ヴァルマーのヘマ 3
まずは適応能力レベルアップ条件は以下の通り
シャドーマが、レベルの割に弱気で経験値とゴールドを置いていく。シャドーマのような自分達よりレベルの高い魔物に対して、落ち着いて対処していたので三人とも適応能力レベルもアップした。
レベルアップ!!
デュア レベル15 HP98 適応能力 30→39 かしこさ 77→92 勇者見習い
メイ レベル15 HP87 適応能力 24→33 かしこさ 70→100 召喚士
グレイ レベル15 HP104 適応能力 23→30 かしこさ 68→86 魔法戦士
「もういいわよ。早くどこかに帰んなさい」
「ありがとうごぜえます。私も心を入れ替えますんで」
そんな心変わりをした魔物をヴァルマーが許すわけもない。心なきトムに命じて存在を消滅させた。
20%能力補正 (デュア達のレベルとヴァルマーがリンクさせているので)容貌変化
心なきトム レベル14(10+4) HP121(79+42) 適応能力 不明 かしこさ 82(57+25) 戦士
「あんな者、我ら魔族に不要! トムよ、そう思わんか?」
「はい。ヴァルマー様のおっしゃる通りでございます」
せっかく逃がしてやろうとした魔物が消えたので何故かと謎の攻撃のあった方を注目した。そうした所、デュア達一行は言葉を失ってしまう。
「また会ったな、小娘達。今度は決着をつけに来たぞ」
「あんたはヴァルマー!! って事はトムも一緒にいるのね?」
デュアの質問に、ヴァルマーがもったいぶった言い方をした。
「いるにはいるがな。貴様らの知っている小僧ではなくなっているだろうなぁ」
「…………………トッ…………」
あまりの変貌ぶりにデュア達一行は彼をトムではない存在だと考えたくなる。人形のような動き、悪魔の翼、人間にはありえない程につりあがって赤く光った目に恐怖を感じて後ずさりをしてしまうのであった。
「小娘ども、前は一対一だったが、今回は三対一の勝負を許可してやろう。ついでに天使の翼も付けてやるとするか。そうした所で実力差が縮まる可能性というのがわずかに。仮にあっても無駄だろうがな」
心の機能がないまま魔族のアジトに長くいたトム。悪に染めあげられてしまっているようで完全に人間離れしてしまっていた。油と火を持って、それを飲み込んだ心なきトムがビックリ人間のように火を吐く。
「ちょっと火、強すぎない? えーい、ウォーターボール!!」
召喚術者であるメイを囲むように現れた水の精霊が創りだしてくれた水のカーテンが、彼らを守るように体に包み込んでくれる。心なきトムが魔法の効果以上の炎を吐いてきた。しかしグレイが女の子二人より前で仁王立ち。魔法の鎧の耐熱温度範囲内に抑えられたのでそこまでダメージを受けなかった。
「こいつら、けちらす。風、悪の気を運んであいつらを苦しめよ」
悪の翼を心なきトムが羽ばたかせると、負のエネルギーが風に負荷されてデュア達一行に襲いかかってくる。
「もうトムのアホー!! そんな悪魔の心なんかに負けてんじゃないわよ」
「トム? ボク達のことを思い出してくれよ」
デュアが罵声を浴びせかけようと、グレイが問いかけようと心なきトムは無反応だった。
「無駄なマネを! だから人間は見るに耐えんのだ。手遅れになってからではどうにかしようとしても遅いのになぁ小娘」
最初にトムの心の機能をなくしてしまった時に悪魔呼ばわりしてしまったデュアには反論ができない。
「たしかにあの時の方がトムを助けられる可能性は高かったわ。けどねっ、ヴァルマーあんた間違っているわ。どうしようもなくなったなんて誰にも決められない。魔物と違ってねえ、人間には無限の可能性が秘められてんのよ」
その点に関しては否定出来ないけどと思っているヴァルマーはそれもふまえて、別の切り口から反論に討って出た。
「ふんっ、口では何とでも言えるわ。さあ、こいつらを殺ってしまえ」
「はいっ、ヴァルマー様」
圧倒的な力の差を見せつけてきた心なきトムは何の遠慮もなくメイとグレイの天使の翼を引っこ抜こうとしていた。それを見たデュアから謎の輝く光があふれ出す。
「そこまでにしときなさい。言うことを聞かないなら力づくで止めるわよ」
そんなデュアを無視して、心なきトムは悲痛な叫びをあげているグレイとメイの天使の翼をまだ抜こうとしていた。
「ザコのざれごと、興味皆無。苦しんでいる人間、表情楽しい」
デュア、苦しんでいる仲間を助けるために新技に目覚める 適応能力UP 39→43
人間業にしか感じないはずのデュアの速さが一気に変わって、グレイとメイを助けだした。その神技といえそうな程の力に心なきトムは初めて感情的な意見を口にする。
「こいつはすごい。オレ、強い奴いてくれて嬉しいぞ! さぁ、かかって来い」
まったくもって歯が立たない状態だった心なきトム相手にデュアが善戦どころか赤子の手をひねるくらい簡単にどんどん反撃していた(心なきトムの動きに適応して、かしこい動きをしているとデュアは気づいていない)
「ええいっ、何をやっておるか。そんな小娘一人相手に!! 我の力を貸してやるからとっとと葬り去ってしまえ」
「そうはいかないわよ。さぁ、これに耐えてごらんなさい」
心なきトムの両手をつかんだデュアは振り回してヴァルマーの方へ投げ飛ばした。
毎月下旬は他小説優先なので、今月中に後1回更新出来るかどうか!?
といった所でしょうか。