第10話。街は平和になりました。
俺はグレイ。冒険者ランクSだ。
いや、「元冒険」と言っても良いだろう。
今の俺はココロ街の王立親衛隊元帥になっていた。
親衛騎士団のまとめ役でもある。
王に誘われたが最初は断った。だが……。
家族を守る為に俺は決断をした。
元帥になれば、ある程度自由に軍隊を動かせる。
全ては、我が子……アーサーを護る為に。
不思議だ……こんな事態と言うのに語るとはな。
グレイとアーサーは魔物の集団のど真ん中にいた。ほぼグレイ1人で数百体の魔物を倒していた。
それを見てたアーサーは心配になる。
「パーパ?ダイジョウブ?」
「だっはは!アーサーに心配されるとはな!」
グレイは大笑いしながらオークとゴブリンをなぎ倒していく。まるで小さな虫を払うように。
「アーサー!よく聞け、奥に大型の魔物が見えるか?」
「ミエル……パーパ!オオキイ……ツヨソウダ」
「恐れるな!お前も男だろ、アーサー!」
「パーパ、ぉれ、まだ5サイ、ニンゲン」
「はは、そうだな、俺が守るから、ついてこい!」
「ワカッタ、パーパに、ツイテイク」
グレイとアーサーは魔物が密集している集団の中に突撃していく、一直線に大型魔物を目指すのである。魔物は次々と道を開けていく。
それを見てた、冒険者たちは士気が高まる「俺たちも続けー!」「皆〜頑張るわよー!」「おー!魔物は減ってるぞー!」
冒険者たちも負けまいと各自、魔物を撃退していく。オークの中に逃げる者もいた。だが冒険者は容赦なく倒していく。それを見てたアーサーは……。
「アーサー、俺から離れるな、背中だけを見ておけ!」
「ワ、ワカッタ!パーパ!ハナレナイ!」
グレイは早く、この状況を終わらせたかった。アーサーには見せたくない光景であるからだ。
グレイは一つの疑問があった。なぜ北しか生息しないオークが遥か南まで来ているのか。グレイは初めての事で疑問になっていた。
オークとゴブリンの集団はグレイの威圧感に恐れを感じたのか次々と道を譲って通すのであった。
目の前に大型の魔物を捕捉したグレイはアーサーに伝える。
「アーサー、見ろ!あれが「オーガ」だぞ!」
「パーパ、デ、デカイ……!」
アーサーは初めての大型魔物を見た。全身に稲妻が通る感覚におちる。アーサーは怯えていた。
(※オーガ。オーク族の上位種。容姿は髪はある。禿げではない。口には牙があるが唇に隠れてる。身長は軽く5メートルを超える。肌の色は青色。知能は人間と同格の者もいる。ゆえに人間の道具を理解している)
オーガは邪魔なオークを踏み潰す。潰されたオークは即死であった。グレイとアーサーはオーガと正面同士向き合う。
「ニオウ、ニオウゾォ〜ワガ、ドウホウのニオイ」
「アーサー、奴の耳に傾けるな!パパの背後にいろ」
「パーパ、アイツ、シャベツタ……?」
「ブヘブヘ〜ニオイをタドッテ、来たノダ」
グレイはようやく理解した、スタンビートを起こしたのは、このオーガであると。そして人間には理解が出来ないオーガ特有の「匂い」があるのだ。と。
「オマエ!オマエダナ!ヨロイ!ソコノヤツ!」
「アーサー!お前はママを探してこい!いけ!」
「パーパ、ぉれ、ぉれ……ぉれ」
「家族全員で帰って、またピクニックに行くぞ!」
「ワカッタ!パーパ、マッテロ!マーマ、ヨブ」
オークとゴブリンは1人になったアーサーを狙う。グレイは挑発スキルを使い一斉に引き受ける。
「ジャマヲスルナ!ニンゲン!」
オーガは背中に背負っていた。自分の手と同じ大きさの「巨大ナックルダスター」を手に装着する。
(※ナックルダスター。色々な名称がある。ブラスナックル、ナックルダスター、メリケン、拳鍔。拳に装着して打撃力を上げる)
オーガは突撃して左拳を振り下ろす。オーガの拳で地面が揺れる。石畳のレンガの瓦礫が飛び散る。
グレイは寸前で避ける。当たれば、さすがのグレイも「ペタン」である。
「おいおい、美しい石畳を壊すなよ」
「ダマレ!ニンゲン!ドウホウはワタサヌ!」
「貴様の物ではない、貴様はここで倒す」
グレイは大剣の先端を巧みに使い、早業でオーガの右足に「三段突き」を繰り出す。オーガは一瞬、何が起きたのか混乱する。右足に傷がつく。
「ニンゲン、ノ、ブンザイデ!」
オーガは連続攻撃を繰り出す。左拳!右拳!左拳!右拳!の連続攻撃である。しかしグレイは……。
「遅い、遅いぞ!まるで「亀」ではないか!」
グレイは巧みにオーガの拳を避けていた。そしてオーガの左足の懐に入り、最大の力を込めて大剣を突き刺すのであった。バランスを崩したオーガは倒れる。両足のダメージで立ち上がる事が出来ない。
「ナニモノダ!ドウホウ、ハ、ワレ……ガァ」
「黙れ、貴様とは違う、アーサーはな」
グレイはオーガにトドメを刺した。
オーガを倒れる所を見ていたオークとゴブリンたちは一斉に逃げ出す。一気に統率が崩れさる。
飛行魔物を呼ぶオークとゴブリンたち。しかし、冒険者たちは、それを見逃す事はなかった。飛行魔物も冒険者の標的になる。
冒険者たちは逃げる魔物に容赦はない「逃がすかよ!街を襲った罪だ!」「よくも!俺の彼女を怖がらせてくれたな!」「私のせっかくの休日を〜!」
冒険者たちは魔物に対して「八つ当たり」になっていた。オーク、ゴブリンの悲鳴が街中に響き渡る。
魔物の死体は数分もすれば消滅する。消滅する時に綺麗な小さな光球体が沢山、空へと上がっていく。この現象は今も不明であった。
オーガはだんだんと半透明になっていく。そしてグレイに伝える。オーガは無数の光の球体になり。消えてなくなる。
『ヤ……ツ……ハ……コド……』
「違うな、俺たち家族がついてるからな」
グレイは大型魔物の討伐完了と魔物撤退の知らせる為に「青色スモーク」を空に撃ち込む。
するとスピーチ放送が流れる『街の皆様!冒険者様の皆様!青色のスモークを確認を致しました!』『魔物は撤退してます!繰り返します!』
グレイは、その場で待機した。アンナ、アーサー、リオラが必ずここに来る事を予測してるからだ。
すると声が微かに聞こえてくる。それはアンナたちが走ってこっちに向かってる目視したからだ。
アンナ、アーサー、リオラ、そして例の3人組であった。アーサーはリオラをオンブしていた。
アンナ「あなた!無事で良かったわ!」
グレイ「ママも無事で何よりだ!」
リオラ「パパ〜あいたかったよぉ〜」
グレイ「リオラ〜元気だったか!おいで!」
グレイは娘を抱っこして満面な笑顔だ。
アーサー「パーパ、ツレテ、キタ」
ココ「は、は、初めまひ!ココです!」
リュカス「僕はリュカスですっ!!」
エリオス「ほ、本物だぁ〜サインください!」
グレイ「ははー!アーサー沢山を連れてきたな!」
ココ「アーサー君は私を助けて……くれました!」
グレイ「アーサー!お前も捨てておけんな!」
アーサー「ぉれ!ステテオケン!」
それを聞いた皆は大笑いするのであった。リオラはいつの間にか「眠っていた」安心したに違いない。
グレイ「よし!皆、ギルド本部へと戻るぞ!王とギルド長が待ってる!」
一斉に頷く『オー!お――!』
5年に一度のスタンビートも無事に難を逃れたココロ街であった。
次回、第11話。久しぶりの家族の団欒。




