救出7
ベテルギウスの長距離レーザー砲による奇襲とカルダノ基地の爆発による混乱のおかげで、戦闘はその後呆気なく終わった。
「それにしても提督が来るとは思いませんでしたよ。」
今、アンドロメダの会議室に各艦の艦長とスティーブ提督、総司令官の結衣が集まっている。
「君たちが出発する前に総司令官から援軍として出るように言われていたんだ。」
「おかげで、こっちの修理も早く終わったよ〜。」
主砲部分に被害を受けていたベテルギウスの艦長、エルザが言う。
「それはそうと君たちの船から裏切り者が出たそうじゃないか。そいつはどうなった?」
大量のファイターを積む母艦シリウスの艦長、ジンが問う。
「彼は脱出用のファイターに乗って離れた事が確認されてるよ。」
「では、今どこに居るのかは分からないのか……」
「いや、結衣の罠にハマって位置は到底できている。今頃、エドワード達が拘束してるんじゃないかな。」
結衣はミカエルの不審さにいち早く気づき、罠を張っていた。そう。パンケーキに小型の発信機を入れていたのだ。
全く、手を打つのが早い。
ちなみに、全員に配ったのは怪しまれないようにするためだそうだ。
「流石、総司令官だな。」
「ジンに褒められるのは嬉しいね!……でも今後は裏切り者が出ないように対策しないとね〜。」
「そうですね。内部から壊れるようでは戦闘に集中出来ませんから。」
提督が苦虫を噛み潰したような表情をしている。
「まぁ、取り敢えず我々の脅威であったカルダノを打ち倒したことは快挙でしょう。後はファイター収容後、地球に戻るだけですよ。」
場の雰囲気を変えようと言ってみる。
「うん!地球に帰ってから考えよう!じゃあ、みんな各艦に戻って……」
『艦長!本艦前方に多数の宇宙船が現れました。すぐにブリッジにお戻りください!』
通信装置に連絡が入る。
「カルダノの援軍か?」
「かもしれないね……皆んな急いで戦闘用意に入って!シリウスはファイターをすぐに発進できるように、ベテルギウスはレーザーの再チャージをして!」
「分かった!」
「了解。」
「提督は中型艦を連れて出来るだけ広く展開して!裏を取られないように!」
「分かりました。」
結衣の指示を受け、全員立ち上がる。
「俺はブリッジに戻るよ。状況を詳しく知りたい。」
「うん、お願い!」
まだ、終わらないのか……
「状況は?」
ブリッジに戻り報告を求める。
「スクリーンを見ていただいた方が良いかと。」
スクリーンには確かに宇宙船らしきものが確認される。
数は5隻。
いずれもこちらの中型艦程度の大きさだ。
「艦長、通信が入りました。繋ぎますか?」
「頼む。」
すると、スクリーンに信じられないような映像が流れる。
『akpuvdh#g_i&_##/&……我々は、この星域を統治するリテラ共和国軍である。ここで何があったかを聞きたい。』
その声は僕たちと同じような容姿をした者から発せられた。
(地球の言葉がわかるのか?)
「こちらは、地球連合の戦艦アンドロメダです。我々はカルダノの襲撃を受けその報復、及び攫われた地球人の救出のため、ここまで来ました。敵意はありません。」
『……』
何やら、向こうで話しているようだ。
出来るだけ争わないで済みたい。
『詳しく話が聞きたい。そちらの代表をこちらに寄越すよう願う。』
新たな世界との対話の始まりだった。




