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令和コロナ騒動実録  作者: 澤村桐蜂
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令和4年3月第2週

3月7日(月曜)

 本日は、全国で3万7083人の感染。千葉県で14人、神奈川県で11人、愛知県で10人、大阪府で9人、京都府で8人、東京都で8人、奈良県で7人、兵庫県で6人、北海道で6人、茨城県で5人、長野県で5人、三重県で3人、広島県で3人、福岡県で3人、香川県で3人、高知県で3人、埼玉県で2人、山口県で2人、栃木県で2人、滋賀県で2人、和歌山県で1人、宮城県で1人、富山県で1人、岐阜県で1人、岩手県で1人、熊本県で1人、石川県で1人、鹿児島県で1人、総計(そうけい)120人の死亡が発生。人工呼吸器や集中治療室を用いた治療を受ける重症者は1354人。症状が改善して退院したうち国内で感染が確認された者は471万2167人、客船の乗客や乗員が659人で、合わせて471万2826人。今月3日に行われたPCR等の検査は、自主検査を除く速報値で10万2565件となった由。

 各地域で如何(いか)に医療が逼迫(ひっぱく)しているかを()(はか)る指標として、内閣官房が全国47都道府県に於ける「医療提供体制等の負荷」と「感染の状況」、前者に関しては「確保病床の使用率」、「重症確保病床の使用率」等の5項目に就いての情報を公開。今月6日の時点で「重症確保病床の使用率」は奈良県で68%、大阪府で54%。「確保病床の使用率」は埼玉県53%、千葉県61%、神奈川県65%、愛知県61%、滋賀県70%、京都府65%、大阪府73%、兵庫県61%、奈良県62%、福岡県57%等が五割を超え、政府の分科会が示す「対策を強化すべき水準(レベル)」の目安を上回った由。東京都では5374人の新規感染を認めるも、先週月曜より4000人余を減じ、本年1月18日以来の六千人未満。7日間平均は1万391.9人で前週の92.3%となり、24日連続で前週を下回った模様。東京を含めた18都道府県では蔓延(まんえん)防止(ぼうし)(とう)重点(じゅうてん)措置(そち)が今月21日まで延長される一方、13県は昨日を以て解除となり、本日は 三重(みえ)伊勢(いせ)市の伊勢(いせ)神宮(じんぐう)に参拝者が増え、岡山(おかやま)県岡山市の後楽(こうらく)(えん)は凡そ1ヶ月振()り、広島(ひろしま)県広島市の原爆(げんばく)資料(しりょう)(かん)は凡そ2ヶ月振りに再開した由。

 三月に入り、全国各地でスギ花粉の飛散が増加。日本気象協会の予想に依ると、今春の飛散量は東日本を中心に昨年よりも「(やや)多い」から「非常に多い」の地域が多い模様。花粉症の主たる症状は(くしゃみ)鼻汁(びじゅう)鼻閉(びへい)、目の掻痒(そうよう)、倦怠感、嗅覚障害、熱感、咽頭痛、咳、軽い頭痛、耳の掻痒。対してCOVIDの症状は、新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(Health Center Real-time information-sharing System on COVID-19; HER-SYS)の情報を国立(こくりつ)感染(かんせん)(しょう)研究(けんきゅう)(じょ)(まと)めた所に()ると発熱が66.6%、咳が41.6%、全身倦怠感が22.5%で、頭痛21.1%、咳以外の呼吸器症状が12.9%、嘔気(おうき)嘔吐(おうと)が2.7%、下痢は2.3%、嗅覚障害や味覚障害が0.8%等。国立感染症研究所が行った別の疫学(えきがく)調査では咳45.1%、発熱32.8%、咽頭痛32.8%、鼻水20.5%、嗅覚障害1.6%、味覚障害0.8%。英国の研究者達の調査で「オミクロン株発症者の60%に嚔を認めた」との報告も存在して居り、個人差は有ろうが、花粉症とCOVID-19には嚔や鼻汁を始めとして症状の類似が見られる。

 3月3日の項にも登場した日本(にほん)耳鼻(じび)咽喉(いんこう)()頭頸(とうけい)()外科(げか)学会(がっかい)に於けるCOVID対策の責任者、木村(きむら)百合香(ゆりか)氏も「例年通りの花粉症の嚔、鼻水の症状」を訴えて「いつもの薬を下さい」と受診した患者に「花粉症の薬」を処方するも、二日後に「喉の痛みが強くなってきたと再受診して検査するとCOVID陽性だったとの自験例を持ち、専門科医と言えども「初期の症状は本当に鑑別がつかないものがある」と実感した由。典型的な花粉症では「鼻の粘膜が白くなる」が、初期では「所見がはっきりと出ない事も少なくありません」「検査無しに見分けるのは医師でも難しいのではないか」との事で、愈々(いよいよ)油断ならぬが、日本(にほん)耳鼻(じび)咽喉(いんこう)()免疫(めんえき)アレルギー学会(がっかい)等が行った2019年の全国調査で花粉症患者は42.5%に上り、スギ花粉に限っても38.8%との報告有り。日本人口の3人に1人以上が花粉症だとすると、全員にCOVID検査を行うのは現実的では無い。

 スギ花粉の飛散が始まる以前の今年1月25日、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は「鼻水、くしゃみ、鼻づまり、嗅覚障害、倦怠感といった花粉症の症状は、新型コロナウイルス感染症、特にオミクロン株と共通の症状」で在り「花粉症の症状があると、ご自身がウイルスに感染しているかわかりにくくなってしまいます」とwebsiteで呼び掛けた。学会は「自身の感染に気付かず、周囲に感染を広げてしまう」事、花粉症に因り目や鼻の掻痒が生じた際に「SARS-CoV2が付着した手指で目や鼻を(こす)って粘膜を介して感染する」事の危険性を指摘し、早期治療で花粉症の症状を抑制する事を推奨。「治療を経て花粉症の治療が軽減、消失した後に咽頭痛や頭痛、倦怠感等を伴う症状が生じた」場合や「花粉症の治療を受けても症状に変化が見られない」場合はCOVIDの可能性が高まる由。木村百合香医師からは「例年通りの花粉症の症状」で特段「熱が高い」等の特徴が見られず、周囲に感染者も居なければ「通常の花粉症として受診する事で問題無い」。しかし「いつもは鼻水とくしゃみ」だが、今年は「喉が痛い」「熱が出ている」「頭痛が有る」等の場合は「受診の前に(あらかじ)めクリニックに伝えて欲しい」。「去年迄、花粉症の症状が出ていなかった」が「今年、急に花粉症の様な症状が出て来た」場合も「花粉症だろうと決めつけずに注意して欲しい」との見解も語られている。

 国会では7日、参議(さんぎ)(いん)予算(よさん)委員(いいん)(かい)で集中審議。烏克蘭(ウクライナ)情勢を巡り、総理大臣の岸田(きしだ)文雄(ふみお)氏は「原子力発電所に対する攻撃は決して許されない暴挙」で「福島第一原子力発電所事故を経験したわが国として強く非難し、懸念する」と語る一方、「米国の核兵器を同盟国で共有する」核共有に関しては「米国の核兵器を置き、有事には戦闘機等により、搭載、運用可能な体制を保持する」事で「日本の防衛の為に米国の核抑止力を共有する」枠組みが各共有だと定義すると、()れは「非核三原則と相入れず、認められない」。「少なくとも非核三原則の『持ち込ませず』とは(あい)()れない」と改めて否定する一方で「緊急事態が発生し、核の一時的寄港を認めないと日本の安全が守れない」事態が発生した場合は「其の時の政権が、政権の命運を賭けて決断し、国民に説明する」と云う「平成22年当時の岡田外務大臣の答弁」は「岸田内閣でも引き継いでいる」と述べた由。

 今月6日の時点で、国連難民高等弁務官事務所(United Nations High Commissioner for Refugees; UNHCR)が「露西亜(ロシア)に依る軍事侵攻が始まってから10日間に、烏克蘭から国外に避難した者は150万人以上に(のぼ)った」事を発表し、「第二次世界大戦以降の欧州で、最も速い進度(ペース)で増え続けている危機だ」と指摘。半数を超える88万人以上は波蘭土(ポーランド)に、約17万人が洪牙利(ハンガリー)に、11万人以上が斯拉仏克(スロバキア)、8万人以上が模爾杜亜(モルドバ)に移動するも、UNHCRは「戦争が(ただ)ちに終わらなければ、数日で更に数百万人が住まいを追われる事になる」と警告した。露西亜の侵攻後、先月28日に烏克蘭が欧州連合への加盟を申請し、今月3日に露西亜を警戒する模爾杜亜と喬治亜(ジョージア)も加盟を申請したと発表。欧州連合の議長国を務める仏蘭西(フランス)が、今月7日に「加盟国の大使級が協議し、交渉開始に向けて必要な手続きを始める様に欧州委員会に求める事で合意した」旨を公表。しかし、欧州理事会の議長、俗に「欧州連合大統領」とも呼ばれる要職を務めるCharles Michel氏が「EUの中には様々な意見が有り、難しい問題だ」と難色(なんしょく)を示す等と3箇国の加盟が何時(いつ)実現するのかは見通せない情勢。

 Johns Hopkins大学の報告に拠ると日本時間の本日19時の時点で、世界全体で発生したCOVIDに因る死亡者の累計が遂に六百万人を突破し、600万97人となった由。死者が最も多いのは米国の95万8621人、次いで伯剌西爾(ブラジル)が65万2438人、印度(インド)が51万5102人、露西亜(ロシア)が34万9850人、墨西哥(メキシコ)が31万9859人。全世界の死者数は百万人を超える迄に250日を要したのに対し、其処(そこ)から二百万人を超える迄は108日、三百万人超が93日、四百万人超えるは82日と次第に間隔が狭まって来たが、其の後は五百万人を超える迄が116日、今回は六百万人へ至る迄に126日と再び進度(ペース)が落ちて来た模様。

 世界保健機関(World Health Organization; WHO)の事務局長、Tedros Adhanom Ghebreyesus氏は今月2日の記者会見で「死者数が世界的に、そして(ほとん)どの地域で減少して来ているのは心強い」が「入院や死亡の割合が高く、ワクチンの接種率が低い国は()だ多く在る」として追加接種や感染対策の徹底を重ねて呼び掛けた由。


3月8日(火曜)

 本日は全国で5万4024人の感染。248人の死亡。SARS-CoV2感染が確認され、更に人工呼吸器や集中治療室等の治療を受ける重症者は1348人。一方、症状が改善して退院した人などは国内で感染が確認された人が478万4648人、クルーズ船の乗客・乗員が659人の合わせて478万5307人。また今月6日のうちに行われたPCR等の検査は自主検査を除く速報値で3万1874件。東京都内の感染確認は8925人で三日連続で一万人を下回り、感染が確認された22人が死亡。7日間平均も9979.3人で、今年1月25日以来の1万人未満、前週を下回るのは25日連続。都の旧基準で集計した重症患者は、前日より2人減って67人。死亡者22人のうち、少なくとも17人は基礎疾患を有して居り、都内のCOVID患者用病床使用率は昨日より1.5ポイント下がって46.1%。大阪府では6509人の新規感染が確認され、前週同曜と比べると2000人余を減じるも、府内の感染者累計は70万を超えた由。

 政府は先月末迄に高齢者や医療従事者等の3700万人を対象に3日目接種を進めて来たが、総務大臣の金子(かねこ)恭之(やすし)氏が閣議後に「接種回数は先月中旬に一日百万回を実現」「先月末迄には対象者のうち、凡そ7割の人に接種を受けて頂いた」と発表。またワクチン接種担当大臣の堀内(ほりうち)詔子(のりこ)氏に依ると「烏克蘭(ウクライナ)を巡り緊迫した状況が続いている」中でも「欧州(ヨーロッパ)から輸入される新型コロナウイルスワクチン」は「現在の所、製薬会社と航空会社が(しっか)りと連携」して「露西亜上空を回避して空輸」され、「我が国に予定通り確実に輸入される様に御努力頂いている」。政府としては、引き続き「既に示している日程(スケジュール)でワクチンを届ける事に最善を尽くして行く」ので「自治体や医療機関等の関係者は心配する事無く、安心して接種を進めて頂きたい」との事。

 平成26年5月23日に成立、翌27年1月1日に施行された難病(なんびょう)患者(かんじゃ)(たい)する医療(いりょう)(とう)(かん)する法律(ほうりつ)。通称、難病法は「持続可能な社会保障制度の確立を図る」為の改革推進、「難病の患者に対する医療費助成」の費用に消費税収入を()てる事の法制化、「調査及び研究の推進、療養生活環境整備事業の実施」等に就いて定めた法律で対象となる指定(してい)難病(なんびょう)は現在、338に及び、其の中には当方の専門領域と関連が深い進行性核上性麻痺やParkinson病、大脳皮質基底核変性症、huntington病等も含まれる。法に「施行後5年以内を目途(めど)に、施行状況を勘案(かんあん)して必要があれば見直しに向けた検討を行う」との規定が有る事を踏まえて、一昨年に厚生労働省が専門家から成る委員会を設けて改正に向けた議論を始めるも、感染拡大の影響で中断を余儀無くされた。大幅に遅れながらも(まと)められた改正案には「医療費助成の開始時期を従前の申請時点より(さかのぼ)って重症化した時点とする」事や「軽症患者も含めた情報(データ)蓄積(ベース)を整備し、一定の条件で製薬会社等も利用可能とする」事等が盛り込まれる見通しなれども、厚生労働省に依ると、COVID対策に多くの人的資源を()かねばならぬ現状で、法改正を行う際に要する「内容の検討や国会議員との議論、関係省庁との調整」等と「通常の2倍近い業務量」を(こな)す事は他部署からの応援を得ても困難で、現在開催中の通常国会への改正案提出は(おろ)か「何時(いつ)提出(ていしゅつ)出来(でき)るのか」も「約束出来ないのが正直な所」との事。

 1917年に露西亜(ロシア)から独立した芬蘭土(フィンランド)は、第二次世界大戦中に旧蘇緯埃(ソビエト)連邦と二度戦う等と国境を接する露西亜の圧力に(さら)され、戦後は北大西洋条約機構(NATO; North Atlantic Treaty Organization)に加盟せず、中立を維持して来た。しかし、露西亜が此度(このたび)烏克蘭(ウクライナ)に侵攻した事を受けて、今月5日に芬国首相のSanna Marin氏は「今、其の議論が行われて」居り「議会や政府内、政党間で議論して行く」とNATO加盟を積極的に検討する意向を表明。芬蘭土国営放送株式会社(Yleisradio Oy; YLE)が先月下旬に実施した世論調査では、国民の53%が加盟申請を支持して史上初めて多数派となった由。隣国の瑞典(スウェーデン)も1815年の拿破崙(ナポレオン)戦争終結以降、二百年以上に渡って中立を保って来たが、今月4日に地元有力紙がに公表した世論調査で51%の国民がNATO加盟を支持。1月の42%から上昇して過半を占めたのは、矢張り史上初との事。

 露西亜外務省の情報局長、Maria Zakharova氏は先月下旬に「芬蘭土と瑞典がNATO加盟を申請すれば、何らかの軍事的・政治的な結果に直面する」と警告したが、今月4日に芬国大統領のSauli Niinistö氏が米国を訪問し、Joe Biden大統領とNATO加盟について意見交換。翌5日には芬瑞両国の首脳が安全保障協力の強化で一致したが、NATOも此等(これら)の動きを歓迎。両国と同じ北欧、諾威(ノルウェー)出身のNATO事務総長で在るJens Stoltenberが現時点で非加盟の両国を一連の会議に招待して「両国が申請すると決断したならば、迅速に加盟させる事は可能だ」と語った等の経緯から判断するに、露西亜の脅迫は(むし)ろ逆効果となった模様。

 昨日に露西亜政府は日本や米英、欧州連合全加盟国等、48の国と地域を「()友好(ゆうこう)(てき)(くに)地域(ちいき)」に指定。烏克蘭侵攻を巡る対露制裁への対抗措置で、「非友好国」の債権者に自国通貨Russian Rubleでの債務返済を受け入れる様に迫る内容。本日午前の記者会見で松野(まつの)博一(ひろかず)官房長官が「露西亜が日本を非友好国とし、日本の国民や企業に不利益が及ぶ可能性の有る措置を公表した事は遺憾(いかん)」と抗議した旨を公表し、日本政府としても追加制裁を行い、「露西亜、其の同盟国たる白露西亜(ベラルーシ)の政府関係者32人と12団体の資産凍結」を発表した由。


3月9日(水曜)

 本日に厚生労働省の専門家会合で示された資料に依ると、昨日迄の一週間に於ける新規感染者数は、今月6日に重点措置が延長された地域のうち、首都圏の1都3県で東京都が0.88倍、神奈川県が0.97倍、埼玉県で0.90倍、千葉県は0.94倍。関西は大阪府で0.79倍、京都府は0.83倍、兵庫県が0.90倍。東海を見ると、愛知県で0.88倍、岐阜県で0.82倍と横這いから減少。北海道に行くと0.82倍、栃木県で0.81倍の群馬県で0.96倍、石川県0.91倍、静岡県0.90倍、香川県0.99倍も横這いから減少だが、青森県は1.09倍、茨城県が1.13倍、熊本県も1.11倍と前週より増加。

6日に重点措置が解除された地域に関しては新潟県0.82倍、長野県0.99倍、三重県0.93倍、和歌山県0.80倍、岡山県0.93倍、広島県0.93倍、福岡県0.88倍、長崎県0.92倍、宮崎県1.00倍、鹿児島県0.89倍が前週と著変無し、若しくは微減となる一方、福島県1.18倍、高知県1.08倍、佐賀県1.01倍と微増した地域も有った。先月に重点措置が解除された地域では山形県が1.06倍、島根県は1.15倍、山口県と沖縄県が1.13倍、重点措置が適用されていない地域でも福井県で1.23倍、愛媛県で1.15倍等と増加。直近一週間に於ける人口10万当たりの感染者数は大阪府が最も多く、506.67人。次いで東京都が497.27人、奈良県が462.00人、神奈川県が451.85人で、全国では329.02人との事。

 同じく専門家会合にて京都(きょうと)大学(だいがく)教授の西浦(にしうら)(ひろし)氏が発表した所では、「3月上旬迄の資料(データ)から計算した年代毎の致死率」と「今後の感染状況の試算」を組み合わせて推算した結果、昨年12月から来月29日迄の期間に発生するCOVIDに因る死者数は40代と50代の合計が234人、60代で453人、70代で1956人、80代以上で7191人。総計9834人に上る見込みになった由。「感染者数が多い状況が続いている」「高齢者施設で集団(クラスター)感染が発生している」等の要因から従前の推定結果よりも死者数が増えた一方、今回の試算に3回目接種の効果は考慮されて居らず、西浦教授からは「3回目のワクチン接種が普及すれば一定の割合で死亡するのを防ぐ事が出来る」ものの「接種が遅れ気味」故に「間に合わなかった人が亡くなっている状況」との考察も語られた模様。

 オミクロン株に因る感染拡大で「濃厚接触者とされて、病院や事業所等で仕事を欠勤する」者が増えて「社会機能の維持が困難になった」事や「濃厚接触者を特定する業務で保健所が逼迫」して「重症化危険性が有る者に十分対応出来ない地域が出る」等の課題が顕在化した件に関しては、同じ専門家会合で「保健所が調査を行わなくとも事業所や学校、個人が濃厚接触者で在るか否かを自主的に判断する事は可能」「感染が急拡大した地域や状況では一律に外出制限を求めず、仕事を含む必要最低限の行動は認めるべき」との見解が示された由。(ただ)し「感染した家族の濃厚接触者になった場合」は「感染している危険性が高い」為に慎重に対応すべき」。また集団感染の拡大を防ぐ為に、高齢者施設では寧ろ「従来より広い範囲で検査を行いながら、保健所が感染経路の調査や濃厚接触者の特定を続けるべき」との事。

 会合後の記者会見で座長の脇田(わきた)隆字(たかじ)氏曰く、現在の感染状況は「今の実効再生産数は0.9と1を少し切っている程度で、減少傾向は必ずしも顕著では無い」と云うのが専門家間の共通認識で、昨夏の感染第五波の際は「頂点(ピーク)を超えてから減少の速度(スピード)が加速して行った」が「今回は()()う状況では無い」。「小児や高齢者の感染が()だ続いて」居り、「特に大都市圏では高齢者施設での感染集団(クラスター)の発生が続いている」事が要因と考えられる。「大都市圏は比較的減少傾向が続いている」ものの「地方では下げ止まりや再上昇が見られ」、「此れを感染の再拡大に繋げない」事が重要」。また本日会合で発表された「全国の資料(データ)を使った分析」で「4月初めにはBA.2がオミクロン株全体の7割程度まで置き換わる可能性」が改めて提示されたが、「現在主流のBA.1に比べて感染力が1.2倍程度高い」とされるBA.2への置換が進む事に因り「感染者数全体が増加に転じる恐れが有る」。以上を踏まえて「3月末から4月に向けて、(しっか)り感染状況を見ていく事が求められる」と油断を(いまし)める発言が聞かれた由。

水際対策の緩和策として、日本政府は今月14日から「入国者数の上限を一日当たり7000人に引き上げる」と共に、来日出来ず待機している外国人留学生の受入を優先的に進める為に「商取引(ビジネス)の旅客が比較的少ない平日を中心に航空機の空席を活用して入国出来る」体制が始動する予定。本日午前の会見で、官房長官の松野(まつの)博一(ひろかず)氏も「在留資格の認定を受けながら、入国出来ていない外国人留学生」は「凡そ15万人」存在するが「斯うした留学生の入国を認める事は諸外国との友好関係を構築」して「我が国の教育、研究力の向上等にも極めて重要」。「今後、留学生が円滑、着実に入国出来る様、取り組んで行きたい」が「今回の事業計画(スキーム)に加え、一般の入国枠でも留学生が入国出来る」事を考慮すると「5月の末迄には相当程度入国出来るのではないか」と発言した模様。

 回線(オン)接続(ライン)での国会審議について議論を進めていた衆議(しゅうぎ)(いん)憲法(けんぽう)審査(しんさ)(かい)は、先週迄の議論を経て「憲法を改正しなくても緊急事態などの場合には、解釈によって例外的な実現が可能」との意見が多かったとの報告書を議決。此れを受けて本日、自民党の憲法審査会長を務める(もり)英介(えいすけ)氏が衆議院議長や衆議院議院運営委員長と会談し、報告書を提出。議長の細田(ほそだ)博之(ひろゆき)氏は「国会は如何なる事態でも立法や行政監視の機能を果たして行く責務が有る」「今後は議院運営委員会で法規上の問題点や制度設計、必要となる環境整備等に就いて検討したい」と応じるも、運営委員長の山口(やまぐち)俊一(しゅんいち)氏は「議論は大変難しい」「今の国会中にどうしても()れという話ではないと思うが、コロナ()でも在り、或る程度の方向性を出したい」と記者団に語り、早期実現の可能性に就いては不明。

 対して開かれた東京(とうきょう)()議会(ぎかい)では、本日に開かれた予算特別委員会に於いて、COVID感染で自宅療養中の議員、都民(とみん)ファーストの(かい)所属の(たいら)慶翔(けいしょう)氏がオンラインで出席。委員会室には「自宅にいる議員を映した受信機(モニター)」が置かれ、議員が環境や教育の施策等に都側に質問する音声は「委員会室の拡声器(スピーカー)を通じて流され」た上で小池都知事や幹部職員が答弁。東京都議会では一昨年に「本会議以外の全ての委員会に議員が回線(オン)接続(ライン)で出席出来る」様に条例が改正されたものの、実行されたのは本日が初めてだったそうだが、(やが)て国会や他の道府県も追随する事になるのだろうか。

 露西亜の侵攻後に烏克蘭(ウクライナ)では「政府や外務省等のサイトが閲覧出来なくなる」事態に陥り、米当局者は「露西亜からの電網上(サイバー)攻撃」だと指摘。google社も「露西亜のhacker集団“Fancy Bear”が、烏克蘭の企業等を標的にしたcyber attackを実行している」と発表。対して国際的だが緩やかなhackerの集合体、悪名高き“Anonymous”が先月25日の時点で「露西亜政府を標的にした作戦を開始した」「我等(われら)(ただ)、世界の平和を望む」とTwitter上で宣言。彼等の攻撃で「民間への影響も不可避」と警告しつつも「只今も爆撃されている烏克蘭人の立場に自らを置け」と理解を求め、更に「我等は共に世界を変えられる」「何者にも立ち向かう事が出来る」「今こそ露西亜国民は団結し、Vladimir Putinの戦争に“NO”と言うべき時だ」と呼び掛けた由。

 更に翌26日、“Anonymous”のTwitter接続権(アカウント)は“Hackers all around the world: target Russia in the name of #Anonymous”、即ち「世界中のハッカー達よ、アノニマスの名に於いて露西亜を標的にせよ」と宣言。“let them know we do not forgive, we do not forget.”「我々は許さず、忘れぬと云う事を彼達に知らしめよ」。“Anonymous owns fascists, always.”「アノニマスは常に結束主義者(ファシスト)(ども)を打ち負かす」。“When the world turns to chaos because of fools leading other fools to violence, we may feel powerless.”「愚者が他の愚者を暴力へと導き、世界が混沌(こんとん)に陥る時、我等は無力だと感じるかも知れぬ」。“Understand together we are not powerless.”「理解せよ、我等が決して無力では無い事を」。“Even a singular voice of reason in the darkness can be a beacon of light for many.”「闇中に唯一つと言えども理性の声が聞こえれば、多くの者にとって光の道標と成り得るのだ」。“Speak out.”「声を上げよ」。 “Be heard. ”「聴け」。“Be righteous in all that you do”、「汝の為す所、全ては正義に従え」等の表現は却々(なかなか)に誌的だ。

 露西亜側の発表に拠ると、宣言と前後して大統領府のwebsiteが断続的に接続困難となり、「前例の無い規模の電網上攻撃」で「幹部を含む約10万人の軍人の氏名や住所、身分証の情報」が流出。攻撃を恐れた国防省が自身のsiteに於いてserver downを選択する事態に陥ったが、更に今週7日、“The hacking collective #Anonymous hacked into the Russian streaming services Wink and Ivi (like Netflix) and live TV channels Russia 24, Channel One, Moscow 24 to broadcast war footage from Ukraine [today]”、即ち「ハッキング集団アノニマスは今日、露西亜のNetflixとも言うべき配信業者のWinkとIvi、テレビ局のロシア24、第1チャンネル、モスクワ24に対して電波ジャックを行い、烏克蘭から届いた戦争の映像を放送した」と発表。「本来の放送の映像が烏克蘭に攻め込む露軍の映像に差し替えられ、数十秒間に渡って放映された」との事で、其の様子を映したと思われる動画も添付された。彼等の行動を常に支持する立場でも無いが、今回に関しては痛快無比。此れが露西亜国民の心を動かし、戦争を止める一助と()る事を(せつ)に願う。


3月10日(木曜)

 本日に全国で6万1155人の感染、189人の死亡。東京都で1万80人、大阪府で6322人の感染が報告された由。

 東京都のモニタリング会議は、都内の感染状況と医療提供体制を4段階のうち最大限の警戒水準(レベル)で維持。新規陽性者の7日間平均は昨日時点で9379人となり、凡そ1万8000人に達した先月8日に比して半減。昨日の入院患者も3374人と、1週間前の今月2日より400人余の減少。ゲノム解析でBA.2感染が確認された患者の割合は本年1月が0.5%、先月が2.8%だったが、先月28日迄の1週間に検査を行った新規陽性者のうちBA.2感染疑いの患者は12.3%で、前週の8.0%、2週前の1.3%に比して上昇。総じて言えば「新規陽性者は緩やかな減少傾向」に在るも、歓送迎会や卒業祝宴(パーティー)、花見等と年度末に伴う催事で「人々の移動や接触機会が増加」、更にBA.2増加の影響が加わって「増加比が上昇し、感染が再拡大する」可能性を識者は警戒している由。

 本日に京都(きょうと)府は「新型コロナウイルスに感染した府内の10歳未満未就学児の死亡が確認された」旨を発表。当該児童に基礎疾患は無く、先月下旬に発熱して検査を受けた所、感染が確認されて自宅療養を開始。解熱(げねつ)後も(ぜん)(めい)が残った事から医療機関を受診し、服薬に依って症状は改善したが、其の後に死亡。現時点で死因は不明だが、京都府内でCOVIDに因る10歳未満の死亡が確認されたのは初めてとの事。

 昨年7月に露西亜(ロシア)の首相、Mikhail Mishustin氏が北方(ほっぽう)領土(りょうど)択捉(えとろふ)島を訪れて実効(じっこう)支配(しはい)を誇示すると共に、特区の設置に就いて言及。今月4日迄に上下両院で可決され、同国大統領のVladimir Putin氏が「北方領土を含むKuril 諸島に進出する国内外の企業」を対象に「所得税等の各種税を原則的に20年間免除する」法案に署名。同法案が発効された事に因り、露西亜は「経済特区として北方領土の実効支配を更に強める」思惑が有るものと見られる。本日会見で、松野博一官房長官は「北方四島に関する日本の立場や首脳間の合意に基づき議論して来た四島に於ける共同経済活動の趣旨と相容れない」、「遺憾で在り、改めて我が国の立場を露西亜側に申し入れた」と語るも、「露西亜の烏克蘭(ウクライナ)侵攻」「日本の対露制裁が発動」「露西亜が日本を含む非友好国を設定」と両国関係が悪化の一途を辿る現状に於いて、露西亜に黙殺される事は必定(ひつじょう)か。

 本日付のNew England Journal of Medicine電子版に、東京大学医科学研究所の特任教授、河岡(かわおか)義裕(よしひろ)氏を含む研究者達が“Efficacy of Antiviral Agents against the SARS-CoV-2 Omicron Subvariant BA.2”なる論文を発表。オミクロン変異株の亜種はBA.1、BA.1.1、BA.2、BA.3と四つの異なる亜系統(サブリネージ)に分かれ、世界的大流行で見られる(ほとん)どのオミクロン変異株はBA.1に属するも、丁抹(デンマーク)印度(インド)比律賓(フィリピン)ではBA.2が支配的になりつつ在る情勢に於いて、研究者達は培養したサル細胞にBA.2系統のウイルスを感染させ、様々な治療薬を投与して効果を調べた由。

 其の結果、日本で使用されている中和抗体医薬に関しては、商品名「ゼビュディ点滴静注液」の主成分たるSotrovimab。商品名「ロナプリーブ注射液セット」に含まれる二つの主成分、casirivimabとimdevimabの併用。両者に於いて(いず)れも中和活性を認め、ウイルスが細胞へ感染するのを阻害する効果有りと判定された。後者に関しては、先行研究で「BA.1に対する効果の著しい低下」を認めるも、今回の結果から「BA.2では一定の効果が確認された」との事。抗ウイルス薬に関しては、「ベクルリー点滴静注用」の主成分Remdesivir、「ラゲブリオカプセル」のMolnupiravir、「パキロビッドパック」に用いられるNirmatrelvirに於いて、ウイルスの細胞に於ける増殖を抑える効果を認めたとの事。

 取材に対し、河岡特任教授は「BA.2に対する抗体薬の効果は従来株よりも低い懸念が有る」ものの「レムデシビルやモルヌピラビル、ニルマトレルビルと云った低分子化合物は高い効果を維持している」ので「出来るだけ早く、此等(これら)の低分子化合物に依る治療を多くの患者が受けられる様な体制を確立する必要が有る」と語ったそうだが、武漢由来の従来株に対する有効性と比較すると、抗体医薬の効果はロナプリーブが約63分の1、ソトロビマブは約50分の1に低下。抗ウイルス薬は其れより()しとは言え、最大で3分の1程度に効果が低下していたらしく、用量を増やせば副作用が生じやすくなる事も懸念される。何れにしても現時点では動物実験で得られた情報に過ぎず、河岡氏達は更なる研究で効果の検証を進めて行く模様。


3月11日(金曜)

 各地の自治体で発表された感染者数を基にNHKが調査した結果、全国に於ける新規感染者数の一週間平均は先月10日迄の1週間で前週比1.11倍と増加傾向だったが、先月17日は0.88倍、先月24日は0.88倍、今月3日は0.92倍、そして昨日は0.86倍と四週連続で緩やかに減少。しかし、一日当たりの新規感染者数は凡そ5万6700人と依然として多い。今月21日迄に重点措置が延長された18都道府県では、大都市圏を中心に感染者数が多い状況が続くものの概ね減少傾向。解除済の地域では広島(ひろしま)県や福岡(ふくおか)県、沖縄(おきなわ)県等で横這いか微減となるも、山形(やまがた)県は今月10日迄の1週間で前週の1.11倍、福島(ふくしま)県1.28倍、長野(ながの)県1.01倍、島根(しまね)県1.05倍、山口(やまぐち)県1.20倍と僅かながら増加。今回、重点措置が適用されていない地域でも福井(ふくい)県が前週比1.22倍、愛媛(えひめ)県が1.08倍と微増。

 内閣官房の発表に拠ると、重症確保病床の使用率は奈良(なら)県56%、大阪(おおさか)府51%。確保病床の使用率は千葉(ちば)県で58%、神奈川(かながわ)県で57%、愛知(あいち)県で56%、滋賀(しが)県で59%、京都(きょうと)府で55%、大阪(おおさか)府で63%、兵庫(ひょうご)県で56%、奈良県で60%が50%超となり、政府の分科会が示す「対策を強化すべき水準」を目安を上回った由。本日は全国で5万5882人の感染、209人の死亡。東京都で8464人、大阪府で4959人の感染が確認された由。

 18都道府県で適用されている重点措置を解除する際の条件に関し、本日に開かれた政府の基本的対処方針分科会の会合で、政府が新たな方針を提案。従前は「新規感染者が減少傾向で医療への負荷の低下が見られる」際に措置解除を検討する事とされて来たが、社会経済への負荷を鑑み、今後は「新規感染者数が微増傾向や高止まり」の状況で在ろうとも「病床使用率が低下し、医療への負荷が下がると見込まれる」場合、病床使用率や重症病床の使用率が50%を超えていても「新規感染者数が減少傾向で、今後に医療への負荷が下がると見込まれる」場合は解除可能とする由。「重点措置の対象地域では最大2万人」とされて来た大規模催事の人数制限に関しても、「感染防止計画を策定した上で大声を出さない」場合は「収容定員の入場を許可する」方針が示されたが、専門家側にも「行動制限に因る社会への影響が大きく、特に子供達の学びの機会が制限されて精神面でも影響が出て来ている」「対策の負の影響も十分考慮しないといけない」等の共通認識が有り、大筋で賛成。今後は新規方針に基づいて重点措置の解除の判断を行うか如何かに関して、更に分科会で議論される模様。

 神奈川(かながわ)県から「先月8日にCOVID発症して川崎(かわさき)市内の病院に救急搬送された10歳未満の男児が翌日に死亡した」件が今月4日に報告されたのに続き、本日に再び10歳未満の死亡報告有り。当該児童は「神奈川県内に住み、先天性の病気で自宅療養中」の男児で「今月3日に血中酸素飽和度が低下して往診に訪れた医師が検査」、「感染が判明して自宅療養に入るも、其の後に容態が悪化」「今週8日、先天性の病気に因る呼吸不全で死亡した」との経緯を辿(たど)った由。

 未だ3回目接種の途上に在る我が国に対し、以色列(イスラエル)等では既に4回目接種が始まっている。斯様(かよう)な情勢に関し、閣議後に厚生労働大臣の後藤(ごとう) 茂之(しげゆき)氏が「4回目接種を考えるに当たっては科学的知見に加え、諸外国も如何(どう)()う対応をするか検討している状況」「()うした事を注視しながら我が国としての方針を決定して行きたい」と述べた由。要するに「ワクチン接種先進国の動向を窺い、大勢が決した後に上手く行きそうな方法を真似(まね)する」と云う意味だろう。慎重と云えば慎重だが、周回遅れの対応でも間に合うか否かは今後の感染状況次第。個人的には「先進国で感染が抑制されても、開発途上国で変異株が生まれる」の(いたち)ごっこ、或いは土竜(もぐら)(たた)きが年内に終わる事は無い、と予想する。


3月12日(土曜)

 本日は全国で55328人が新たに感染。兵庫県で17人、千葉県で15人、東京都で14人、大阪府で13人、愛知県で13人、埼玉県で10人、北海道で9人、奈良県で7人、京都府で6人、神奈川県で6人、広島県で4人、福岡県で4人、宮城県で3人、栃木県で3人、三重県で2人、佐賀県で2人、宮崎県で2人、静岡県で2人、富山県で1人、岡山県で1人、岩手県で1人、徳島県で1人、愛媛県で1人、秋田県で1人、群馬県で1人、長崎県で1人、高知県で1人の合わせて141人が死亡したとの発表有り。

 東京都では9164人の新規感染が確認され、先週土曜より1600人以上の減少。12日迄の七日間平均は8874.1人で、二十九日連続で前週を下回った。都の旧基準で集計した人工呼吸器か人工心肺装置を使っている重症患者は、昨日より4人増えて62人。オミクロン株の特性を踏まえた新基準で集計した重症患者は、昨日より1人増えて183人。重症患者用病床使用率は、昨日より0.2ポイント上がって22.8%。酸素投与を要する入院患者の比率は昨日の時点で25.0%、本日は発表無し。大阪府では5579人の新規感染が確認され、重症者は昨日より5人減って175人だった由。

 所謂(いわゆる)東海3県では、愛知(あいち)岐阜(ぎふ)で蔓延防止等重点措置が延長になる一方、三重(みえ)のみが今月6日で解除。其れから初めての休日を迎え、本日午前から伊勢(いせ)神宮(じんぐう)内宮周辺の駐車場は満車状態となり、土産物店や飲食店が並ぶ通りには多くの家族連れが歩いていた由。同じく本日午前、東日本大震災の発生から11年が経過するのに合わせて被災地を訪れた岸田(きしだ)文雄(ふみお)総理大臣は、宮城(みやぎ)石巻(いしのまき)市で記者団の取材に応じて「此の地域の観光業の皆さんを中心に、Go Toトラベルに対する期待が大変大きい事は認識している」。「具体的な時期に就いては、今後の感染状況や専門家の意見も聴きながら考えて行かなければならない」が「適切な時期が来れば迅速に再開出来るよう、準備は進めて行きたい」と語った由。

 文部(もんぶ)科学(かがく)(しょう)の調査に拠ると先月、感染が確認された児童や生徒等は20万5291人と初めて1ヶ月間で二十万人を超え、過去最多となった由。内訳は小学校で13万1837人、中学校で3万5480人、高校が2万7975人、幼稚園が7750人、特別支援学校が2249人。先月末迄の2ヶ月間でみると、小中学校、高校の何れも半数以上の感染経路が不明だったが、判明した事例では「家庭内感染」が最も多く、小学校で30%、中学校で34%、高校で22%。文部科学省は「感染が拡大している地域では、卒業式や入学式での感染対策に加えて、春休みの間も健康観察を行う」等と対策の徹底を呼び掛けるとの事。3回目のワクチン接種は現在「18歳以上で前回の接種から6ヶ月以上経った」者から自治体の状況に応じて順次進行中。今後は「12歳から17歳も接種対象となる見通し」で、審議会での検討を経て、早ければ4月にも法律に基づく予防接種として認められる可能性が有る模様。希望者には速やかに接種を始められる様に、厚生労働省から全国の自治体に対して「接種券の発送準備や必要なワクチンの確保」「接種券が無くても接種出来るように柔軟な対応の検討」等が要請されて居り、欧米での実績からファイザー製ワクチンが使用される予定との事。

 東京(とうきょう)財団(ざいだん)政策(せいさく)研究(けんきゅう)(じょ)等が「2019年迄の十年間の国内の結婚(けっこん)件数(けんすう)の推移」を分析し、「仮に新型コロナウイルスの影響が無かった場合に、一昨年と昨年の結婚が何件だったか」を推計。実際の報告と比較した結果、一昨年はコロナ禍が無ければ推計で約57万6000件だったのに対し、実際には約52万6000件。昨年はコロナ禍無しの推計で約56万4000件、実際は約50万2000件で、2年間の合算で凡そ11万3000件少なくなった由。「感染拡大の影響で重要な意思決定をしなくなった」「出会いが減少した」等が要因として考えられるが、更に此の影響で「将来的に生まれる子供は15万人から20万人少なくなる」可能性が有る模様。

 Japan Railways各社が、本日に運行図表(ダイヤグラム)を改正。JR東日本は平日、休日共に運行本数を減らし、平日は首都圏や東北等の統括地区全体で新幹線25本、特急15本、快速や普通列車で199本の合わせて239本の減便。朝の通勤時間帯では山手線を含む首都圏16路線で、一時間当たり1本から4本の運行が減らされ、JR西日本も平日は新幹線5本、特急2本、快速や普通列車で206本の合わせて213本の減便。JR東日本と西日本では昭和62年の発足以来、最大規模の減便になるとの事だが、背景には「コロナ禍に於ける遠隔(テレ)勤務(ワーク)の普及」有り。定期券の販売収入も、JR東日本では昨年4月から12月に至る在来線定期券の販売収入が2696億円と、感染拡大前の3年前の同じ時期に比べて972億円、率にして26%も減ったが、JR側は「都市部を中心に在宅勤務が定着し、感染収束後も流れは変わらないのではないか」と見て居り、更なる経営効率化の為に、JR東日本は「八高線と川越線で車掌を乗せず、運転士1人のみの運行」、JR九州は「22駅が無人駅となり、管内の48駅で切符の販売窓口を廃止」等の手を打った。

 今月4日の時点で、米国では一日に報告される感染者の一週間平均が約4万6000人と本年1月の頂点(ピーク)時から90%以上減少。比較的厳しい感染対策を続けてきた州や大都市でも対策の緩和や撤廃が相次ぎ、紐育(ニューヨーク)市は感染状況が落ち着いたとして、今週から公共建築物の屋内や学校に於けるマスク着用、料理店(レストラン)や劇場での接種証明確認が不要となった。布哇(ハワイ)州でも今月25日に緊急事態宣言が期限を迎える事を受けて、今月8日に「空港等の一部公共施設を除いてマスクの着用義務を終了する」と発表。此れで全米の50州全てでマスク着用が求められなくなり、米国内からの渡航客は接種完了と陰性証明の提示も不要となるが、「対策緩和は必ずしも科学的根拠に基づいて居らず、政治的判断に左右されて時期尚早に行われたものも有る」「新たな変異株感染拡大に対する検討は不十分」との懸念も聞かれるとの事。

 韓国では未だに感染拡大が収まらず、新規感染者が30万人前後で推移。一昨日も新規感染者は28万2987人で、死者は過去最多の229人。医療体制の負担を軽減する一環として、同国政府は今月から「感染者と同居する家族」に関しては隔離を免除したが、海外からの入国者は陰性が証明されても自宅か当局が指定する施設で7日間隔離を求められていた。「不公平だ」との批判に対し、昨日に同国政府は「ワクチン接種済の入国者に関しては、今月21日から全て隔離を免除する」と発表。更に4月からは入国者の利用が規制されていた公共交通機関の利用も認める等、入国者に対する規制が段階的に緩和される由。

 中国では感染の抑え込みが上手く行かず、オミクロン株感染が各地で報告されていたが、一昨日も保健当局が「新たに1100人の感染が確認された」事を公表。このうち703人は無症状だが、海外からの入国者は除外されている由。同国内の報道を信ずれば、一日当たりの感染者数が千人を超えるのは「湖北省武漢で感染が拡大した一昨年2月以来」で、「東北部の長春/Changchunで「地元当局が約900万人の全市民にPCR検査を行い、公共交通機関を運休させて外出を厳しく制限」、上海/Shanghaiで「幼稚園が休園、小中学校は回線(オン)接続(ライン)授業に切り替える」等の情勢なれども、北京/beijingではパラリンピックが粛々(しゅくしゅく)と進行されて明日に閉会式を迎える予定。

 コロナ禍で財政が悪化したSri Lankaでは「コロナ禍で観光による収入が減少したことなどから財政が悪化」「外貨準備の残高は去年末の時点で27億ドル余りと1年で半減」、「石油の輸入が(とどこお)って発電所の稼働が落ち込み、先月下旬から国内の大半を対象に計画停電」との情勢。地域に依っては一日に7時間半の停電を余儀無くされ、同国最大の都市たるコロンボも停電で信号機が消え、自家発電設備を有する一部店舗以外は闇に沈んだ。気体 (ガス) 燃料も輸入減で価格高騰、烏克蘭(ウクライナ)情勢に依って更に価格が上がり、(かま)に火を入れられぬ麺麭(パン)屋は(のき)()み休業。少なくとも亜細亜(アジア)に於いては、真の感染収束は未だ先の話なのかも知れない。


3月13日(日曜)

 本日は全国で5万949人の感染。90人の死亡。重症者は1175人との事。昨年1月の時点で烏克蘭(ウクライナ)国内には4か所の原子力発電所があり、合わせて15基の原子炉が運転可能な状態。中でも6基合わせた発電出力600万キロワットと同国最大、欧州でも最大規模のZaporizhazia原発に関して、先週4日の時点で烏国の外務大臣、Dmytro Kuleba氏がTwitterで「露西亜(ロシア)軍が諸有(あらゆる)方向から攻撃」して来て「既に火災が起きている」が「()し爆発したら影響はChernobyl の十倍」、「露西亜側は直ちに攻撃をやめるべきだ」と訴えた。烏国大統領のVolodymyr Zelensky氏もFacebookに動画を投稿し「露軍を止めなければならない」、「もし核爆発が起きれば皆、終わりだ」「欧州(ヨーロッパ)の終わりになる」と主張した。

 発電所、特に原発は戦略的に重要な施設で「電力施設を握って電力を止め、市民生活に影響を与える」事は戦力や戦意を削ぐ事に通じる。特にウクライナでは電力の65%が原子力で(まかな)われ、そのうちの40%程度がザポリージャ原発で作られていた由。識者からは、意図的に原発を攻撃しているなら「国際法に違反する極めて危険な行為」で「欧州全土を放射性物質に因る汚染の危険に晒す」。原子炉が直接攻撃されて破壊される事態となれば「炉心溶融(メルトダウン)を起こしたチェルノブイリ原発のような深刻な事故によって放射性物質が拡散する事態は避けられない」。稼働中の原発が占拠されるのは恐らく歴史初の事態で「武力で原発を占拠する事態に如何(どう)、対応するのか」等の諸問題が国際社会に突き付けられた。

 今週9日に国際原子力機関(International Atomic Energy Agency; IAEA)が「ザポリージャ原発の核物質監視機構(システム)からの通信が途絶えている」と発表。其の前日にIAEAは「烏国北部のチェルノブイリ原発でも、放射性廃棄物施設からの情報(データ)送信が途絶した」事を公表済だが、烏国に在る他の原発からの情報は届いている由。「占拠された原発を誰が責任を持って管理するのか」と云う問題も懸念されたが、11日の時点で「露国営原子力企業、Rosatomの職員11人が調査や修理を理由に原発を訪問。「此処(ここ)は露西亜領の様なもので、永遠に()うなる」「原発は既にロスアトムの管理下に属している」と言い放ったとの情報有り。占領下の原発運営迄が計画済だった、と云う事だろうか。

 国連人権高等弁務官事務所に依ると、露西亜の侵攻で今週8日迄に少なくとも市民516人の死亡が確認され、其の中に小児37人も含まれる由。9日に南部の港湾都市Mariupolの小児病院や産科病院が露軍の空爆を受け、17人が負傷。「分娩中の複数女性が負傷し、複数の小児が瓦礫の下に生き埋めとなった」とも報じられ、Zelensky大統領は「ウクライナ人の大量虐殺(ジェノサイド)が行われている事の証拠だ」と訴えたが、露国は飽くまで「露西亜軍は民間人を標的にしていない」と主張。同じく9日に国連児童基金ユニセフは「侵攻以来、100万人超の子供がウクライナから逃れた」と発表。露西亜も無傷では無く、経済制裁に加えて多数の外国企業が同国から撤退。9日も飲料や食品のNestlé 、煙草のPhilip Morris、そしてSony等の多国籍企業が露西亜から去る事を決断した由。欧米の大規模な経済制裁措置が返済能力に影響を与えた事を鑑みて、世界銀行の上級副総裁兼主席(チーフ)経済学者(エコノミスト)のCarmen Reinhart氏は「露西亜と白露西亜(ベラルーシは)限り無く債務不履行(デフォルト)に近づいている」と評した。

 今週10日に土耳古(トルコ)政府の仲介で露西亜の外務大臣、Sergey Lavrov氏と烏国のDmytro Kuleba外相が、軍事侵攻後としては初の対面での会談。烏国側は「NATO加盟を当面は断念する」程度は譲歩する心算(つもり)の様だが、露国側は「中立化」と「非軍事化」の主張を取り下げる様子は無く、双方主張の隔たりが埋められるかは怪しい。首都Kyivの包囲に向けて軍の部隊を進める等と露西亜は烏国各地で攻勢を強めて居て、外相会談自体も「補給の為の時間稼ぎでは無いか」との声有り。同じく10日に露西亜国防省は「烏克蘭(ウクライナ)の研究所がコウモリのコロナウイルス標本を使った実験をしていた」「米国側は今年、ウクライナで鳥やコウモリ、爬虫類の病原体に関する研究も計画していた」と発表。烏国の研究所から入手した文書に基づく情報との事だが、此の話を額面通りに信じる者は露国民の中にも少なかろう。

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