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ゾンビにされた  作者: 斉藤一


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97話目

「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・どうしてあなたたち、そんなに早いのよ!」

「ん? 普通に走っているだけだろう?」

「それは分かるわよ、どうして走り続けられているの? って聞いてるの!」

「逆に、どうしてリナさんは疲れているんですか?」

「走れば疲れる、それが普通でしょ!」


 リナさんがへばったため、道路の横で休憩をとる。たった30分ほどしか走っていないのに、どうしてリナさんがここまで疲れているのか分からない。


「どうやら私達とリナとでは、ナノマシンのエネルギー効率が違うようだな。リナのナノマシンではエネルギーが足りないようだ」

「はぁっ、はぁっ、はぁっ、じゃあ、どうすればいいのよ?」

「ナノマシンをリナ用にカスタマイズすれば、我々と同じように活動できるかもしれない」

「じゃあ、それやってよ」

「設備が無いから無理だな」

「えー、結局無理なんじゃないの!」


 アオイさんは、リナさんにナノマシンについて詳しく話す。どうやら、ナノマシンの状態がリナさんの体に合っていないからエネルギーに無駄があるらしい。リナさんは全く理解できないようで、頭の上に「?」がたくさん幻視できる感じだ。


「まあ、思ったよりも早く到着できそうだから、ここからは歩きでもいいが」

「じゃあ、歩こう! 多分、あと半分ほどで着くと思うから」


 リナさんは距離感覚がいいらしい。20キロをほぼ30分で走ったってことは、私たちの走る時速は40キロくらいだということだろう。生身だった頃ならマラソン選手並みの速度なんだろうけど、今の体ならこれくらいなら歩くのと変わらない負担でしかない。本気で走ればもっと早いけど、リナさんがついてこれないし。

 10分ほど休憩し、歩き出す。歩く速度は、歩幅次第なので普通の人と変わらない。これだと逆に遅すぎて午前中に着けなくなるので、いっそのことリナさんを担いで走った方がいいんじゃないかと思ってきた。


「リナさん、私が担いで運んであげましょうか? おんぶでもいいですけど」

「いや、年下の子にそんなことされるなんて恥ずかしいし」

「見た目的に年下に見えるのはリナさんなので、そんなに変じゃないですけど・・・」

「気持ち的に嫌よ。今は誰も見ていなくても、街に近づいたら誰かいるかもしれないし」

「分かりました・・・それなら、もう少し移動速度を上げてもらわないと」

「分かったわよ。あなた達に合わせたら私が付いていけないから、私に合わせてもらっていい?」

「いいですよ」


 リナさんは仕方なさそうに走り出した。移動速度的には最初の半分ほど。つまり大体時速10キロくらい。これなら午前中に着けそうです。

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