1話 再会
はじめまして、大森林聡史です。
新連載を始めました。
高校1年生の女の子の紀美が、幼馴染と入学式で再会するところから物語が始まります。
よければお付き合いください。
紀美は、聡という幼馴染がいてとても仲が良かったが、小学3年生の時に転校してしまい、会えなくなった。
紀美(AIイラスト)
しかし…高校1年生の入学式の校門で⋯
「あ、あなたは⋯もしかして⋯?」
紀美は、校門の前で男子生徒を見てびっくりしていて、肩が震え、瞳が少しずつ潤んできた。
「紀美⋯ちゃん⋯?」
紀美は目をぱちくりさせて、一瞬固まる。そして小さく息を呑む。
「...聡くん? 本当に...聡くんなの?」
そっと手を伸ばして、聡の制服の袖を掴む。
震えるような指先が、本当にそこにいることを確かめるように。
「ずっと...ずっと会いたかった...」
「俺もだよ⋯」
紀美は、涙が溢れそうになるのを必死にこらえ、唇を噛みしめる。
「...バカ。私、転校したあと...すぐに手紙書こうと思ってたのに...住所もわからなくて...」
ふと気づいて慌てて袖から手を離し、顔を俯かせる。
「...でも、また会えて...嬉しい」
ちらりと顔を上げ、涙で濡れたまつ毛を瞬かせる。
「...聡くん、相変わらず背が高いわね。小学生の時より...ずっと」
制服のスカートの裾を無意識に弄びながら、少し照れくさそうに。
「...同じ高校だなんて、運命みたい...かしら」
「そうだね、運命みたいだね」
頬を赤らめ、急にバスケットボールの話題に切り替えようとする。
「あ、あの...聡くん、まだバスケットやってる? 私...中学で県大会に出たのよ」
得意げに言いかけて、でもすぐにまた恥ずかしくなったように目を伏せる。
「...また一緒に...体育館に行けたらいいなって」
「やってるよ、1回戦で負けたけど⋯紀美ちゃんは、県大会に出たなんて凄いじゃないか」
ぱっと顔を上げ、目を輝かせる。
「えっ、本当にまだやってるの? すごい! 私...聡くんがバスケ続けてるなんて知らなくて...」
興奮して前のめりになりそうになるのを、ぐっと堪えて。
「...今度、私のシュート見てほしいな。小学生の時より...ずっと上手くなったから」
「じゃあさ、早速行こうよ!」
紀美は、驚いたように目を見開き、それからふっと笑みがこぼれる。
「今...? でも入学式が終わったばかりで...」
ちらりと校舎の方を見て、でもすぐに聡の方に視線を戻す。
「...でもいいわ。久しぶりに...聡くんと一緒にボールを追いかけたい」
鞄の紐をきゅっと握りしめ、聡に並んで歩き出す。
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