09話.[それのためにも]
「あーあ、なんにもできていない間に清美ちゃんに取られちゃった」
「それは他の友達を優先して一緒にいなかった姉さんが悪い」
あたし個人はそこそこの頻度で行くことで仲良くなれたと思う。
嬉しいことも言ってくれたし、清美だけと考えて行動しなくて良かった。
というか、なんか支えるつもりが結局のところ支えられていたな……格好いいな。
「でも、最初と違って楽しそうだからいいかな」
「って、ちゃんと知ったのはGWが終わったばかりの頃でしょ」
「もう7月だから2ヶ月じゃんっ」
「清美は4ヶ月目になるけどね」
「うるさいうるさいっ、いいんだよっ、ずっと仲良くしたいって言ってくれたんだからっ」
あの子は急に真っ直ぐにぶつけてくるからたまに……ドキッとする。
あと、頑張っていることを褒めてくれたのが物凄く嬉しかった。
「本当に分からないものだなあ」
清美が文と関わらないでいたままだったら恐らく近づくタイミングは遅くなっていたと思う。
ま、あの子は小さいから近づいていたであろうことは変わらないけど。
「おめでたいねっ」
「うん、そうだねっ」
あとは清美が切り替えを上手にやってくれればそれでいい。
きちんと相手をしてあげて、文が楽しそうにしていてくれればそれでいい。
「あー、だけど残念だなあ……」
「別に清美の彼女になったからって遠慮しなくていいでしょ」
近づくことぐらいはいまでもできる。
文は間違いなくちゃんと相手をしてくれるから不安になる必要もない。
「そうだね、文ちゃんにいっぱい甘えようっ」
「嫌われない程度にしておきなよ?」
「わ、分かってるよ」
4人で仲良くを続けたいんだ。
それのためにも上手くやってほしかった。