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私の困惑。2

すさまじく久々すぎる更新です…。書くのに当たってだいぶ読み返しました(笑)

頭の中で、言われた言葉をリフレインしてつい慎ちゃんの顔を見る。

慎ちゃんも思い当ることがあるのか困ったような顔をしているのを見ると、たぶん坂田さんが言ったことは本当なんだろうな。


「…なら、絶対に顔は映さない、私の名前も絶対に公表しないでください。私は、前も言った通り芸能界に興味ありません。コレは、最低条件です。きっと、私より私に関することは慎ちゃんの方が詳しいから。慎ちゃん、任せていい?」


以前誘われたときに、私以上に力いっぱい反対してくれた慎ちゃんだから。

私のことを、たぶんお母さんの次に理解してくれてる慎ちゃんだから。


そして何より、慎ちゃんの力になるのなら。


「―勿論。碧依が嫌がることは、絶対にしないし―させないよ」


嗚呼、なら一安心だ。


「契約とか、もしあるんでしたら詳しいことは慎ちゃん経由で必ず慎ちゃんを通してください」

「―わかったわ。いいですよね、監督」

「ああ。じゃあ、鈴木、吉川。この子の準備よろしく。神城くんはこの子の準備終わるまでに一人のシーンの撮影。坂田さんは彼女について説明しておいてください」


監督、と言われた男の人が素早く支持を出したと思ったら私はスタイリストの鈴木さん、という女性の方にこちらへ、と促されさっき入ってきたドアへと逆戻り。廊下は、真逆に進んでいったけど。

そして連れられて行ったのは、たぶんメイク室。

促されるままに鞄をおいて、制服を脱いで手渡される服に着替えた。

真っ黒な、スリットが深めに入ったワンピースなんだけど、コレ下着のラインとか…出ない?

こう、お尻と胸のところがパツンパツンなんだけど…。


「美島さん、着れました?」

「一応…」


カーテンで仕切られた簡易式の更衣室みたいなところから出たけれど。

私を見て鈴木さんがうーん、と少し顔を曇らせた。

あああ、ほら、やっぱり素人の私がせっぱ詰っていたとはいえこんなことしようとするから似合わないんだよね…。


「うーん、ちょっと待ってね。ちなみに、服とかってMサイズ?」

「あ、はい」

「吉川さん、ちょっと私出てくるんでその間にヘアメイク、お願いします」

「はい」


何やら思案顔で出て行った鈴木さんに、ヘアメイクの吉川さんは何かを察した顔で私を鏡前に促して椅子に座らせた。

そもそもまだ高校生の未成年にこんなセクシーな衣装似合わないんだって…。

今、吉川さんが私にメイクを施してくれているけれど、今どきの女子高生らしかぬ(らしい)眉毛と風呂上がりの化粧水と乳液(ただし無印)でしか手入れしてない私の顔の肌に若いっていいわーとか言いながら化粧水?で顔をいったんふき取ってから綺麗にメイクをしてくれた。

ちょっと厚塗り感が否めないけれど、TV用のだしね、と思いながらもされるがままじっとしていたら。

息を切らせて鈴木さんが部屋に駆け込んできた。


「ごめんね、お待たせ。申し訳ないんだけど、ちょっと下着だけこれに履き替えてもらえる?」


そういって取り出されたのは、某有名メーカーの下着屋さんの袋。

繁華街が近いから、確かに店舗はあるだろうけども…。


「え、っと?」

「美島さんが今履いてる下着だと、ちょっと下着のラインが見えちゃってるから、タング・・・あ、Tバックのことね。を履いてほしいの。これなら下着のライン出にくいから。で、その後元々履いてた下着を履くの抵抗あるだろうから、好みとかわかんないから適当に見繕ったんだけど、もう一枚のを履いて帰ってね」


高校生にちょっとタングはハードル高いと思うけど。って言ってくれる鈴木さんに流石同性、よくわかっていらっしゃる…と思わずにいられない。

下着屋さんに行っても、買うのはごくごく普通の形のもの。もしくはヒップハングのものだから、タングなんて未経験。


「有難うございます…。あのお金、おいくらでしたか?」

「気にしないで。必要経費でコレ請求するから。それよりほら、時間ないから早く着替えて」


促されるまま、私はまたカーテンで仕切られた更衣室に入り下着を変えた。

うわー、Tバックなんて持ってないから始めて穿いたよ…。なんか心許ないよ…。


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