表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ開始!】宿屋の看板娘、公爵令嬢と入れかわる ※Web版  作者: 優木凛々
第1章 宿屋の看板娘は、公爵令嬢と入れ替わってしまった!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/40

(閑話3)義母と友人

 マリアが学園に通い始めた頃。


 エイベル公爵家の庭園内にある木々に囲まれた白い東屋にて

 公爵夫人である、シャーロットの義母が、客人とお茶を飲んでいた。


 客人の名前は、薄紫色の髪と瞳をした、トレイダス侯爵夫人。

 元は隣国の貴族だったが、トレイダス侯爵との大恋愛の末、この国に嫁いできた控えめな雰囲気の上品な女性だ。


 義母は、メイドたちを東屋から遠ざけると、不愉快そうにため息をついた。



「ごめんなさいね、本来ならば、イリーナを呼ぶところなのだけど、今謹慎中なのよ」

「まあ、どうされたのですか?」



 侯爵夫人が、心配そうに目を見張る。

 義母が怒りの表情を浮かべた。



「シャーロットにしてやられたのよ。あの娘にあんな度胸があったんなんて」

「そうなのですか? とても大人しそうな方に見えましたが」

「猫を被っていたのよ。さすがはあの女の娘ね。中身はとんでもない性悪だったわ」



 義母が、あることないこと、シャーロットの悪口をぶちまける。

 侯爵夫人が、それを「まあそうなの」「ひどいわね」と同情したような表情で聞き入る。


 そして、思い切りぶちまけてスッキリした顔の義母が、申し訳なさそうに侯爵夫人を見た。



「……貴女には本当に申し訳ないことをしたわ。あんなに協力してもらったのに」



 いえいえそんな、と侯爵夫人がとんでもないという風に首を横に振る。

 そして、心配そうな顔で尋ねた。



「あのお菓子、もしかして効果がなかったのかしら?」

「いいえ、確かに効果はあったわ。でも、邪魔なメイドが医師を呼んでしまったの」

「……その医師は何か言っていなかった?」

「少し変だと思ったようだけど、他のメイドが食べて何ともないのを知って、納得したそうよ」



 そう、と、侯爵夫人は微笑むと、優しい口調で言った。



「どうか気になさらないで。わたくしも貴女と気持ちは同じですもの。ダニエル殿下の妃に相応しいのはシャーロットさんじゃなく、イリーナ様よ」



 義母が目をうるませた。



「分かってくれるのは貴女だけだわ。夫に言っても梨のつぶてで……」

「そうですの?」

「ええそうなの。あの人は何も分かっていないのよ」



 そうなのですね、と侯爵夫人が目を伏せる。

 しばしの沈黙の後、笑顔で顔を上げた。



「では、ダニエル殿下に直接アピールしたらどうかしら。イリーナ様は可愛くて魅力的ですもの。ダニエル殿下もきっとイリーナさんをお選びになるわ」



 殿下に直接選んでもらえばいいのよ、とにっこり笑う侯爵夫人の手を、義母が感謝を込めて握った。



「その通りだわ。貴女は真の理解者ね」

「そんなこと言わないで。わたくしと貴女の仲じゃありませんか。それに、わたくしも、この国の繁栄を心から祈っている忠臣ですもの。イリーナ様が王室に入るべきだと思っていますわ」



 ありがとう、と感動したように微笑む義母。


 和やかな空気が東屋を流れる。


 その後、2人は楽しくお茶をしつつ今後について話し合いをし、

「またお会いしましょうね」と親しげに手を振りつつ別れた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
書籍1巻発売中!
ぜひ手に取っていただけると嬉しいです(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)ペコリ。:.゜ஐ⋆*

★各書店サイトはこちら⇒  ◆Amazon  ◆楽天ブックス  ◆Book Worker  

1ebelgfrhme6kx8s54x1ugpl7e8_hwf_eb_k2_mvyq.png
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ