161話目
太宰府天満宮を目指し、しばらくして到着しました。
「へぇ、ここが太宰府天満宮なんだ。意外と壊れてないね」
「まあ、別に観光地を壊す必要は無いから。工場やライフラインに関わるような施設を重点的に壊してっただけだし」
リナさんの言う通り、観光地をわざわざ壊していかなかったようで、建物は普通に残っていました。といっても、多くの人が住めるような感じでは無いようなので、果たしてここにコミュニティはあるんでしょうか?
「とりあえず、一番目だつ大きな建物を―――」
「誰だ!」
アヤヒさんが一番大きな建物を指さしていた時に、不意に声がかけられました。声をかけてきたのは、50代くらいの男性で、手には槍の様なものを持っています。
「子供・・・? どこかから逃げて来たのか?」※博多弁だけど標準語で記載
「あたしたちは、逃げてきたわけじゃないけど敵じゃないよ。ちょっと情報が欲しいのさ」
「情報だと? 怪しいな。敵の回し者じゃないのか?」
「そうだったらわざわざこんなこと言わないって。それに、この子たちも居るんだから武器をしまって欲しいな」
「あ、ああ・・・」
おじさんは私とリナさんを見て、アヤヒさんを子連れだとでも思ったのか、武器を下ろした。といっても、目は警戒したままなんだけど。
「この辺りに知り合いが居ないかさがしているの」
「知り合いを探しているのか。 名前や見た目は?」
「それが、連絡は来たんだけど名前が書いてなかったから誰か分からないんだよね」
「うーむ。それじゃここにいるかどうかも分からんな。どうやら、お前達は武器のたぐいは持っていなさそうだし、襲いに来たわけじゃなさそうだな・・・」
私達が何の武器も持っていないので、おじさんの警戒は少し薄れました。おじさんは使徒化した人を見たことが無いのか、多少は見た目が変わっている私とアヤヒさんの事を特に変だとは思っていなさそうですね。
「とりあえず、ここで待っていて貰おうか。・・・おーい、誰か来てくれ」
おじさんが叫ぶと、近い距離に他にも人が居たようで、30代くらいの男性が走ってきました。
「どうした? 避難者か?」
「いや、少し違うみたいだ。ワシじゃなんとも判断がつかんから、麻美子さんに聞いてみてくれ」
「分かった」
男性はすぐに一番大きな建物の方へと走っていきました。
「マミコさんってどなたでしょうか?」
「ああ、ここの巫女さんだよ。ここに前から務めてたから、ここの代表みたいな感じになってんだ」
「そうなんですね」
私はどんな人が来るんだろうと待っていると、普通の服装の女性がさっきの男性に連れられて小走りで近づいてきます。見た目年齢的に二十歳くらいですかね?
「・・・巫女服じゃないんですね?」
「まあ、普段着には向かんからなぁ。特にここで何か行ってるわけじゃないし」
「そうなんですか・・・」
私は少しだけがっかりしつつ、マミコさんの到着を待ちます。
「ふぅ・・・。あなた達が来訪者ですか」
少しだけ息を切らせたマミコさんは、呼吸を落ち着けた後話始めました。
「私は能登麻美子(CVイメージ 閻魔あい)と言います。ご用件を伺ってもよろしいでしょうか?」
マミコさんは、アヤヒさんに対してそう言いました。私達の代表をアヤヒさんに決めたみたいですね。まあ、こんな見た目の私やリナさんを保護者だと思いませんよね。年齢的にはリナさんが一番上なんですけど。
「私達は本州の方から来たんだけど、この辺りに知り合いが来てるかもしれないと思って。ただ、どこにいるのか分からないから、いろいろと聞いて回っているのよ」
「ちなみに、名前も分かんない。九州の方に居るっていう連絡だけ来たから、少し探してもいい?」
アヤヒさんの話に、リナさんが付け加えます。私の感覚だけが頼りなので、実際に調べないと分かりません。何より、姿も年齢も性別すら分からないので。
「まあ、調べるだけならいいでしょう」
マミコさんは、少し考えた末、そういう結論を出してくれました。




