ばかのぜんりょく
お読みいただきありがとうございます
オタクの妄想を形に出来る人がいるとした場合、絶対に合わせてはいけないんじゃないでしょうか。
ふはははは、四神瑠璃完全ふっかーーーーーつ!
手術中に全身麻酔が切れて叫び声を上げるとか、入院中に妹達が圧し掛かってきて傷口がぱっくり開くとかはあったけど無事だよ?
今まで開発した兵器のノウハウを、これでもかとつぎ込んだ戦闘用義手を装備した。
ぶっちゃけ生身の時よりも強くなってるよ、だってこの義手は凄いからね。
あれだけ稼いだお金が、無くなるくらいには凄いんだぞ…
てなわけで、実際に性能実験を行います。
「瑠璃、なんでいきなり戦闘用の義手なんだ。もっとこう、なぁ?」
「お父さん何言ってるの!技術の進歩は戦争と、エッチなことが一番進みやすいんだよ!」
顔を覆うお父さん、なにさ本当の事でしょ。
というわけで最初は握力のテストだよ、理論上は1tくらいは出るはず。
「ぬりゃぁぁぁぁ」
気合を込めて特殊な測定器を握りしめる、結果は790キロ。
あれぇ?何がダメなんだろう?
まぁ色々機能があるから次行ってみよう、次はヒートクロウって名付けた武器だよ。
手のひらから高熱を出しつつグワッと握るんだ。
「シャーイニング〇ィンガー」
この世界には存在しない元ネタを叫びつつ鉄塊をグシャッとしてみる。
ひゅー溶けてる溶けてる、コレはまずまずかな。
お次はこれだ、振動破砕!
衝撃に指向性を持たせて、集約したり拡散させたりすることが出来るんだ。
「撃滅のセカンド〇リッドー」
これも同じく元ネタを叫びながら鉄塊にぶち込む、セカンドさんはやればできる子って信じてる。
「あばばばばばっばばばばばっばばばばば」
衝撃が跳ね返ってきた、全身が震えるうぅぅぅセカンドさんはやっぱりダメな子だったかぁ。
これも、要調整だね…
まだまだ行くぞ、今度はこれだ!ドリルアーム!
手首から先を高速回転させて、ゴリゴリ行くぞぉ
「ギガァドリルゥ〇レイィクゥゥゥゥ」
うわぁ、うわぁこれ駄目だぁ感触が気持ち悪い。
この義手の革新的なところは、触覚を再現してるところなんだけどゴリゴリ行く感触がすっごい気持ち悪い。
これは、外そう。
でも負けない、次はこの子だ!フィンガーネット。
戦場で不評だった斬鉄製の網を、指先から発射する…発射するんだけどこれもダメだね。
計算上だと広がってバサッと行くはずなのに、塊でドーンといった。
外そう。
まだ、まだまだこれからだ。次は魔力砲だ!手のひらから打ち出すんだ。
シュインシュインチュドーンって音はしたんだけど、威力が出ない…
そりゃそうだ僕の魔力多くないもんね、これも外そう。
ぐぬぬ、思ったより駄目だなぁ。
最後の切り札を試して終わるか、最後はこれだ!パイルバンカー!!
「撃ち抜けバンカー!!」
これも手のひらから撃ち出すから、元ネタとはちょっと違うけどカッコいいから言っておく。
奈央の張った結界を軽々と打ち抜いてくれた、やったーって喜んでたんだけど。
本気で落ち込む奈央がいたから、慌ててフォローに向かう。
「計算上は、カイル様やお母さんの防御すら撃ち抜けるようにしてるからさ、十分奈央も凄いから」
励ましてたら、うっすら笑ってるお母さんに肩をつかまれる。
「面白いこと言うわね、試してみましょう」
ひぇ、お母さん怒ってる。
プライドを刺激したらしい、大人気が無いよ。
「さぁ瑠璃、かかってらっしゃい!お母さんの全力の結界よ!破れる物なら破ってみなさい」
「お母さん、それ触っても大丈夫?僕消し炭になったりしない?」
「私の結界を破れるんでしょう、そこは織り込み済みじゃないのかしら?」
義手の指先でちょんって触ってみる、あぁ一応大丈夫そう。
こうなったらやってやるぅ
「いっけぇバンカー」
ギャリンって鈍い音を響かせながら、ぶつかり合う。
「うそ、そんな…」
結果としては僕の義手が勝ったんだけれど、お母さんの落ち込みが半端ない。
娘に追い抜かれるのがこんなに早く来るなんてって、燃え尽きてる。
お父さんと一緒に、なんとかしようとしたけど通用しない。
「おかーさん、おねーちゃんすごいことしたんでしょ?すごいことしたらほめてあげないの?わるいことだったの?」
あぁんさすが翡翠は救世主可愛いなぁ
気を取り戻したお母さんに、褒められる。
次は負けないわよって言われた気がする、すっごい低い声で。
はは、気のせい気のせい。
戦闘用義手試作1号
色:銀
デザイン:どこからどう見てもシェ〇ブリット
既存の義手と比較すると、現時点で成形肉と和牛ぐらい違う
試作品なので、予算の制限を設けてないから凄い。
今後も改良していくらしい




