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闇の魔物と女子高生  作者: ゴルゴンゾーラ
清めの檻に囚われる
33/193

33_女占い師サヨリーヌ

そんなわけで、急に有理との初デートが決まった。


誰かが、有理に「川田くんをもてあそんでいる」と言った。

そのことで、有理は俺とデートをする決意をした。

ちょっと不本意だが、まぁ、結果オーライ。

なんでもいい。


ニヤニヤが止まらなかった。

「おい。キモストーカー。有理に変なことしたらあたしが許さないよ」

陽子が眉間にシワを寄せて俺に迫る。

「陽子。有理の今後のことは俺に任せてお前も彼氏を作れ」

「バカ言え。デートはこの一回で終わりだろ」

陽子と俺は有理をめぐるライバル同士のようだった。


「洋平よかったじゃん」

典明が俺の肩を叩く。

「ありがとう。でもこれはゴールじゃない。始まりなんだ」

「スタート地点に立てたってことだね」

イェーイ

典明とハイタッチした。


「川田くんと北条さんがデートを?」

「付き合うことになった?」

「まだそうじゃないみたいだけど」

その日の放課後までに、ウワサは広まった。


-------------------


「有理。行こうか?」

待ちに待った放課後だった。

有理に手を差し出した。


「手は無理だ」

有理は首を横に振った。

「えっ?デートなのに?」


有理は恥ずかしそうにしていて、めちゃくちゃ可愛い。

うっかりしていた。

手じゃなくて腕か!


「腕を組もう」

腕を差し出した。


「それも無理だ」

結局デートなのに、俺と有理は、離れて歩いた。

なぜだろう。

有理はそんなに俺のことが嫌なのかな、と思った。


有理と二人で廊下を歩くと、かなりの視線を感じた。

とくに女たちの視線を感じる。

祝福してくれてありがとう、そんな気持ちになった。


「洋平。どうしよう。公園でお茶?」

校門を出ると有理が俺をみあげた。


「有理はお茶が飲みたい?」

「飲みたくない」

「だったら、俺についてきてくれると嬉しい。

有理とデートできたら、連れていきたいと思っていた場所がたくさんあるんだ」


-------------------------------


「まず、この場所なんだけど」

繁華街の一角、少し薄暗いビルの中に有理を案内した。

「なに。ここは」

有理は少し不安そうだった。


「ここは、俺の知り合いが商いをしている」

「商い?」


ここの店主は「真の占いの力を手に入れたい」という欲望を持った人間だった。

5年くらい前にその欲望を手に入れるために、俺に魂を売り渡したのだ。


引き換えに占い界で有名なペルーの女シャーマンから占いの力を取り上げた。

女シャーマンには悪いが俺にはどうしようもなかった。

シャーマンは90歳を超える老人だったので、霊力を失ったことがバレないように

誤魔化しつつ、残りの人生を生きていることを願う。


「占い?怖いね?」

「なにも怖いことはない」

人間界に来てから、マーヤに占ってもらうことができなくなっていた。

だから俺はここにきてはよく、有理の今後の運勢を占ってもらっていた。


「川田さん、また来たんですね?」

女占い師、サヨリーヌは、俺を見て静かに微笑む。


彼女はセルパンとの魂の取引のことは覚えていない。

取引後の記憶は消す決まりになっているからだ。


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