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一万円オークション

 人間とは最善な道を必ずしも選ぶことが出来ないように設計されています。


 〝囚人のジレンマ〟という思考実験をご存じの方も多いでしょう。僭越ながらご紹介致しますと、以下のような問題となります。


・共同で犯罪を行ったと思われる2人の囚人A・Bを自白させるため、検事は2人の囚人A・Bに次のような司法取引をもちかけます。


・本来なら囚人2人は懲役5年相当なのですが、もし2人とも黙秘したら証拠不十分として減刑し、2人とも懲役2年となります。


・もし片方だけが自白したら、その囚人はその場で釈放されます。この場合黙秘してた方は懲役10年のペナルティーに科せられます。


・ただし、2人とも自白したら、判決どおり2人とも懲役5年となります。


・お互い同様の条件を持ちかけられている事は告知されますが、囚人A・Bが疎通をとることはできません。


 このとき、「囚人Aは黙秘すべきか?それとも自白すべきか?」というのがこの問題です。


 当然双方に最善なのは【2人とも黙秘し、証拠不十分として減刑】になることです。しかしながら片方に裏切られれば自分だけが+8年のペナルティを背負います。それくらいならば、〝相手が黙秘し自分は釈放されるかも〟という希望にすがり自白をしてしまうのではないでしょうか?


 この問題の嫌らしいところは〝相手が黙秘するか・しないかに関わらず、自白するのが囚人A・Bの最善手〟という正にジレンマであり、『自分の利益だけを突き詰めても、最善の結果にならない』という、合理性の理不尽を集約させた問題です。



 以上、ゲーム理論という分野において最も有名な問題をご紹介させて頂きました。


 

 さて、みなさま〝自分はとある一点賭け〟をしている自覚はありますでしょうか?〝いや、自分ギャンブルやらないし〟という方も無関係ではありません。


 日本国民の大半は「日本銀行券」を通貨として利用し、給与として受け取り、貯蓄しています。中には米ドルを持ってます、ユーロを持ってます、カナダドルを持ってます、元を持ってます、ルピーを持ってます、バーツを持ってます、ウォンを持ってますという方もいるかもしれませんが、おそらく少数でしょう。


 極論ですが、ルーレットで例えると【日本円】というポケットに一点賭けしている状況です。通貨というのはとても曖昧なもので、【信用】で成り立っています。


 丁度100年前、世界に冠たる通貨であったドイツの通貨【マルク】などは1918時点で1ドル=7マルクでした。しかしドイツの敗戦、世界恐々が重なり5年後の1923年4月で1ドル=35万マルク、1923年11月で1ドル=4兆2500億マルクとなりました。


 ハイパーインフレーションという極端な例ですが、通貨というのはそれほど容易に変動する不可思議な存在なのです。


 ではここでタイトルに御座います、【1万円オークション】のお話をしてみましょう。ルールは簡単です。


「それでは只今よりオークションを開催致します。今回の商品は【日本銀行券1万円】です。他の候補者が〝これ以上は出せない〟という最後の一声を出した人物が落札者となります。対価は何でも構いません、日本円・米ドル・ユーロ・元・ウォン、爪・指・腕・命、実行を約束するならば時間労働・懲役・犯罪でもなんでも構いません、それでは0円からスタートです!」


 さて、ここで【一万円】の対価に見合う落札をするためにはどうすればいいでしょう?……コメントお待ちしてみます。


 

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