表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/9

第9癒 災難は続けてやってくる

目の前にいる男は、ソファーに腑抜けた姿で座っている。仮に戦うなら3秒で決着がつくほどに油断しきった姿を俺達にさらけ出している。さらに、足が片方無い。

「あーなんだ。知ってるかもしれないが俺はウェスタリアシュテルのマスター。クエリス・クエルマだ。クエルと呼んでくれ。よろしく」

そう言った彼はギルドマスターとは程遠い印象だった。

アサが小声で話しかけてくる。

「この人ホントにギルドマスター?怪しすぎない?」

俺も同感だ。こんなだらけた姿を見せてくるギルドマスターはなんか嫌だ。

そうやって小声で喋っていると、要陀が喋りだす。

「あなたの言う通り連れてきましたよ?なにか言うことはないんですか?」

「わぁったって。ありがとよ」

気だるげにそう答えると俺達の方に向く。

「お前達、災難だな。こんなやつにパーティー入られるとは」

「こんなやつってなんですか?後でお仕置きですね」

怖い。なんか要陀には妙な凄みがあるというか、とにかく怖い。

「とにかく本題に入ろう。今回呼び出したのはほかでもない。お前達が会ったという男についてだ」

「お前達が会ったやつはおそらくイビルロンドという塔にいる奴だ。モンスターを改造するやつだと思う。俺も前に戦ってなぁ、あいつは強かった。足を一本取られちまった。うちの国も秘密裏に討伐しようと動いている」

そう言いながらクエルは要陀を手招きする。

「ここまでが前提だ。イビルロンドの奴と戦って生きて帰ってきた奴はほとんどいない。情報も少ないんだ。お前らに死なれちゃ困るってことでこいつをつけるって話だ」

ここで要陀は喋りだす。

「すみません。わたしがもう言いました。」

「はぁ?」

クエルが腑抜けた声を出す。

「じゃあなんで説明させたんだよ」

「別にわたしは説明させる気はありませんでしたよ。勝手に説明したのはそちらですよ」

2人からとてつもない怒りを感じる。さっきまでの俺とアサのケンカとは比べものにならないほどの牽制が始まった。

「ちょっと、二人とも待って」

俺が慌てて引き離す。

「喧嘩なら他所でしてください。今やることじゃないんで」

そう言うと二人は渋々元の場所に戻る。

「あー、話が脱線しちまったが、ヒーロ。お前にこれをやる」

そうやって俺の前に出されたのは、家の鍵だった。

「これなんですか?」

「なにって、家の鍵だよ。お前ずっと野宿してるだろ」

なぜバレている。誰にもバレない場所で寝ていたはずなのに。

唐突に隣から叫び声が聞こえる。

「えぇぇぇぇ!嘘でしょ!なんで!?今までどこに住んでるかも教えてくれなかったのってそういうこと!?」

アサが高速でまくし立ててくる。うるさい。

「これはギルドの隣の家の鍵だからな。呼んだらすぐに来いよ」

クエルはアサに事を無視するように話しかけてくる。

「結構広いから三人ぐらいなら住めるぞ。後は仲良くな」

そう言ってクエルは奥に消えていった。


「なあ、要陀。これなに?」

そう言って俺は前にある残骸を指差す。

「さっきから言おうと思っていたのですが、なぜ私にはタメ口なのですか?あと、これは家ですね」

「なんか使う気になれないから。家ってのは冗談?この残骸が?」

俺はちらりと要陀の方を見ると少し顔が歪んでいる。敬語を使うことを拒否したからなのか、この残骸を家と言われたからなのかは分からない。

「ねえヒーロ。気がついた?後ろの方で笑ってる奴らがいる。たぶんそいつらが犯人だよ」

アサが顔をこちらに向けずに話す。

確かに、残骸をよく見てみると傷が真新しい。

俺は要陀の方を見て合図しようとしたが、彼女は首を横に振る。

「ちょっと、なんで拒否する?」

「わたしが行ってしまったら殺してしまいます。ただでさえこんなわたしの家の物置ほどの大きさしかない家に住めと言われているのに」

そういえば要陀は一国の姫だった。当たり前といえば当たり前か。

「ですがあなた達にだけに任せるのも忍びない。ですので、情報をあげましょう。彼らはマジッカー《魔法使い》です。それも爆発魔法が得意な。範囲攻撃には気をつけてください。では、全力で心を折ってきてください」


あいつらは俺らが気がついたとわかるやいなや、付近の森に入っていった。

「何で俺達の家は壊されたんだろうな?」

俺は思っていた疑問をアサにぶつける。

「たぶんだけど、リョウのことだと思うな。ほら、私達リョウと同じパーティーだったでしょ。だから、恨まれてるんだよ。リョウを殺したって」

そうやって歩いていると、ひらけた場所に着いた。

「周りに気配は感じないね〜。ここは大丈夫じゃない?」

俺も同意する。疲れてので少し休憩してから捜索を再開しようとしたとき、俺の頭に衝撃が走った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ