第5癒 戦闘狂の実力見破ったり
読んでくれてありがとうございます!
ヒーラーって攻撃できないからパットしないイメージですけど、ヒーロもそうなってしまうかのしれない
「おいアサ!早まるな!お前一人でいっても自殺行為だ!」
俺は走っていったアサに届くように今までで出したことのない声量で叫ぶ。
アサは聞こえていないふりをしているのかそのまま龍に向かって走っている。
このままじゃアサが死ぬと思い、慌てて俺も駆け出す。
龍が雄叫びを上げ、口から火を吐く。その火球がアサに当たる。と思ったときには、もうなかった。
アサにあたったはずの火球が。
『我が杖より生み出されし盤石の鉄皮よ!身体に纏いすべてを無効化せよ!!ウォールヘッジ!』
火球に当たる前に見たアサはなにも魔法を放っていなかった。つまり、火球に当たるまでのあの僅かな時間で詠唱をしたということだ。一体その境地に立つまでに何回使ったのか検討もつかない。
このままじゃ俺は足手まといだ。なのでとりあえず柱の陰に隠れる。
「やっぱり古来から火には水だよね!」
『拡散せよ!我らが母なる水よ!スプリンクルアクア!』
アサが片手で杖をペンのように扱いながら回す。
杖から出ているが四方八方に飛び散り、それが龍の肉体を傷つける。だが、致命傷にはならない。
致命傷にはならないながらもしっかり効いてはいる。龍がその攻撃に怒り狂い、ドタバタと暴れながら火球を振りまく。龍の一歩一歩が地震のような響きを作っているが、アサは1ミリも気にしていない様子。
何ならむしろ楽しそうだ。
「火球しか攻撃方法がないなんて可哀想に。もうつまらないから終わらそうか」
『竜の息吹の糧となれ!エルドラゴンの光線!』
俺が詠唱の意味を理解する前に、龍は跡形もなく消滅していた。
その後に見たアサの顔は驚くほどに……楽しそうだった。
まあ当然と言えば当然か。最強なんて称号を持ってるやつがまともなわけないし。
「お疲れ様。怪我はないか?」
見た感じ大きな怪我はなさそうだが。
「うん!かすり傷一つないよ!」
「そうか。それは良かった。とりあえずこれはギルドに報告か。いやでも信じてもらえるか?死体も消滅してるし」
アサの撃った魔法が心臓を穿ち抜くと龍は一切なにも残さずに消えていった。
果たしてあれは何なのだろう。
「アサ、もしかして逃げれないタイプとか言うのはブラフか?」
俺は今の戦いを見て思ったことを言ってみる。
「ううん。違うよ。あれには勝てない。ていうかなにあれ強すぎるんだけど」
「見ただけで分かるのか。やっぱりすごいな」
「えへへ〜そんなに言われちゃうとちょっと照れるな〜。ていうか、私最強だよ〜相手の力量くらい見たらわかるって」
すごいな。最強なのは伊達じゃないな。
「ドロップ品もないし、撤収しようか。牛の角だけ持って」
「承りました。では、こちらに必要事項をご記入ください」
いつもの受付嬢さんがそう言って紙を渡してくる。
あまり書くことはないが、めんどくさい。
俺はアサのいる机に向かい、椅子に座る。
「そういえば、俺の目的は言ったけどアサのは知らないから教えてくれないか?」
俺は書きながら聞く。
「そんなに聞きたいのか〜。しょうがないから教えてあげよう。私は兄が一人いたよ。十年前に行方不明になってから見つかってないんだけど、兄を私は探したい。だから、ヒーロも手伝ってね」
まさか二人とも人探しが目的とはな。
「よし。目的が遂行されることを願って、乾杯!」
「アサ、片腕であの強さはヤバいと思うんだが流石にもう片方欲しいよな。今回の報酬で義手を買いに行こう」
多分戦いでは片腕でも圧倒しそうではあるが、私生活が大変そうなので買ってあげたい。
「え!いいの!やった〜」
「じゃあ早速武器屋に行こうか」
鍛冶場と併設してあるだけに暑いな。
「ど〜れ〜が〜いいか〜な〜」
かなり上機嫌だ。けど俺が想像していたことと少し理由が違うんだが。
アサ、攻撃機能の付いたガントレットタイプしか見てない。このままだと大変な私生活が何も変わらないと思いつつ、本人が選んでるからいいのかという気持ちがせめぎ合っている。
「う〜ん。これだ!」
アサが指を差したのは、杖の中に入っている魔法を使うのに必要な血、マジカルブラッドが入っているガントレットだった。
多分これで両手から魔法出せるとか思ってると思う。まあヒールは俺ができるしいいか。
「分かった。じゃあ買ってくるな」
早速アサが新しいガントレットをつけている。
「流石に買ってすぐに馴染むなんてことはないかな。ちょっと1週間ぐらい欲しいな」
一週間あったら俺のあれも完成できる。
「いいなそれ。じゃあ1週間後、訓練の成果を見せろよ」
「そっちこそね」
そうして俺たちは1週間の修行に入ったのだった。
強化シーンてワクワクしますよね。
アサはなんか世界を破滅させる技とか覚えてきそう




