第9話。冒険者ランクSの力量。
私は北の城壁に向かおう途中で違和感を感じたわ。
リュカス君、エリオス君、ココちゃんの足を止めて。
私は空を見上げた、飛行する魔物が目線に入る。
空に襲撃合図の赤色のスモークを打ち上げたけど。
このスモークを撃っても時遅しだったわね……。
飛行魔物は次々とオークとゴブリンを下ろしたわ。
街が大混乱だわ……。
アンナたちは他の冒険者たちと協力して各自、迎撃にあたる。冒険者、オーク、ゴブリン、飛行魔物の乱れる戦闘であった。
アンナ、リュカス、エリオスは北側の城壁を目指しながら進んでいく。魔物たちがそれを阻む。
「ココー、ココー!アンナ様!ココがいません!」
「落ち着くんだ、リュカス、ココは大丈夫だ!」
「ココちゃんなら怪我人の治療の為、回ってるわ」
「だけどパーティーを組んでるのに離れたら!」
「ココなら、戻ってくるさ、集中だ!」
「エリオス君の言う通りよ、気を抜いちゃ駄目よ」
3人は魔物を退治しながら向かう。アンナは心の中で呟く「まだ12歳の少年なのに、しっかりとしてるわね」
そして地下シェルター付近を守っていた、アーサーは。立ちつくしていた。初めて殺した魔物である、オークを未だに見つめていた。オークの死体から地面に流れ込む「濃ゆい緑色の血」
アーサーの周りでは冒険者たちがゴブリン、オークを討伐していく光景がアーサーの目に映り込む。
アーサーは己自身に問いかける。疑問が疑問を生む。同じ肌の色、同じ手と足。疑問がうまれる。
幸いアーサーは籠手を装着してたお陰が他の冒険者たちにオークと悟られていなかった。
だがアーサーは、ますます混乱してしまう、この者たちは「マーマ」「パーパ」の家族なのか?と。
殺してはいけなかったのかも知れない。アーサーは心の中で、そう考え始めていた。するとゴブリンがアーサーを標的にする。
ゴブリンは鼻を「クンカクンカ」させてる。匂いでアーサーがオークだと見破る。
「オマエ、オーク?オーク?ゴブ?」
「ぉれ?ぉれ、チガウ、ニンゲン!」
「ギャギャギャギャギャ!」
ゴブリンはジャンプして棍棒を振り回してアーサーに攻撃をする。だが、次の瞬間。ゴブリンは真っ二つにされてしまう。
それは前衛職のスキル攻撃で真っ二つされたのであった。声が響き渡る。アーサーに声をかける者がいた。
「勇敢なる冒険者、大丈夫か!?怪我はないか!」
アーサーの目の前に居たのは、冒険者ランクSと親衛騎士の騎士たちであった。王城から出て街へと到着していた。親衛騎士は立派な鎧を着てるナイトに耳打ちしていた。
「グレイ様、雑魚は冒険者たちに任せましょう」
「そうだな、冒険者よ、名前は?」
「ぉれ、ぉれ、アーサー、パーパ?」
グレイは驚く表情になる。近寄り小声で話す。
「アーサーか!ママとリオラはどうした!?」
「マーマ、タタカッテル、リぉラ、下にイル」
「その鎧は、お母さんが準備してくれたのか!?」
「マーマ、ぉれ、マチにハイルニハ、コウシロテ」
「はーはっは!そうか!そうか!良い考えだな!」
「よし!アーサー、男ならついてこい!」
「ワカッタ、パーパのウシロ、ツイテイク!」
アーサーの父はグレイだが『実父』ではない。言うなれば『義理父』になる。アンナはグレイが初めての結婚である。アンナはアーサーを身籠る事になったのか。それは後の物語で語られる事であろう。
グレイは号令をかける。親衛騎士たちは各自の判断で冒険者たちと協力して魔物を倒していく。
グレイとアーサーの2人は一番魔物が多い場所へと移動する。アーサーはグレイの背中を追いかける。
グレイは次々と魔物をなぎ倒していく。オーク族は次々と倒れていく。中には真っ二つになるオークもいた。早業でオークは対応しきれていない。
グレイの武器は大剣を使用していた。職はナイトの上位職である『パラディン』である。
本来ならばナイトは「剣と盾」でパーティーの「盾役」なのだが、グレイはそれを無視して攻撃に徹するナイトであった。ナイトのスキル『挑発』をしてなぎ倒すのがグレイ流であった。
(※スキル、挑発。標的を一時的に自分に向ける)
アーサーは次々と、なぎ倒されいくオークを見つめる。アーサーの、その気配を察したグレイ。前を進むグレイは伝える。
「アーサー!皆で家に帰るぞ!いいな!」
「ワカッタ、パーパ!ミンナデ、カエル!」
グレイはアーサーの気持ちを察していた。いつか、この時が来るであろうと。グレイとアンナは覚悟をしていた。
そしてグレイとアーサーは大型の魔物を目視する。
次回、第10話。街は平和になりました。