にちじょうせいかつよう
お読みいただきありがとうございます
滑らかに動く理由はなでなでのため
事件は、戦闘用義手を外すときに起きたんだ。
触覚を再現するのに、魔力を循環させてるんだ。
血管を通る血をイメージして、魔力を流して疑似的な触覚を作ることは出来たんだ。
痛覚は再現していいことなんてないので、しなかったんだけどね。
でね、日常生活用の義手に代えようと思って外したんだけど
「あぁぁぁあぁあああああ」
いやぁ僕ってば叫び声上げちゃった、てへ。
触覚が上手く切れてなかったみたいで、鬼にやられた記憶がフラッシュバックしてきたんだ。
痛くないはずなのに痛いし、あの時の恐怖は蘇って来るし大変だった。
ブチブチって引きちぎられたような感覚だったね。
そのまま気を失っちゃって、周囲も大騒ぎ。
目を覚まして失敗しちゃったテヘペロってやったら、滅茶苦茶怒られて何がどうなったのか説明させられた。
「性能実験としては大成功だけど、触覚の切断方法を確立しないと戦場では使えないわね」
なんてありがたい評価もいただいたよ、でもでも試作1号としては大成功でしょ。
気を取り直して、日常生活用の義手を装着する。
こっちは、人工皮膚で覆ってるからパッと見は普通の手。
生身よりも頑丈に出来てるけど、最大出力で動かしても握力は30キロしか出ないように作ってる。
改造しようとすると魔導回路が焼き切れるようになってる優れもの、悪用とかされたくないから必要な処置だよね。
翡翠がさっそく触って来る、すごーいって言いながらピタピタしてくる可愛い。
久しぶりに右手で頭なでなでしちゃうぞ!
「わーわーわーすごいすごい、おねえちゃんのなでなでだー」
「お~翡翠が満足する動きが出来るなんて、僕ってば凄い物作っちゃったね」
「もっとなでなでしてー」
へんにゃりした翡翠を抱きしめながらなでなでを続行する、ん~久々の感覚だね。
両親もこれにはご満悦、手術がいるけどこっちの技術は医療機関に早めに流さないとだね。
ちなみにこっちの義手は、試作79号機。
翡翠のために、滑らかに動くように妥協せずやった甲斐があるってもんだ!
こっちは外す時に、あんなことなかったのにな~。
あっちの義手は改良が必須だね。
義手をつけての初めての登校。
僕ってば高校生になって早々に、入院したからドキドキしてるよ!
「やっほー先生。入院したって聞いたけどどこか悪くし・・・・・・何それどうしたの義手?」
「ハーちゃん先輩おはよ~そうだよ、義手だよ~自分で設計したの凄いでしょ」
「よかったよかったよぉ」
ハーちゃん先輩がボロボロ泣きだした、どどどうしよう。
「おい四神、朝から先輩泣かせるなんてなにしたんだ?」
「甘木君おはよ~、僕も急に泣き出しちゃってどうしようかってところだよ」
「おい、それ義手か?」
「そうだよ、妹にも満足してもらえるくらい性能が良いんだよ」
無い胸を張って…胸を張ってエッヘンと言ってみる。
「そうか、そうか」
甘木君まで泣き出した、えぇ何これどうしたらいいのさ。
僕がわたわたしてると、ハーちゃん先輩が抱き着いてきたのでスッと避ける。
「なんで避けるの~」
「いや、涙で制服が汚れるかなって思ったら体が勝手に」
「先生の馬鹿、でもよかったよぉ」
学校に僕の噂が広がった、久しぶりに登校して男子と女子を泣かせたやばい奴って。
ちょっと、僕が泣きたいんだけど!
どうしてくれるのさ、プンスコ怒ってたんだけど。
会う知り合い全員泣き出すんだよ。
僕の噂は尾ひれと背びれがついて、ついでに羽が生えてビカビカ光りだして。
四神瑠璃は先生って自分を呼ばせて信者を作る奴で、自分の意と反する子を容赦ない口撃で泣くまで攻め立てるんだって。
僕そんなことしないよ、なんなのさぁ。
泣いた連中に噂を打ち消させた…
ぐすん
変な噂の裏で
おい、四神って子可愛くねぇか
あぁ片腕無い子だろ
いや、なんかすっげえ出来の良い義手付けたみたいでさ
マジかよ
前から可愛かったけど、それだったらより有りじゃね
おい、瀬場須
チっ…なにかよう
邪険に扱いすぎだろ、どうするんだよ
どうするってなにがよ?
美少女がさらに美少女になって周りが騒がしいぞ
守る以外何かあるの?大体、ケダモノ筆頭の貴方が何言ってるの?
おい!言い方がひどすぎるだろ!
貴方はさっさと諦めて、尻尾を巻いてどこかに行きなさい。
知ってるけど嫌われすぎだろ…
そんな会話があったとかなかったとか。
翡翠曰く
おねーちゃんのなでなでは100てん
ひだりてのなでなでは91てん
あたらしいおててのなでなでは97てん
ふにゃーってなる
これを聞いた瑠璃曰
100点じゃないならやり直し、満足できない。
翡翠のためにもっと素材から吟味する。
生活用義手
性能制限が掛かっている。
魔力で動かすところは一緒だけれど、肩甲骨から連動して動かすので柔らかい動きが出来る。
人工皮膚・触覚・魔力による疑似体温
これにより日常生活で、不都合を感じない物が出来上がった。




