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最強のVRMMOプレイヤーは、ウチの飼い猫でした ~ボクだけペットの言葉がわかる~  作者: 椎名 富比路
第六章 うちのコが、やっぱり最強で最愛

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第48話 メイドになったビビとデート

 セーフルームに、ティーセットが用意されていた。緑茶におせんべい、ケーキタワーと、フレーバーとして集めたリラックス用のセットがテーブルに並んでいる。 


 メイド服姿のビビは、なんかノリノリだ。


「ビビ、どうしたの、その格好?」


『【お貴族様セット】で、おめかししたニャン』


 たしかに、ヴァンパイアから貴族セットというアイテムはもらった。

 しかし、もっと便利なアイテムをドロップしたはずである。


『強い装備も、たしかにもらったニャ。でも、今はこっちが必要だニャン』


「必要性って?」


『ケントご主人とお話する時間は、少なくなってきたニャ。だから、目一杯お世話するニャー』


 ビビもビビなりに、考えてくれていたのか。


「ありがとうビビ」


『ケントご主人のことは、なんとなくわかるニャ。黙っていても、ニャアにはわかるニャー。強がっちゃダメニャ』


 そうだよね。ずっといっしょにいるんだもん。ビビには、知られてしまうよね。


『じゃ、気を取り直してお茶ニャー』


 ビビが、お茶を入れてくれた。薬草で作った緑茶である。


 仮想空間なので、味覚が的確に再現されていた。


「おいしい。ビビ、よくお茶の点て方なんて覚えたね?」


『練習したニャ』


「ありがとう。ビビもどうぞ」


『うれしいニャ。じゃあ失礼するニャン』


 ビビが向かいに着席して、タワーからケーキを取る。


 VR空間のため、味覚しか刺激しない。甘いケーキでも、実際に食べるわけじゃないからネコでも安全だ。


『ニャアもニンゲンだったら、こんなおいしいものを食べられるんだニャー』


 ビビは、ケーキを食べる手を止めない。

 かなり、気に入ったみたいである。

 

「そうだね。人間になったビビも、見てみたいけどね」


『でも、ニャアはネコでよかったニャ。ケントご主人と仲良くできたからニャー』

 

「ありがとう。そう言ってくれていると、うれしいよ」


『ニャアもうれしいニャー。言葉を話せるようになってよかったって思ったのは、感謝を伝えられたことニャ』


 話せなくなること自体は、別に構わない。ちょっとさみしくなるけど。


「ごちそうさま」


『ごちそうさまニャー』


「なんか、バーチャルで食事をしていると、お腹が空いてきたね。ホントのゴハンにしよう」


『ニャー』


 ボクたちは、リアルでもお昼ごはんにする。


 せっかくビビがメイドさんなので、なるべく豪勢にしてみよう。


 買い出しに行って、ビビ用のササミやサバ缶もいい感じの高いやつを買ってみた。


 ボクも今日は、お肉を焼こう。普段は手に取らない、ちょっとお高めのステーキを購入した。


「さて、いただきます」


『いただきます。おいしいニャー』


 やや豪華めのお食事を、ビビといっしょに食べる。


『いつもの食事より、おいしく感じるニャー』


「楽しいねー」


『食べ終わったら、ゲームの中でお出かけするニャー』


「うん。いっぱい街を回ろう」



 食後、ボクたちはゲームの街なかを歩き回った。


P(ペット)R(ラン)F(ファクトリー)』のメインは、基本的にお散歩だ。


 新型感染症の流行により、出歩けなくなったペットと飼い主のために、このゲームは開発された。

 もっとも背景には、「ペットが飼い主に、バイタルの不調を直接伝えられるアプリケーションの開発」がベースになっているが。


「服がいっぱい置いてあるニャー」


 装備品だけではなく、外見変化用のアイテムも、街にたくさん増えてきた。


 メイド服から、学生服のようないでたちにチェンジする。


『【魔法科学校】の制服だニャー』


 獣人の女子高生が、爆誕した。かわいい。


「魔法使いのビビに、ピッタリだよ」


『もっと褒めてもいいニャンよ』


 ビビも、楽しそうだ。


 露店を回っていると、トワさんのお店に到着した。


「どうもー、ビビちゃーん」


 トワさんも、ログインしているようだ。


「こんにちはトワさん。今日はお昼からゲームですか?」


「そうなんだー。空き時間の合間に、開発を進めておこうと思ってねー」


 ボクたちはこの間、【ミスリル】という魔法金属を手に入れた。


 トワさんに、ボクは装備の強化を頼んである。


 子どもたちのお世話をする合間に、トワさんは装備品の開発・強化をしているみたい。


 すしおくんも、がんばって店番をしている。


「ちょうど、ケントくんとビビちゃんの装備が完成したよー」


 ボクたちは、装備を更新した。


 盾の強度が、二倍に上がっている。剣に至っては、攻撃力が三倍だ。さらに、体力を注ぎ込むことによって、確実にクリティカルを出せるという。


「ありがとうございます、トワさん」


「またおいでー」


 


 お散歩の中で、のどかな公園を見つけた。


「こんなスポットが、実装されたんだね」


 PRFは、ログインする度に新しい発見がある。街が拡大していたり、新しい施設などが実装されていたりするのだ。


 この間は、カジノが稼働していた。景品として、外見変化用のアイテムが置いてある。


『静かで過ごしやすい、公園だニャー』


 ベンチに座って、ボクたちはくつろぐ。


 メールボックスに、メッセージが。



 

[ビビさんの会話機能は、本日をもって終了します]

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