瑠璃、本来の終わり
※この話は本筋と全く関係がありません
たまにこういうのを書くことで私のダークサイドを放出しています。
私は妹が嫌い。
大好きなお父さんも、お母さんも奪った妹が嫌い。
小さいころから一緒にいた親友を奪った妹が嫌い。
皆に褒められる妹が嫌い。
皆に愛される妹が嫌い。
私が出来損ないと言われるのも全部妹のせいだ。
妹のせいで友達もできない、学校で馬鹿にされるのも妹のせいだ。
妹の友達も嫌いだ、あの子たちもお姉ちゃんと呼んでくる。
鬱陶しい、私は姉になんかなりたくなかった。
一人で居たい時も私の側に寄って来る、追い払っても寄って来る。
嫌い、嫌い、嫌い、嫌い、嫌い、嫌い、嫌い
死んじゃえば良いのに
あの子たちが死ねばきっと全部元に戻る
あは、早く死ねばいいのに。
「お嬢様申し訳ございません、私達も出なければいけなくなってしまいました」
「ふ~んそうなんだ」
「皇のご当主様が来てくださいます、それまで戸締りをしてお待ちください」
「私は自分の部屋にいるから、他の子は奈央がなんとかするでしょ」
「お嬢様そのようなおっしゃり要はあまりにも、翡翠様はお慕いしているではありませんか」
「私は嫌いなの。近寄らないように、関わらないように言ってるのに、本当に迷惑よ」
瀬場須は何か言いたそうにしているが、私は無視して部屋に向かう。
あの子達が何していようが関係ない、関わりたくもない。
「ね、ねえ瑠璃。大人が出払っちゃってるから私達で翡翠達を纏めないと」
「嫌だよ、裏切り者の奈央がやればいいでしょ。私は関係ない」
「私は裏切ってなんていないわ、今でも瑠璃が一番大切よ」
「雇い主の娘だからって、媚売らなくていいわよ。私を助けてくれないくせに、親友みたいな顔して近寄ってこないで」
「昔みたいに一緒に笑ったり、遊んだりしたいだけなの。どうしたら信じてくれるの」
「じゃあ、包丁かなんかで翡翠を刺してきてよ。そうしたら信じてあげる」
「そんなこと出来るわけないじゃない」
「やっぱり奈央は裏切り者だ、私より翡翠の方が大切なんでしょ?私と一緒にいたのは役目だからなんでしょ、翡翠の側付に変わったら私から離れたくせに。翡翠にでも言われたの、お姉ちゃんと仲良くなりたいって。お断りよ」
「まって、違うの、私は本当に瑠璃の事が大切で、お願い、話を聞いて」
裏切り者を無視して部屋に入る。
鍵をかけたらやっと一人になれる。
本でも読もうかな、それともゲームでもしようかな。
一人で居る方が気楽だ。
一人で居る時の私は嫌な子にならない。
ずっと一人で居たい、そうすれば嫌なことは何もないのに。
コンコンとノックの音がする、折角一人になれたのに邪魔するのは誰?
「おねーちゃん、あのね、なおおねーちゃんないてるよ。けんかはしちゃだめなんだよ」
「私が奈央に何かする所を見たの?聞いたの?」
「あの、えと、みてないしきいてない、でもおn」「へぇー何もわからないのに私のせいにするんだ。翡翠は私と違って随分頭がいいんだね、馬鹿な私は翡翠と喋る価値が無いから部屋にこもってるね」
なんで寄って来るの
イライラする
折角楽しい気分だったのに台無しだ
少し早いけどもう寝てしまおう
布団をかぶって目をつむる
ドアを叩く音や、声がかすかに聞こえるけどすべてを無視して意識を手放す
変な時間に寝たせいだろうか、21時ごろに目を覚ます。
のどが渇いたので、部屋を出る。
皆寝ているようで静かだ。
お爺ちゃんはまだ来てないみたい。
冷蔵庫から麦茶を出して、コップに注ぐ。
冷たい麦茶を飲んだことで、思考がはっきりとしてくる。
最近は蝉がうるさいくらい泣いていたのに、今日は静かだ。
外からは何も聞こえてこない、おかしいくらいの静寂
私はこの状況に怖くなってくる、なにかおかしい。
なんでこんなに静かなの、なんで窓の外は真っ暗なの、なんで電気がつかないの、
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
怖がる私を嘲笑うように急に轟音が聞こえる。
私はびっくりしてその場にへたり込む。
声を出すこともできない恐怖に震える間も、轟音は何度も何度も聞こえてくる。
どれくらいたったころだろう、響いていた轟音がぱたりと途絶えてまた静寂が訪れる。
怖いものはどこかに行ったんだ、お母さんの結界が守ってくれたんだと安心する。
安心する、無理やりにでも安心する。
気のせいだ、ミチャミチャという不思議な足音が聞こえてくるなんて気のせいだ。
家に化け物が入ってきてるなんて思いたくない、信じたくない。
やだやだやだやだやだ
近寄って来る
不吉な足音が
どんどんどんどん
私は動けない
縫いつけられたようにそこから動くことが出来ないのに
顔だけは音がする方に向けてしまう
そしてついに
「おおおおおおおおおおおまえdkもttうmsうnにoijiでだの」
「あ、あああ、助けてやだ、たすけて」
「ほほほかnいnいかmttうまそnやggggy¥」
「あああああああああ、あっちにいるよ、私なんかより魔力も才能があるのがあっちにいる。だから私だけでいいから助けて」
「むこういるのtもdち?じぶんだけたすかrいいnか」
「友達じゃない、妹じゃない、私には関係ない、死にたくない」
「おまえみにくい」
化け物の腕が私に伸びる
「おまえよわい」
右肩に、左足に、左手に、右膝に
「おまえゴミ」
一斉に噛みつかれる、咀嚼される、ズルズルとグチャグチャと、私の体から嫌な音が聞こえる
「不味い、最近だと一番不味い」
私は絶叫を上げ続ける
余りの痛みに意識を何度も手放すが、そのたびに別の痛みで無理やり起こされる
少しづつ、少しづつ、少しづつ
化け物は進む
進むたびに私の体は齧られていく
暫く進んだころだ
私は痛みを感じなくなっていた
どんな姿になってしまっているんだろう
始め四肢から聞こえていた咀嚼音は随分耳元で聞こえる
ふふふ、あはは
笑うたびに口から血がこぼれる
ふふふ、あはは
笑うたびに笑い声がかすれていく
楽しくなんてないのに、嫌で嫌で仕方ないのに笑えて仕方ない
そういえば咀嚼音以外の音が聞こえる
あいつらだ
私が嫌いなあいつらが
なにかいってる
どうせ私は死ぬんだ
どうせもうすぐ死ぬんだ
どうせここで終わりなんだ
だから
だから
だから
だから
呪ってやる
苦しめてやる
お前たちもすぐに死ぬんだ
死ぬ瞬間まで苦しめてやる
「お前たちのせいで、私はこんな目に遭ったんだ。お前たちの魔力にひかれてこの化け物はきたんだ、全部全部全部ぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶ全部全部ぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶおまえたちのせいだ」
私は笑う狂ったように
狂った私は愉快で愉快で笑い続ける
こんなに面白いことなんてなかった
楽しくって楽しくって笑い続けてしまう
そうかそうだったんだ
翡翠達が死ぬのが解決じゃなかったんだ
私が死ねば良かったんだ
嫌なことから
辛いことから
解放される
だってこんなに楽しいんだもの
そうして私は貪り食われて狂って死んだ
久しぶりに妹に笑顔を向けれて良かった
最高の笑顔で死ねてよかった
イベント名:魅せつけられる悪意
発生条件:翡翠単騎で貪り食いと対峙する
補足
貪り食いは食べた相手の記憶、感情を体内に保管することが出来る。
弱者を捕食し、その肉親、親しい者の目の前で喰らい肉親が復讐者になるように仕向ける。
復讐者に捕食者の末路を魅せることと、返り討ちにし復讐者を喰らう事に喜びを感じる。
魅せられたものは手練れであっても、ほぼ確実に隙が生まれる。
…致命的な隙が。
瑠璃が色々したことで、世界は確実に変わってきています。
お爺ちゃんが間に合ったのもそうですし、これから起こることもそうです。
本来の瑠璃は、普通の子です。
妹に嫉妬してしまいから回った普通の子です。
歯車が狂いだし、失敗したことを翡翠のせいにして精神を保とうとした普通の子です。
ただ、最後は壊れちゃいました。




