救出イベントⅩ
俺の方に向かってくるヤツら以外は、ほぼ倒せたようだ。
他の四人の冒険者さん達も、それぞれモンスター達がフォローするよう指示してあって無傷だ。
だがそれ故に、すぐこちらに駆けつけられる者がいない。
とにかく目の前の、縛られている冒険者さんを解放しないと!
四人一度にかかられたら、護りようがない。
「いま縄を切ります!」
「た、たのんますっ!」
半分涙声になっている彼の縄を、ショートソードで切り始める。
くそっ!えらく丈夫な縄だな!
そう焦りながら彼のステータスをチラリと見る。
ハインズ Lv 5
(狩人/ヒューマン/男/風属性)
A T: 760
D T: 790
うっわ、こんなステータスじゃあ、二回も攻撃受けきれねーぞ!
そう思っている間に、縄が切れた!
「あんたはあっちの森の中へ逃げて!」
そう言って俺は、ヤツらと反対方向の森を指差す。
「バ、バカにしないでくれ!これでも冒険者の端くれだ。あ、あんたひとり置いて、逃げられるかよっ!」
あああ、ハインズさん、そう言いながら声震えてるじゃん!
変な所でカッコつけなくていいから!
俺ひとりの方が何とかなるんだよぉ!
そうやって二人でまごついてる間に、一番近くにいた盗賊が俺に斬りかかってきた!
その剣を、俺のショートソードで受けきれたのは奇跡だった。
相手はただのLv 6の盗賊なのに、めっちゃこえぇー!
目の前にいるコイツから、殺意がビンビン伝わってくる!
「ぐあっ!」
だが横からハインズさんが、体当たりしてくれたお陰で俺はその殺意から解放された。
「なにしてんだ!早くトドメさせっ!」
そう言ってハインズさんが、体当たりで倒れた盗賊を指差す。
…え?
俺がコイツを刺すの?
俺はその当然の事を、すっかり失念していた。
言い訳になるかもしれないが、そりゃ一度もヒトを刺した事がない、平和ボケしたニッポン人なら一瞬は躊躇するでしょ。
だが、その一瞬の躊躇が命取りになるのだ。
倒れた盗賊は素早く立ち上がって、そのまま俺の脇腹に剣を突き刺してきた!




