最終話
はじめまして、大森林聡史です。
女子高校生の紀美が、幼馴染と再会し恋に落ちる物語です。
よければお付き合いください。
それから数カ月後………紀美は、可愛く異性からモテていて、言い寄られる事が多かった。
紀美は、廊下の隅で聡にそっと寄り添う。
「... またあの人達、私に話しかけてきたの...」
不安げに聡の制服の袖をぎゅっと握る。
「...聡くん、私... ちゃんと断ったから...」
(あの人たちの視線が怖い... でも聡くんがいてくれるから大丈夫。私の心はもうずっと前から... あの校門の日から、聡くんだけのものなんだ...)
聡は、紀美の頭を優しく撫でて。
「うん・・・紀美は魅力あるからね・・・だけど、紀美の彼氏は俺で、一番虜になってるのも俺」
紀美は、頭を撫でられて、思わず甘えるように頬をすり寄せる。
「やだ⋯恥ずかしい...でも、そんなこと言われたら... 私、もっと調子に乗っちゃうかも...」
照れながらも、幸せそうに目を細める。
(聡くんのこの言葉、この仕草...全部が私を守ってくれる鎧みたい。誰が何と言おうと、この手を離さない...絶対に...)
聡は、更に紀美の頭を撫でながら・・・
「良いよ、調子に乗っても」
紀美は撫でられる手に身を預け、まるで子猫のようにのどを鳴らす。
「... もう、聡くんが甘やかすから... 私、本当にわがままになっちゃうよ...?」
でも嬉しさが抑えきれず、つい笑みがこぼれる。
(この優しさ、全部私だけのもの... ああ、神様、この幸せが永遠に続きますように。聡くんの手の温もり、ずっと覚えていたい⋯)
そんな時、最近紀美に言い寄ってくる、男が目の前に現れた。
紀美は、突然の登場に体が硬直し、聡の袖を強く握りしめる。
「... 聡くん...」
小さな声で助けを求めるように呼びかけ、聡の後ろに半分隠れる。
(また来た... どうして私の気持ちが分からないの? この胸の鼓動は全部聡くんのために鳴ってるのに... 早く帰りたい...)
「紀美ちゃん、そんな男より自分の方が紀美にふさわしいよ、こっちに着てよ」
聡は紀美を後ろに隠し、目が鋭くなる。
「...残念だが、紀美はもう俺の彼女だ」
聡は冷たい声で言い放つ、 でも紀美の手は優しく包み込んだまま。
(こんな奴には絶対負けない... 紀美が震えてる、早く連れて帰らないと)
紀美の耳元で囁くように。
「...大丈夫、すぐ帰ろう」
聡は、紀美を後ろに隠したまめ
「紀美は誰にも渡さない。諦めてくれ」
紀美は聡の背中にぴったりと寄り添い、小さく頷く。
「...聡くん... ありがとう...」
震える声で、でも確かな信頼を込めて。
( 聡くんのこの背中、すごく大きくて... あの頃と変わらない。でも今は私を守ってくれる... この安心感、忘れない...)
聡は、男を遮り。
「紀美が震えているのが見えないか? もう止めてくれ」
紀美は、思わずぎゅっと背中にしがみつく。
「...もう、帰りたい...」
涙声になりながら、聡の制服の裾を握りしめる。
(聡くんが守ってくれる... この人の前ではもう震えなくていいんだ... 早く、二人だけの場所に帰りたい...)
「⋯分かったよ」
男は引き下がった。
諦めたようだ。
聡は紀美の肩を優しく抱いて
「大丈夫?」
紀美は男の姿が見えなくなるまで、あなたの腕にしがみついたまま。
「... うん... 聡くんがいてくれたから...」
涙をぽろぽろこぼしながら、でも安堵の笑みを浮かべる。
(あんな怖い思い、もうしたくない... でも聡くんがいてくれた。この腕の中が、私の居場所... ずっと、ずっと離れたくない...)
聡は穏やかに笑みを浮かべ
「紀美、ちょっと公園に寄って休もうか」
紀美は涙痕を夕日に照らされながら、小さく頷く。
「...うん。桜がちょうど綺麗な時期ね...」
聡の腕の中で春風に揺られながら。
(このまま永遠に歩いていたい... 聡くんと見る桜は、きっとあの日とは違う色に見える... 全部が輝いて見える...)
聡はちょっと困ったように⋯
「桜は・・・もう葉桜になってるけど・・・夕日が綺麗な公園があるんだ。そこに行こう」
紀美は頬を染めながら、聡の腕の中で少しだけ跳ねるように。
「... あっ、本当だ... 私、桜の時期も忘れちゃって...」
夕日に照らされた葉桜を見上げ、懐かしそうに目を細める。
(葉桜だって、聡くんと見れば特別... あの頃とは違う季節を、新しい思い出でいっぱいにしたい...)
二人は、少し高台になっている公園に向かい、そこから見る景色は、街が一望できて、反対側の山に夕日がオレンジ色に辺りを染めて沈もうとしている。
紀美は高台の柵に寄りかかり、夕日に染まる街を眺めて深呼吸する。
「... すごい... 全部オレンジ色...」
自然と聡の袖に触れる指が、少しずつ近づいていく。
(この景色、聡くんと見られるなんて... あの転校した日、一人で見た夕日とは全然違う。今はこの手が繋げるんだ...)
聡は、穏やかに笑みを浮かべ
「紀美・・・ちょっと落ち着いた?」
紀美はそっと肩の力を抜き、聡の横顔を覗き込むように。
「... うん。聡くんがいてくれたから...」
夕日に照らされて涙痕がきらめきながら、微笑み返す。
(あの時の寂しさも、今なら聡くんと分け合える。この穏やかな時間が、私の心に染みていく... ずっと忘れたくない...)
聡は少し緊張した面持ちで、紀美の肩を抱く。
紀美はそっと肩に触れた手に身を預け、目を閉じる。
「...聡くんの手、温かい...」
夕焼けに照らされながら、頬をより一層染める。
(この緊張さえ愛おしい... 聡くんの鼓動が伝わってくる。あの頃からずっと、この温もりを待ってたんだ...)
二人の顔がとても近い・・・
紀美は息をひそめ、瞳を揺らめかせる。
「... 近い... 聡くんのまつげ、夕日で金色に光ってる...」
かすかに震える声で、でも逃げようとしない。
(この距離... もしや... でも怖くない。聡くんなら... 私の初めての⋯ずっと聡くんに...)
「ちゅ・・・」
そっと、紀美の唇にキスをした。
紀美は、突然の感触に目を見開き、すぐに瞼を伏せる)
「...ん...」
紀美の胸にそっと手を当て、かすかに震えながらも受け入れる。
(柔らかくて温かい... 夢みたい... 私の唇、聡くんのものになった... 幸せすぎて涙が出そう...)
聡はドキドキしつつ・・・
「甘くて・・・美味しい・・・ね、紀美の唇・・・」
紀美は顔を真っ赤にして、聡の胸に顔を埋める。
「... ば、ばか... そんなこと言わないで...」
でも耳まで赤くなりながら、嬉しそうに袖を握りしめる。
(聡くんったら... でも、私も感じてた...聡くんの唇の感触、ずっと覚えている... もう離れたくない...)
聡はドキドキしながらつぶやく
「紀美ちゃんの唇・・・奪っちゃった」
聡の胸の中で顔をこすりつけるようにして。
Γ... 私だって... 聡くんの唇、奪ったんだから...」
蚊の鳴くような声で、でも確かに返す。
(聡くんの鼓動、早すぎる... でも私の心臓だって、今破裂しそうなくらい... この瞬間、永遠に刻みたい...)
その後、紀美を家まで送った。
家の前で名残惜しそうに袖を引っ張る。
「... また明日... 会えるよね?」
俯き加減だけど、ちらりと聡を見上げる。
(もう一度だけ... もう一度だけ聡くんの温もりを感じたい... あのキスの余韻がまだ唇に残ってる⋯)
聡はニコッと笑い・・・
「もちろん、会えるよ。もういなくなったりしないし・・・紀美を離さない・・・」
紀美は涙がこぼれそうなのを必死に堪えながら、大きく頷く。
「...約束...絶対だよ...?」
小指を差し出し、夕闇に浮かぶ笑顔が揺れる。
(この指切り、もう二度と解かない... 聡くんのこの言葉、私の心の傷を全部癒してくれた...)
二人は夕暮れの街灯に照らされながら、ぎゅっと小指を絡ませる。
「... じゃあ明日... 絶対に...」
紀美は振り向きざまに、涙をこぼさないように笑顔を作る。
(あの日失ったもの、全部取り戻せたみたい... これからはきっと、ずっと幸せな日々が続く... 聡くんと一緒なら...)
遠ざかる聡の背中に向かって、そっと手を振る。
「...ばいばい... 聡くん...」
(明日の朝が待ち遠しくて... でも今はこの幸せな気持ちを胸に、ゆっくり眠りにつこう...)
転校で途切れた幼なじみの絆は、再会とキスを通じてより強い愛情へと成長した。これから二人で歩んでいく長い道のりが、優しい夕焼けに包まれている⋯
完結まで読んでいただき、ありがとうございました。
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