、そこに人が通れるくらいの口がぽっかり開いていた。

 私たちは天井も壁も床も真っ黒い石でできた廊下を進んでいった。ところどころあいた窓から明かりが入ってくる。間取り上、窓から光が入ってくるわけはないはずだけど、何か仕掛けでもあるのだろうか?

 やがて、廊下の行く手に光が溢れているのが見えた。廊下を抜けると、そこは広大なパティオになっていて、そこにコテージが一軒建っていた。植物はその周りに少し鉢植えがあるくらいで、あとは外から見えたのと同じ砂岩ばかりだ。そして、壁のところどころには通路の入り口があいていた。

 馬車は家の前で停まった。

「ここに滞在する。遺跡には、僕の指示があるとき以外には入らないでくれ。ここは見た目よりも気をつけないといけない場所だからね」

 ヨハンの言葉に私は首を傾げる。魔素の様子からすると、かなり穏やかな空間という感じなのだが。

 ヨハンが言った。

「君はなぜここが放棄されたか知っているか?」

「世界の危機が去ったときに、世界の形が変わって国境が近くなりすぎたから?」

 ここでいう国境とは、国の領地の境であると同時に、世界の限界であることも意味する。

 ヨハンは首肯した。

「そうだね。国境が近いということは、いろいろなことが起きるということだ。先ほど会ったような警備隊が置かれているのもそのせいだ。まあ、僕の指示に従ってくれればいい」

「わかりました」

「とりあえず、荷物を置いて。落ち着いたら、少し早いけど昼食の準備をして食べよう。それから練習場に行くよ」

 本日もう一話投稿します。

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