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異界暗殺業  作者: 紅鈴
掛違い

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239/243

11-2

「諸君、おはよう。今日も頑張っていきましょう。」

「「「う~うぃ。」」」


警邏隊第2隊の朝礼が始まった。

とは言え、夜勤と昼勤の交代と、その際の引継ぎ事項の確認程度なので夜勤組は気だるく、昼勤組はこれからの勤務の為に気を抜いていた。


「さて、夜勤組には申し訳無いが少しだけ時間をくれ。新人を紹介する。」


だが、ジタンの言葉で全員がしゃっきりと身を正した。


「マジですか!?」「こんな時期に?」「頼む!真面なの来てくれ!」


驚きの声が多いが、中には職務に忠実な者を望む声も聞こえた。


「静かに!・・・入って来てくれ。」

「失礼します。」


そう言っては言ってきたのは、


「えっ?マジ!」「女の子ぉ!!!」「我が隊に春が来た~!!!」


入って来たのは共通の皮鎧の上からでも判る程胸部が盛り上がった人物だった。

ちゃんと胸部がなだらかな曲線を描いているので、女性と判る程であった。

顔立ちも顎が鼻が小さく、骨盤・・・股下辺りが大きいので疑い様も無かった。


「本日付で配属となりました、ミランダ=リースです。」


新人らしく初々しい敬礼で自己紹介をしたミランダを後目に、ジタンは周りを見渡した。


(好感7~8割、残りは悪感だな。)


どうやらミランダは殆どの隊員に受け入れられそうであった。

悪感の方も、新人の為仕事を教える面倒さからきている物の様であった。


「隊長、何で新人が第2隊に?他の隊じゃないんですか?」

「良い質問だ。実は他の隊も新人が当てられた。うちに来たのが彼女と言うだけで、他の隊にも同様に人員があてがわれている。だから気にするな。」


今回の人員増強は警邏隊全体に対して行われており、中にはジタンから見て外れの様な隊員もいたのだが、第2隊にはミランダがあてがわれる事となった。


「そもそも今回の人員増強は、最近頻発している各種事件の影響による治安悪化と騎士隊の遠征事情を懸念しての事だ。幾ら昼夜3交代で回しているとは言え、どんな場所で犯罪が起きるか判らん。それを徹底的に潰す為の増強だ。」

「最近って言うと、スノームーンの店長さんが関わった事件っすか?」

「ああ、その通りだ。」

「見たかったなぁ、店長さんの担ぎ上げ投げ。」

「近くで見たんだが、噂が本当だと思い知らされる物だったぞ。・・・まあ、あの後の事件処理も大変だったがな。」

「それ、現在進行形ですよね。」


貴族無差別連続襲撃事件は、ミストレルの協力により終息した。

ジタンがパインと協力して捕らえたマイナリー家の者から組織の実態を聞き、各拠点は王都は警邏隊が、各領は騎士隊が逮捕の為に襲撃し、実行犯や幹部を捕らえた。

犯人の中には犯行教唆だけをして罪に問われない者もいたがミストレル協力の元、別方向の事件と合わせて逮捕する事が出来た。

だが、各領に騎士隊を送った事で王都駐留の騎士隊に穴が開き、それの補填の為に警邏隊が騎士隊の代わりをしているのが現状であった。


「後数ヶ月の辛抱だがそれでもキツイ事には変わりないから、この時期に増員がかかって、はれて入隊となった。」

「なら、戦闘力はお墨付きって事ですね。」


その言葉は悪感の隊員からでた。

どうやら実力を見たいらしい。


「時間が無い、此処で済ませろ。・・・ミランダ、やれるな?」

「直ぐに。」

「良し、始めろ!」


合図とともに悪感隊員が突っ込み、ミランダは迎撃の構えを取った。


(これは・・・彼女の勝ちだな。)


書類だけではあったが情報が有ったジタンはそう思った。

そして、あと少しで悪感隊員が射程に入る前に、ミランダが動いた。

ミランダが前に飛び、その勢いのまま膝を悪感隊員の顔面に叩き込んだ。


「がっ!・・・ヤバッ!」


膝蹴りにより顔面が跳ね上がった悪感隊員が見たのは、ミランダの踵落としの姿勢であった。

慌ててガードの姿勢を取ったが、ミランダが落下する方が早く、そのまま踵落としを決めようとした。


「それまで!!!」


ジタンの声が届いたのかミランダの踵は悪感隊員の横を通り過ぎた。


「実力は解ったろ?それ以上はやり過ぎだ。」

「・・・実力を疑って悪かった。」

「いえ、新人ですので疑われるのは仕方ないです。」

「互いに遺恨は無いな?・・・多少手洗い歓迎会になったが、彼女の実力は本物だ。皆、歓迎するか?」

「「「異議なし!!!」」」

「よし、じゃあ夜勤組は連絡事項を報告してくれ。」


そうして本来の朝礼が始まった。

切りが良いのでここで切ります。


前章の事件、尾を引きすぎじゃない?問題

国全土に拠点があったので仕方ないかと・・・。

後、その領地の騎士団も捕縛には参加しましたよ。

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