リザルト
構えをとり、待ちの姿勢を表しているからか、
ゴブリンたちは一旦少し離れ、
視線は外さないが、太い木の棒を拾いリーチを伸ばす
これは、現在ユーキには知り得ることではないが、
ゴブリンに搭載されたAIは
過去範囲攻撃をする魔物(AI)の存在を学習している
そのため、相手が
攻撃手段が無いわけでもないのにいきなり防御にまわる
しかも、勝利へ向かっているとわかる意思を感じて警戒しないわけがない
「ああ、武器が欲しかったのか」
別に問題はない
木の棒程度...
こっちは鉄の籠手だぞ?
筋力で負けていないなら簡単に受け止められる
「合掌」
今度は距離があるので、邪魔されることはなく
スキルの発動に成功
これで次の攻撃1発目は筋力が5上昇した値が参照される
2体が前に出て木の棒を振りかざす
それは簡単に避けられたけど
後ろから来ていたもう1人の攻撃が迫る
もし、これも避けたら
僕とゴブリン、内と外の関係が崩れて、
称号効果が切れる
ので、これは籠手で受け止めなければいけない...
「ぐおっ!?」
そして、それは結果的には失敗だった
ギャギャッ♪
受けた時、更に後続にいた4体目の攻撃が腹にめり込む
耐えて反撃...なんて言える状態じゃない!
なぜだか、攻撃が強くなった?
いや、こちらの耐久が弱くなった?
そして貫く頭に投石が当たった時以上の
痛み...
「ぐああああっ!」
再び発動するスキル
根性
称号効果が切れるとか言っている場合じゃない!
今の攻撃で少し川の方に追い詰められ、
囲いも小さくなったが、6体中4体が正面側に寄っていて、
左右は1体ずつになっている
ダッシュで抜けて、
致命傷を負っているゴブリンの頭を踏み抜きとどめを刺す
そのまま逃げて、もう一体、倒れているはずの場所へと向かう
「よし!レベルアップだ...いてっ!」
走りながらステータスを見て、
そのまま木にぶつかるというハプニングを挟みつつ、
振り分けた速さでさっさと到着し、
2体目も倒そうとする
...が
「うっそだろ、お前?!」
そこにいたのは、倒れたゴブリンを介抱している
”8体”のゴブリン
幸い気づかれていないが、
後ろからも来ている6体と合わせて14体も相手にするのは無理
「三十六計逃げるに如かず...ってなわけでスタコラサッサ」
ちなみに、
ステータスを見て、
背水の陣の効果を確認したところ
筋力と速さが上昇する代わりに耐久と幸運は下がる
となっていた
通りであんなに痛いわけだ
食事を楽しめる程度に残していた痛覚で泣きそうになった
(辛味は痛覚や温度感の一種だから)
「クエストの期限は後2日か...」
とりあえず今日は、「採取」スキルを使って薬草採取依頼分以上に集めて終わった
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
改めてギルドに居るNPCたちから情報を収集すると
ギルドからの説明だと森は行ってはいけない奥地と、
冒険者の稼ぎ場になっている浅瀬の二つに分かれていると言われるが
実際には、その間に区分できる強さの段階があるらしい
E級だと、歩いて1時間しない範囲が適正だと言われた
冒険者をあまり見なくなったところが、適正範囲だったらしい
そこからさらに検証しながら歩いたせいで、
8体編成がデフォルトのゴブリンたちにでくわしたのか...
「はあ...、前回倒せたのは1体、そして上がったレベルの分のSPは速さに使い切って...
もったいなかったなぁ〜」
手頃な石を見つけたら拾いながら、
再び森の中を歩いていく
「結構脅威だったし、耐久そのままだから、投石一発で沈むのは変わんないんだよね」
まだ1日経過してない...
というか、飯買う金がないから空腹度に余裕がある内に稼がないと、
だから、リゲインは無し、体力は全快してない、
という無い無いづくしから抜け出せない
「はあ...」
ため息の数が増えていく
「これは、幸運ステータスじゃなくて、リアルラックだよねぇ...」
やっぱり、プレイヤーはクソだということ
「よお、オニイチャン」
「今暇?まあ、暇じゃなくても関係ないけどね」
「とりま有り金と、アイテム、全部よこしな」
初心者狩り、
PKプレイヤーか...赤い名前だし
「もちろん断る。
初心者は殺されてもレベルは下がらないし、アイテムも木の枝や石ころぐらいしか落ちないからな」
「アニキ、コイツ無痛設定なんじゃないですか?」
「ふんっ、それでも関係ねえよ。
この前のガキだって、痛みは無くても、それ以外はそのまま
死や痛みが恐怖にならなくても、
いや、だから調子こいてるやつほど、簡単に落ちんだよ」
ヒソヒソと、しかし、明確にこちらに聞こえるように話し合う二人
「あのさ、もう話は終わった?
僕は今、気分が悪いんだよ。だから、簡単には殺してあげないから」
正直敗走ってのは気分がよくない
しかも敗因がただの情報収集を怠ったせい
加えてギルドの女プレイヤーたちに、目の前の害悪プレイヤー...
まあ、多少のはっちゃけはしょうがないよね?
だってここ、ゲームだしさ
「何舐めた口聞いてんだガキぃいいい!!!」
「もう、アイテムは構わん、ぶっ殺せ!!」
木に隠れていた仲間が攻撃を仕掛ける
見た目、正面二人は戦士と剣士
隠れていたのは弓士と魔法使い
弓のスキルはあまり調べてないけど、魔法使いの放った攻撃はわかる
初級火魔法「イグニッション」
これは...耐えられるはずッ!
火に自らつっこみ、魔法使いに肉薄する
「はあ?!どうなッ...え?え?ホントにどうなって?!」
「チクショウっ!はちみつの目が潰された!」
ゴブリンを倒したことでレベルが2つ上がり、速さは20に...
魔法使いは森人、種族特性的にも職業特性的にも速さは上がらない
そしてパーティを組むような魔法使いは速さを上げない
「ネズミ大男は、悪いスライムを守れ!」
目が見えなくなった魔法使いは副職業は戦闘職じゃないらしく、
右往左往するだけ...
その間に他は体勢を立て直していた
「意外と対応が上手だね?」
「クソッ」
焦りからか、弓士は矢を連射する
「でも、こう見えても僕、穴人なんだわ」
姿勢を低くして、籠手を前に出してガード
弓士に向かって走り、
剣士と戦士が迎え撃とうとしたら...
方向転換して、剣士の足を叩き折る
剣士は恐らく僕より速さが高い
弓矢と違って有効打を撃てる遠距離の魔法使いを排除、
僕より速い剣士の速度を無くす
僕より攻撃力の高いだろう戦士は変わらず脅威だけど、
器用さを上げないと扱えない森人弓士は穴人近接戦闘職との相性が最悪...
「ふっ、勝ったな」
勝ちを確信するこの発言は、
フラグにもならず、
全員の手足を砕き、ゴブリンへの生き餌として活躍してもらった後、
大地に還って頂きました。
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