結末-第一部完
急いで様子を見に来ると、怜が襲われていた。
僕の頭に血が登るのを感じながら、出来る限り冷静になろうと自分に言い聞かせる。
そこで新兵器として作った腕時計型の道具をに触れる。
同時に生まれた炎が目的の場所に精度よく当たる。
感覚的な命中率を更に上げるのがこの、【命中率エックス】くんだ!
だからうまく怜の服だけを狙うこともできる!
さて、それはいいとして。
「新兵器の効果はなかなかだな」
僕はそう言いながら怜に近づく。
一応は生きているが、怜に怪我をさせようとしたこの悪霊は絶対に許せない。
とりあえずは、怜の様子を見ようと、
「怜、大丈夫か?」
「う、うん。やっぱり黒兎は強いな……」
寂しそうに怜が言うので僕は心の中で焦りながら、
「怜だってこれからもっと強くなれるから安心しろ。それまでは僕が怜を守る」
「……うん」
「さて、“僕”の怜に手を出そうとしたあの悪霊は僕が倒す」
「……」
「どうした?」
「ナンデモナイデス」
そう答えた怜はどこか嬉しそうだ。
どうしたのだろうと思いつつ、そこで悪霊が僕達の方を襲ってきたので、そちらを一瞥して僕は、
「消えろ」
パキン
ガラスの割れるような音がして、その悪霊は崩れ落ちて消えたのだった。
こうして僕は悪霊をいとも簡単に倒した。
これだったら一般人の保護を、などと考えずにその場で攻撃したほうがいいかもしれない。
しかし、さっきの様子を見る限り、
「怜はまたやられそうになっているのか」
「この程度であれば、怜が本気をお出せば倒せるような気もするが……やはり属性変換の練習が必要か」
そういうとそこで怜が複雑そうに僕を見てから、
「……時々黒兎は俺を見ているようで俺を見ていないような発言をするな」
そこで珍しく不機嫌そうに怜が僕に言う。
それを聞きながら僕は、
「……記憶にないから仕方がないか」
「全く、自覚がないのは困りようだな」
「え?」
「一般人もいるからとりあえずここを出るぞ。さっき僕たちは中ボスにも遭遇したから、長居は無用だ。小次郎と双子たち、そして……もう一人の一般人も怜に協力してくれてありがとう」
それに小次郎はいいよと手を振り、双子も、協力しないと倒せないから、お礼を言われる筋合いはないよ、と相変わらずな答えを聞いたのだった。
こうして、あの廃病院から挨拶をして別れて帰る。
だがあの一般人、これからもああいった所に行きそうだ。
そうなるとそのうちまた遭遇することになるかもしれない。
などと考えつつ歩く、帰り道。
一緒の怜がそわそわと僕を見ている。
どうしたのだろう? と、僕が思っていると、
「黒兎、記憶にないのかってどういう意味だ?」
「その内分かる。怜がもっと強くなれば。それにその時までは確実に一緒に僕がいる」
「そうなのか? 黒兎が側にいるなら……聞かない」
「そうか」
そう話して、それ以上は会話をせずに帰宅する。
そんな怜が、僕がするように言っている属性変換の能力にやる気を出したのは次の日のことだったのだった。
ここまで読んでいただきありがとうございました。とりあえず第一部完です。読んでいただきありがとうございました。




