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秘密だらけの僕のお嫁さんは、大陸屈指の実力を誇るドラゴンスレイヤーです  作者: 甲斐 八雲
Side Story 08 追憶⑥ 『最後に残るモノが希望』

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みんながたおれていた

 ポツポツと振り出した雨に一度だけ手を伸ばし……少女は全てを視界に収めた。

 ジンジンと目の奥が痛むけれど……それでも目を開いて全てを見る。


『みんながたおれていた』


 みんな? 本当にみんな?


 辺りを見渡すけれどよく分からない。

 目の奥もそうだけど頭の奥もジンジンと痛い。

 よく分からない。何も分からない。


 ポタポタと何かが落ちるのに気付いて少女は手を向ける。


 服が汚れて行く。赤黒い色で……血の色で。

 頬に触れると、触れた指が真っ赤に染まった。

 血の涙を溢れさせ、少女は全身を震わせる。

 胸の奥から言いようの無い辛くて痛い何かが溢れてくる。


「ぁあっ!」


 自然と声が出た。


 分からない。ただ辛い。胸の奥が痛い。


「ああっ!」


 声が出る。どうしてか出る。


「みんなっ!」


 吠えた少女は、糸が切れたように地面へと崩れ落ちる。

 綺麗な金髪を一瞬で白くさせ……意識を失った少女はそのまま眠った。




『成功ね』


 むくりと起きた白銀の少女の中で、その存在は苦笑した。


 本当に最後の最後であの馬鹿弟子がやってのけた。

 お陰で左目は満員を通り越して完全にオーバーしている。

 まさか魔法などと一緒に人間まで放り込んで来るとは思わなかった。


『何が仲間たちの魔法を一緒によ……あの嘘吐きが』


 膝を抱くように座り直して、少女は辺りに目を向けた。


『全員は無理だったみたいね。だからって恨まないでね』


 よいしょと声を出して少女は立ち上がった。


『問題は……あの子は何処に?』


 自分の目を引っ張り出して少女に移植していたはずの馬鹿弟子の姿が無いのだ。


『左には居ないし……何か嫌な予感はするわね』


 けれど確認する方法も無いので彼女は苦笑し、ふと視線を巡らせた。


 誰かに見られた気がする。

 たぶん誰か……王国の者が来たのだろう。


『まずは休憩ね。その間ぐらいは1人でどうにかなさい。お嬢ちゃん』




(c) 2020 甲斐八雲

 ノイエが見る悪夢は複数あります。


 本当の姉が死ぬ場面。

 皆から受けた絶望。

 そして…みんなが死んでいる様子。


 強すぎるショックに耐えられず、ノイエの髪は一瞬で白くなりました。

 髪質もあって白銀色ですけれど…

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