第六話<仮面>-8
「蘭子ちゃん、上がっていいよー。」
「はーい。」
店長の声に反応する蘭子。
時間は22:35に差し掛かり、彼女の仕事は終わりになっていた。
店長にも声をかけられたので、早速着替えるために
後ろに下がろうとした。
その時である、目の前に櫻子が突然現れた。
あまりも急の事だったので、思わず驚く蘭子。
しかし、周りに人がいるので声を出すことが出来なかった。
その中で櫻子を見ると、様子がおかしいことに気が付く。
すると櫻子が叫ぶように話しかけてきた。
「蘭子ちゃん大変なの、小田原さんが怪物の集団に囲まれてる!助けて!」
その言葉を聞くと衝撃が走る蘭子。
「場所は何処?」
周りを気にしてか、小さな声で聞く蘭子。
「川沿いの道路。木々に囲まれていて人通りもないの。
ここからだと、走っても10分は掛かりそう。」
すると、蘭子は振り返り店長のもとに行く。
「店長、お願いします、店の原付を貸してください!」
すると驚いたように店長が答える。
「え、蘭子ちゃん運転できたっけ?」
「大丈夫です、お願いします。明日ゼッタイ返しますから!!」
蘭子が凄い勢いで店長に話しかけると、
少し戸惑いながら原付の鍵を渡す。
「有難うございます!」
そう言うと蘭子は着替えもせずにカバンだけ持って
店を飛び出した。
そして店の原動機付きの三輪に乗ると櫻子が追いかけてくる。
「櫻子さん、案内して!!」
「こっち!」
櫻子が先導すると、蘭子が風を切って追いかける。
『小田原さん、待っていて・・・。』
そして二人は華やかな街明かりを後にして、不気味な暗闇に向かっていった。




