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闇の魔物と女子高生  作者: ゴルゴンゾーラ
人間に憑依
3/193

3_リザベル


「有理を助けられてよかった!会話することもできたし」

俺は自分の執務室に戻ってきていた。


マーヤに頼んだ占いで、今日の有理の運勢が最悪だったのだ。

一日中、スコープで有理を見張っておいてよかった。


----------------------------------


「それにしてもなぁ。

そろそろ、人間に召喚されないとヤバいかも。

最近の人間は、100歳近くまで生きるから、

天界に魂があがってくるまで時間がかかりすぎる」


ブツブツ言いながら、スコープをのぞく。

定期的に魂を養分にしないと俺は弱っていき、やがて死ぬ。


「ルイ。会いに来ちゃった」

セルパン仲間のリザベルが、俺の肩を叩いた。


「勝手に入ってくんなよなぁ」

「そんなこと言わないで。私はあなたの婚約者よ?」


有理と出会う前に、俺はリザベルと付き合っていた。

だが有理のことしか考えられなくなって、リザベルとは別れた。


それなのに最近になって、我があるじ「セルペリオール」がリザベルを俺の婚約者に決定した。


俺はリザベルに、いつもハッキリと言っている。


「結婚はできない。

好きな女がいるんだ。人間なんだけど」


「人間に惚れただなんて。

そんなことセルペリオールに知られたら、どうなると思ってるの?」

リザベルは、心配そうに俺の顔を覗き込んだ。


「さあ。どうなるかなぁ」

「でもいずれ、その子が死んだら魂はルイのものになるんだよね?」


「あぁ~。ま、まぁ。」


リザベルの言う通り。

北条有理に頼まれた「呪い」を俺は実行した。

そして「魂の契約」が結ばれたのだ。

有理が死んだら、その魂は俺のものになる。


純白で強大なパワーを秘めた有理の魂。

養分にすれば、俺の魔力もかなり上がるだろう。

有理の魂を......食べるのか。


そんなこと、できるのか?

好きな女の魂を?


「今は、そのことを考えたくない」

リザベルから目をそらす。


「ルイ。かわいそうに。

私は、その人間が死ぬのを首を長くして待つわ」

リザベルは俺の執務室から出ていった。


-------------------------


「マーヤ、また占いを頼まれてくれる?」

その日。

朝から嫌な予感がしていた。

俺はいてもたってもいられず、異世界のマーヤの占い小屋を訪ねた。


「うっ......てか、何だこの匂い」

マーヤの小屋のなかは、異様な匂いが漂っていた。


「また、あんたか、ルイ。

おっと。いい匂いだろう?」


マーヤは800年か、1000年か?

分からないけど、長いこと生きている魔女だ。


マーヤは緑色の液体が入った壺の中身をかき混ぜた。

「キマイラのたてがみにウシガエルの小腸と......

ふん......これ以上は秘密だ」

ククク、と笑う。


「劇薬だね。なんに使うのかも聞かないでおく」


マーヤの食事テーブルの椅子に腰掛ける。

テーブルには血しぶきが飛び散っていた。

まだ新しい。

テーブルの上で何を料理したのかも聞かないでおこう。


「またあの人間の女の未来が知りたいのか?」

「うん。知りたい。なんだか嫌な予感がするんだ」

「お前の予感はあたるからな」


俺は人間界で集めてきた鶏の足を、マーヤに渡す。

「これだけかい?」

「これで頼むよ」

もっと集めたかったのだが、あまり派手にやって目立ちたくなかった。


「どれ。見てみようかね」

マーヤは、部屋の片隅においてある水盤を覗き込む。

ブツブツと何かを唱え、水盤にキラキラと輝く粉をまく。


「こっちへおいでルイ」

「なにか見えた?」


「お前の予感どおりだね」

「これは......」


「死神とナイフ。深い悔恨。償いきれない罪......お前ならもう分かるだろう?」

マーヤは穏やかな顔で俺の方を見た。

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