Act4:疑問
リタは街の中心にそびえ立つビル郡に向かって歩いていた。自分の中に芽生えた疑問の答えを見つけるために・・・。
リタのいた場所から、中心のビルまで歩いて20分ほどで着いた。
そのビルから周りを見てみると、それぞれ番号のふられた道路がすべて中心のビルに向かって一直線に伸びているのが分かる。
リタは、中心のビルを見つめ、ビルの周りの気配を静かにうかがい始めた。
進入できる場所を探すためだ。
ビルにはそれぞれ街から伸びる道路の先に一つずつ入り口があった。人はいないようだ。どこからでも進入できそうだが・・・、
リタの目はすでにあるものを捕らえていた。それはカメラだった。各入り口には一ずつ監視カメラが設置されていた。これでは進入できたとしてもすぐにばれてしまう。リタはなにか方法はないかと周りを伺う。
とそこに、街から兵士達と白衣の男がやってきた。白衣の男は先ほどの眼鏡をかけた長身の男だ。兵士の後ろには黒髪の少年がいた。レンだった。
「レン?」
リタは思わず声が出てしまった。その声に白衣の男、兵士、レンも気がついた。
「リタ?なんでここに?」レンはものすごく笑顔で言ったが、リタは答えれなかった。しかしレンはリタの答えを待たずに言った。
「リタ、僕、天国に行けるんだ!まだ18歳なのにだよ!?やったね!!」
レンはあふれんばかりの笑顔で言った。リタはどう答えていいのか分からなかった。薄々感づき始めていたからだ・・・。
「ほら、天国にいくぞ!」
兵士の一人が言うとレンは兵士とともにビルの中へ入ろうとした。
「レン!待って!!」
リタが大声で呼び止めた。
その声に兵士とレンの足は止まり、レンは再びリタのほうを向いた。
「リタ、どうしたの?」
「レン、私、昔聞いたことがあるの・・・。天国に一番近い島・・・。すべてが手に入る島・・・でもその島は・・・」
レンは不思議そうに話を聞いていた。
リタは続けた。
「その島は、すべてを失う島だと・・・」
「すべてを・・・失う?」
レンは問いかけた。
「そう・・・、レンよく考えて、天国って何?そのビルに何があるの?天国に行けばなにがあるの?天国に行ってどうするの?」
レンは驚いた表情でリタを見つめる。
そのとき白衣の男が言った
「早くその少年を連れて行け!」
その声に反応して兵士が無理やりレンを中へ入れる。
「待って!リタと話をさせて!!」
レンの叫びもむなしくレンはビルの中へと引きずり込まれて行った。
「レン!!」
リタはレンの名前を呼んだ後、白衣の男を見つめた。
「レンをどうするつもり?」
「天国ってなんなの?」
白衣の男はリタの顔を無表情で無口で見つめていた。
「答えなさい!この島はなんなの!?」
「・・・・・おまえ、この島の人間ではないな」
白衣の男の口がようやく動いた。それと同時に白衣の男の腕も一緒に動いた。
腕の先、手には銃が握られていた。
そしてその銃口はまっすぐリタの頭に向けられていた。




