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気持ちの甘さ(改稿版)  作者: 霜三矢 夜新
この幹部は……!
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謎の女性はやはり!!?? 

「あっ……あたいはねぇっ。あんた達を倒しに来たんだよ!!」

「ええっ」

 驚いた演技をする3人。その中で特にメイが全く信用する気がなさそうに手を振って冗談きついというジェスチャーをした。

「え~~~~うっそだぁっ」

「嘘じゃないわよ! バラス様直属の部下って言えばやる気になってくれんの? 名前はアイラよ!」

「ふーん、だからア《・》タ《・》イ《・》ラ《・》ってゆっているんですね?」

 メイはギャグを言ったつもりはないのかもしれないが、男2人はさぶーっと体を震わせるフリをする。


 あまりの馬鹿馬鹿しさにクラクラしそうと側頭部を抑えたアイラと名乗る魔族の女性。話にならないわ! と思いつつもグレイの事を指さした。

「あんたっ、ちょっと悪運強すぎよ」

「え?? 僕のこと?」

 指さしているんだからあんたに決まってるじゃないかと告げる。

「そうよ。も~~っ、あんたったらあたいがあのサラダをあげたのにっ!」

 好意に甘えて食べたはずだと主張した。


「もらったじゃないですか、僕」

 本当に食べたとしたら死人かのように昏倒しているはずの劇薬を入れていたんだとバラす。一瞬で息の根が止まったかもなのに。改めてしっかり食べてかどうかを確かめる。

「その後、食べたわけぇ!?」

 話を円滑に進めるために、オバサンっぽい外見に見えるアイラにおべっかを使ってグレイがもう一度思い出してみて下さいとお願いした。

「なんですかお姉さん。僕の言ったことをちゃんと聞いていたんじゃないですか?」

「んー? そうだった~!? 今思い出してみるわ」


 アイラがアゴに指をはさむように置いて考えこむ。

(食べた瞬間にこのボウヤがクシャミをしてぇ……それでボウヤの妹が怒っててんんん~~、確かぁ。ボウヤが『もう結構コケコッコ~』とか空気が冷めるつまらないことを言っていて頭痛がしてきたからあたいはその場を去ったんだっけな。うん、そんな感じだったわ)

 そして、その時の状況を結構把握しなおした上で言った。


アイラがうなずく。

「アナタねぇ~~、案外お茶目なところがあるのね」

 まさかそんな場面を評価されると思っていなかったグレイは「え……」以外言葉を失ってしまったが、メイが代わりに口を挟んだ。

「そーなんですよ。意外とお茶目ちゃんなの。ん~~っ滅多にあることじゃないんですけど。ラッキーですよ、オバサン」

「オバサンじゃないって言っているでしょうが!! あたいにはアイラという名が」

 アイラが訴えかけるが、メイには改める気がない。


「いーじゃない。細かいことを気にするのは年をとった証拠」

 アイラは何度も否定しているのにそう言われ続けるとわかって、そう言わせる事を黙認した。怒りが少しずつ蓄積されていくがそれは3人の自業自得だと考えることにする。そんな言い争いにもならない話の流れが止まったので3人を代表してトムが聞いた。

「ってゆーかアンタ一体何しに来たんだ!? それが聞きたかったんだがよ」

 意味深な笑みを浮かべてアイラが応える。

「知らない方が身のためだと思うけどね……」

 焦らされるとメイは気になってしまう性分なので、お願いしてまで雰囲気でどことなく嫌な予感をしつつも訊ねずにはいられなかった。


「知りたいんです。教えてください。お願いします!」

 口角をあげてにやりとした笑みを浮かべたアイラが警告を発して命を狙いにやってきた。

「そんなに知りたかったの。なら教えてあげようじゃない。バラス様の命によりお前達を殺す」


※イベントバトル発生


 

「えぇ~~~~っっ!!??」

 3人が声を合わせて困惑する。

「そ……そんな……。いきなりそんな事を言われても」

 もうアイラは聞く耳を持つ気がない。どうしようか迷うという死闘では命取りなグレイの状況を一瞥いちべつしながらもトム達との距離を詰めてくる。

「問答無用!! 行くよ!!」


 アイラ レベル 36 HP 188 適応能力 39 かしこさ 45(戦闘に関しては95くらい)



 トム   レベル 15 HP 112 適応能力 28 かしこさ 63


 メイ   レベル 15 HP 89  適応能力 31 かしこさ 81


 グレイ  レベル 15 HP 101 適応能力 33 かしこさ 90



「はじめから怪しいって思っていたぜ。アイラさんよ」

 トムがメンタルソードを構えて牽制けんせいする。いつでも炎を出現させる準備も怠っていない。動きやすい服装をしているアイラが特殊ステップを踏み、トムの目前に素早くやってきた。そして異様なまでの気合を発して、闘気を放つ。それにあてられて、トムは冷や汗を流しながら直接食らわないようにバックステップで躱すので精一杯だった。

「はぁっ!!」

「うわっ!? フ……どうやら本気らしいな」

 こんな時でもかっこつけてしまうことのあるトムだが、当然様になっていない。3人に対してアイラが武器を使わずに戦うことを宣言する。

「あたいは素手でやるよ! アナタ達は好きにするといいわ」


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