1、え、地獄ですか?
見つけてくれてありがとう!
ここはどこだろう?
目覚めて最初に視界に入ったのは、太い木の梁。そして、天井から伸びるロープで吊り下げられた木製の揺りかご?の中に入っていてた、自分の小さな手だった。
しばらくすると、遠くから女性の声が聞こえてきた。
その声はだんだんと近づき、やがて揺りかごから私を抱き上げた。
視線が交わる。そこにいたのは、美しい金髪の若い女性だった。
「*********」
ん? 何か言った?
女性は愛おしそうに笑みを浮かべると、私を優しく抱きしめ、そして、床へと下ろした。
そして周りを見渡したら、まさに地獄だった。
床の隅を普通に横切るネズミ。壁を這う謎の虫。
思わず叫び声をあげた。いや、この赤ん坊の体では「ギャーギャーと大泣きした」と言うべきか。
こんな状況で平然としていられる人間なんて、私の知る限りでは小学三年生の男子か、テレビでジャングルを探索している人くらいのものだ。とにかく酷すぎる。恐怖で身動きすら取れない。
それなのに、この女性、たぶん私のお母さんは、平然とした顔で歩行器のようなものを持ってきた。私はそのまま中に入れられ、無理やり立たされると、あの虫とネズミの這う床で歩行練習を強制スタートしたのだった。
1週間後。
泣きながら歩行練習を重ねた甲斐あって、私は歩行器さえあれば家の中を自由に動き回れるようになった。
だが、試練は終わらない。
初めておむつ以外で排泄をしたとき、私は確信した。
(いや、たまにしかおむつを替えてもらえない時点で薄々気づいてはいたけれど...)
この生活、過酷すぎる!!!
トイレにトイレットペーパーがなく、代わりに置いてあるのが乾燥した藁なのは受け入れられたくない。そんなもので拭いたら絶対痛い!と言うか痛かった... 匂いには鼻が慣れて耐性がついてきたけれど、衛生面が完全にアウトだ。
とにかく、一日でも早くこの環境から抜け出さなければ。不潔すぎて死んでしまう!
吐く息が白くなり始める頃、静かに冬がやってきた。
半年が過ぎる頃には、歩行器なしでも自分の足で歩けるようになっていた。
この劣悪な環境を抜け出すためには、まず言葉を覚える必要があると思い、
必死の思いで大人が話す言葉を聞いて、少しずつ言葉を覚えていった。
どうやら、私の名前は「アイ」というらしい。
2話以降から文字数が増えます!
ぜひ読んでください!




