救出イベントⅧ
そういうとバルストさんは、先程俺が吹き飛ばした盗賊が落としていった剣を素早く拾うと、手近の盗賊に斬りかかった。
切りつけられた盗賊は、一撃で倒れる!
そしてそのままの体勢から流れるように、次の相手にも斬りかかっていく。
すげえ!今までアニメや映画でしか見たことの無い、ファンタジーの戦闘が目の前で行われている!
バルストさん、まぢかっけー!
現実にこれは殺しあいをしているのに、俺は恐怖感よりも興奮のほうが勝っていた。
こんなに俺、好戦的じゃなかったと思うのだが、あまり嫌悪感がない。
どこかファンタジーで(俺が前に生きていたニッポンと比べて)現実的でないためか、または今までのモンスターとの戦闘で少し荒事に慣れてしまったせいかもしれない。
ってか、俺もボケッと見てる場合じゃないな!
冒険者の残りの四人は、Lv 12の神官戦士さんとLv 9の戦士が二人、あとはLv 5の狩人がひとりだ。
Lv 9の戦士のひとりは、"レッサーデーモン"が縄を噛みきった所だ。
モンスターに助けられて、めっちゃビビってる(笑)。
もうひとりの戦士には、"キラーマンティス"がもうすぐ到着できそうだ。
神官戦士さんには、バルストさんが向かっている。
ビーファイターが、近づこうとしている盗賊共を牽制しているから、大丈夫だろう。
あとひとり、Lv 5の狩人には"ゴブリンシャーマン"が向かっているが、一番こちらから遠かったため、盗賊共に阻まれ苦戦している。
まずい、むこうのLv 10戦士の二人が近づいている。
このままでは間に合わない!
その時俺の肩に乗っかっていた"アルラウネ"が、俺の頭をパンパンと叩いた。(彼女は小さいので、移動には向かない。それ故肩に乗って、俺の死角のフォローにまわっていた。)
「るるーっ!」
彼女の意思を理解した俺は、大丈夫か?とたずねる。
「るっ!」
よしっ!頼んだぞ、と意思をかえしながら、彼女をむんずと掴む!
「いっけぇぇー!アルラウネアタックッ!」
そう言いながら敵戦士の方に、"アルラウネ"を投げつけた!
「るっるーっ♪」
空中を飛ぶのが楽しいのか、やっぱり今回も楽しそうな声をあげて、混戦の上を越えて行く。
そして見事に、敵戦士の前に着地した。
「るっ!るっ!るっ!」
敵戦士二人を前に、"アルラウネ"は可愛くシャドウボクシングよろしく、ファイティングポーズをとる。
それを見て、敵のLv 10戦士達は完全にバカにした笑いを顔に浮かべて、"アルラウネ"に無防備に近づいていった。
…あー、馬鹿なやつらだ。




