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かるくこたえてだいもんだい

お読みいただきありがとうございます

瑠璃のコネクションはやばいです

今年もお盆時期はたまちゃんの所で過ごすことになった。

貪り喰いが出てからは毎年のように行ってるね、でもたまちゃんに会えないで帰ることもたまにあるんだ。

なんやかんや言っても忙しいからね、たまちゃんがやることは結構ある。

今年は会えるかな~って思ってたら、殺生石の前で待ってたよ。

呑兵衛と一緒に…

なんか僕に二人して相談があるんだって


「日本を代表する大鬼が僕に揃って相談するって、もう少しプライドを持ってほしいね」

「そう言うな、我らで考えても答えが出せなかったのだ。別に瑠璃だけに聞いているわけでもない」

「で、どんなことなの?」

「わらわたちは大鬼とよばれているのじゃ、ただ他の有象無象と一緒の呼ばれ方をされているのが腹立たしいのじゃ」

「えぇ今に始まったことじゃないでしょそれ」

「無論むかーーーーしからのなやみなのじゃ、何かいい案はないのじゃ?」

「二人とも土地神様みたいなところあるから、安直に鬼神で良いんじゃない。僕は露天風呂に入りたいからもう行っていい?」

「雑に出した割にいいでわないか。ふむ、神を同列とするならば我も問題ないな」

「良いのじゃ良いのじゃ、今後は鬼神で通すことにするのじゃ」

「僕としてはこんな安直な案が出てないことに驚きなんだけど」


どうやら、いくら日本に貢献しているといっても鬼に神を名乗らせようとした人がいなかったみたい。

別にいいじゃんってくらいに考えてたけど結構大事な事なんだって。

諸勢力から圧力賭けられるかもしれないみたいだけど、当事者二人はノリノリだ。

そんななかたまちゃんは電話をどこかにしだした


「お~久しぶりなのじゃ、元気にやってるのじゃ?そうかそうかそれは良かったのじゃ。これからわらわと西のアレは鬼神と名乗ることにしたのじゃ、周りにも伝えておくのじゃ」

「たまちゃん誰に電話してたの?」

「曾孫なのじゃ、あそこに伝えておけば問題ないのじゃ」

「玉藻にしては良い判断よな、これで我らが有象無象と同一に語られる不愉快さから解放される。瑠璃褒美を取らすぞ」

「じゃあまた貸しておくよ」

「はっはっはこやつめ」

「なんなのじゃずるいのじゃわらわも褒美を授けるのじゃ!」

「じゃあ貸しで」

「雑なのじゃ!おかしいのじゃ!鬼神の褒美をそんな風に扱ってはいけないのじゃ!」


いい加減煩わしくなってきた僕は、二人を無視して露天風呂に向かう。

妹達もお話終わったの?って来たので一緒に向かう。

みんなで露天風呂を楽しむけど、年々妹達の容赦のなさが加速している気がする。

デロデロになりながら妹達見てたら、ストレートに気持ち悪いって、生理的に無理って言われた。

酷いよやましい気持ちなんてこれぽっちしかないんだよ!と思ったけどそれが大問題なんだって「なお」に怒られた。

楽しく露天風呂を満喫して部屋に帰ろうとしたら、仲居さんに宴会場に来てほしいってお願いされた。必死に、それはもう必死に。

みんなでなんでだろうねって話しながら向かうと、宴会場には大勢の人がいた。

そしてその人たちは皆で頭を下げてこう言うんだ


「玉藻の前に新しい呼び名をつけてくださってありがとうございます」

「なぁにこれ」

「気が向いた時に現れては良い呼び名が無いかと聞かれ、先祖代々困っていたんです。四神様は救世主なんです」

「えぇ…」

「お気持ちは分かります、ですが考えてみてください。早朝だろうと深夜だろうと関係なく、如何なる営みの中でもフラッと来るんです。はっきり言って迷惑だったんです」

「ぶっちゃけてるぅ」

「これで急な来訪に驚かなくて良い、中にはあまりの驚きに心臓が止まったものもいたのです。関西に住んでいる知人にも連絡したところ、泣いて喜んでおりました」

「僕は適当に言っただけなのに」

「そんな細かいことは良いのです、あの馬鹿鬼が満足してるんだったら!いっそ馬鹿鬼で定着させてやろうかって何度も何度も、県民一同で議論してきたことなんです」


余りの迫力に僕は気圧されてしまった、どれだけ溜め込んでたのさ…

心臓が止まった人は慌てたたまちゃんが、ちゃんと蘇生させたが反省はしてないらしい。

これはもう馬鹿鬼で良いんじゃ?

守護してもらってるので流石に馬鹿鬼は、ってことで流れてたみたいだけど毎年議題に上がってたみたい。

そこからはもう至れり尽くせりだったよ。

部屋も最上、食事も最上、どこかに行こうとすれば車を手配される。

お風呂に入れば体を洗おうとしてくるし、僕が妹大好きだって知ると美幼女に世話させようとしてくる。

ちっちゃい子に何させようとしてるんだって怒ったんだけど、募集したら当人たちが志願してきたらしい。

闇深いね…

帰りに電車に乗る時なんか、駅のホーム一杯に人が来て


「「「「「「またぜひお越しください、いつでも歓迎させていただきます!!」」」」」」


って大合唱だった、気疲れが凄かったよ。

たまちゃんと呑兵衛もご機嫌だった


「わらわの新しい呼び名にここまで喜んでくれるなんて嬉しいのじゃ瑠璃は恩人なのじゃ!」

「先ほど連絡があった、我の住処も同様よ。借りばかり増えていくではないか、しっかりと返させるのだぞ」


何て言ってた、二人の唐突な訪問から解放されて嬉しいだけだよ。

まあそれでも、二人が愛されているのは事実だね。

たまちゃんと街を歩いたんだけど、すっごい人気だったよ。

無理やりって感じじゃなくて、信頼してるって目が言ってたもん。

僕も救世主様って何度か呼ばれて拝まれたけどね、やめてって言ったら瑠璃様って呼ばれた。

うっかり会社でこの話したら


「でゅふふ、流石社長でござる大鬼、いや鬼神を味方につけるとは」

「これでぇ最大の障害はぁなくなりましたねぇ」

「る、瑠璃ちゃんはやることにそつがなぃね」

「フハハハハ我らの覇道が見えてきましたな」


なんて盛り上がりだした、あんまりにも盛り上がるからそれ以上いうなら僕もう何もアイディア出さないって言ったんだ


「申し訳ございません、ここが安全とは言えどこに目があるかわかりませんものね。このことは我ら一同の胸に秘しておきます!」


それも違う、なんで僕が国盗りなんてめんどくさいことしなきゃいけないの!

僕はただの高校生なの、JKだよやだよぉ

家に帰ってげんなりしてたら、近衛の叔父さんから電話がかかってきたんだ。

陛下がお礼を言いたいって言ってるから来て欲しいんだって。

断れるなら断りたいって言ったんだけど無理だった…

非公式な形で御所に参内したんだけどね、ご家族勢ぞろいだったよ。

形式上頭を下げたりってことはされなかったけど、声色から本当に感謝されてるって解った。

喋ってい良いって言われたので僕は言ったんだ


「もぅ勘弁してください、許してください。雑に言ったことでこんな事態になるなんて思ってませんでした、辛いです」


何で国で一番高貴な人に感謝されなきゃいけないのさぁ

褒美を取らすって言われたので、そこはちゃっかりと前から見てみたかったもののレプリカくださいって言ったんだけどね。

公家と政治家の人達大慌てになっちゃった


「どうだ、僕の気持ちが少しはわかったか。いきなりここに来なさいって言われたんだぞ僕わぁ」


思わず言った言葉が陛下のツボに入ったらしく、大笑いされてた。

呼んだことへの謝罪もいただいて、僕は狼狽したよ。

レプリカは準備てくれるらしいので、縛りをどうするかお話して無事帰宅できたよ。

近衛の叔父さんから


「あんなに楽しそうに笑う陛下は初めて見た、瑠璃ちゃんは大物に好かれるんだね」


何て言われた。

鬼神の相談が実は、国家レベルの悩みだったなんて知るわけないじゃん。

すっごい疲れたので、翡翠を抱き枕にして僕は眠ることにした。


「お姉ちゃん良く解らないけど頑張った凄いね、ヒーの自慢のお姉ちゃんだよ」


正直この言葉が何より一番うれしかったよ。

瑠璃の欲しがった物はかなり先まで秘密

レプリカでもとんでもない物ではあります

どう凄いかって言うと、国宝?

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