194話目
「うわぁ、初めて飛んだけど、思ったよりも怖いし寒い」
「飛行機みたいに室内って訳じゃないからね。でも、このくらいの高さなら落ちても大丈夫でしょ?」
「多分大丈夫だと思うけど、怖いものは怖いよ」
今は20メートルくらいの高さで飛んでいます。このくらいの高さなら、建物にぶつかる事は無いので。もうすぐ、海に出ますね。
「ところでカエデ、場所は分かってるの?」
「分かるよ。鳥だからかな? 自然と方角が分かるんだ」
「そうなんだ。てっきり、やまかんで向かってるのかと思って」
「そんなわけないじゃん」
空気の音がうるさいので、結構大声で話す必要がありますね。ところで、走った時は結構時間がかかったけれど、飛んだら直線で行けるし、速度も走るよりも断然速いから、すぐ着けそうですね。
しばらくして、太宰府天満宮が見えてきました。その周りには、動物たちが見えます。私の目は、鷹のように遠くまで見えるようになってますね。トンボみたいな複眼にもなるし、本当に便利な眼になりましたね。
「きっとマミコさんは本殿に居るはず。そこに向かうよ」
「周りの動物はどうする?」
「とりあえず、入口の方に集まってるやつは倒しておこうか」
「じゃあ、私が先に行くね。もう少し高度を下げてよ」
「分かったよ」
私は入口に向かって滑空します。そして、低くなったところでひときわ強く翼をはばたかせ、ホバリングします。エリは蔓を緩めて地面へと降りていきました。降りる途中で蔓を槍状にして、何匹もの犬を貫きます。
「じゃあ、ここは行き止まりね」
エリは入り口付近を蔓で覆い、動物たちが近づけないようなバリケードを作りました。見た目以上に固い蔓にとげを生やして、有刺鉄線みたいですね。
「マミコさーん! 無事ですかー?」
私は蔓の内側に着地し、すぐにマミコさんを呼びます。ここから信号が来てるので、無事のはずです。
「カエデさん? どうしてここに?」
「マミコさんの蔓からピンチっぽい信号がきましてー」
「そうなのね。今、そこに動物たちが居ると思うんだけど、無事なの?」
「はい。エリがバリケードを作ってくれたので大丈夫です。入口を開けて貰えますか?」
「分かったわ」
扉がゆっくりと開きました。マミコさんは周囲を確かめ、動物が近くに居ないことを確認してほっとしたようです。
「さあ、中に入って。囲まれているから、何とかしたいんだけど、私ひとりじゃ対処できなくて」
「私達が来たから、もう大丈夫ですよ」
「助かるわ。私も戦うから」
マミコさんは、両腕から蔓を出して、戦う意思を示していますね。本当に、なんか触手みたいなんですけど。




