158話目
途中、リナさんがフグを食べたいと言い出し、無理だと分かるとしょんぼりしつつ、山口県の端の方へと到着しました。
「ここからどうやって九州へ渡りますか?」
「昔なら、道路かトンネルか船かってところだけど、今は恐らくトンネルは無理ね。崩れている可能性が高いわ。船は運が良ければあるかもしれないけど、本当に運だよりになるわね」
「それじゃあ、行ってみるしかないわね。ちなみに、あたしは泳ぎは得意じゃないんだけど、2人はどうなの?」
「私は泳いだことすらありません。小学校にも中学校にもプールはありませんでしたし、海へも川へも行ったことはありません」
「私はそれなりに泳げるけど、泳いで海を渡れるほどじゃないわよ?」
「・・・船はやめときましょうか。という事で、高速道路へ行ってみましょう」
アヤヒさんの提案で高速道路へと向かいます。高速道路は、年月が経ってアスファルトに草が生え、車で通るのは難しそうでしたが人が通る分には大丈夫そうに見えます。
「通れそうですね」
「そうね。ただ、ヴァリアントみないなのが見えるけど」
リナさんの言う通り、高速道路には普通ではありえない大きさの植物が見えます。恐らく、四国に居たのと同じものかもしれません。
「あんなのがいるんじゃ、普通の人はここは通れないわね」
「私が倒しましょうか? 四国のと一緒なら、きっと私は攻撃されないでしょうし」
「そうね。お願いするわ」
「はい」
近づくと、つるのようなものがうねうね動いていますが、私を捕まえようとする感じはありません。私はつるの中心にある本体を掴み、引き抜こうとしました。
ビキビキビキッ
すると、アスファルトがひび割れてきました。どうやら、このヴァリアントはアスファルトの奥まで根を張っているようで、無理に引き抜くと道路が割れそうです。けれど、引き抜かないと本体の核を攻撃できません。
「リナさーん、抜いたら道路が壊れそうなんですけどー、どうしますかー?」
私は離れているリナさんに向かって叫びました。
「そうなのー? それじゃあ、倒さずに抜けるしかなさそうー?」
リナさんも大声で返してくれます。倒さない場合、がんばって攻撃されつつ抜けるしかありません。リナさんの透明化は植物のヴァリアントには効果が無いので、きっとリナさんは襲われます。アヤヒさんは素早いので、おそらく回避可能でしょう。であれば、私がリナさんをおんぶして抜けるのが一番でしょうか。
「試してみないと分からないので、一度もどりますねー」
私はそう返事して、とことことリナさん達の所へと戻りました。そして、私はさっき思っていたことをリナさんに伝えます。
「うっ、やっぱりおんぶするの? まあ、万が一にも道路を壊したら渡れなくなっちゃうし、試すわけにはいかないか」
今回はリナさんも諦めたようで、素直に私におぶさります。
「じゃあ、行きますね」
私は、アヤヒさんと一緒に走り出しました。リナさんをおぶっている私にも、蔓が攻撃してきましたが、避けられるものは避け、避けられないものは手で弾きます。アヤヒさんは、簡単に回避しているので大丈夫そうです。
いくつかそういう場所を抜け、私達は福岡へ着くことが出来ました。




