空き地にてⅡ
ここで夜を過ごすと決めて、まず始めた事が火おこしだ。
実はさっき、カードモンスター達が探索していてくれている間に、俺自身の身の回りを調べた。(この時になって初めて、自分の事に気をまわす事ができた。)
どうやら俺の着ている服や持ち物は、俺のベースとなった青年の物のようだ。
彼の持ち物は革の袋一つだけだった。
もしかしたら、俺が目を覚ました時に、他に周りにあったかもしれないが、どこをどう走りまわったのか、まったくわからん。
で、今の持ち物は、
小さなナイフ、シャツと下着が一着づつ、空の革の水筒、乾燥しきった葉(薬草か?)、そして火打石である。
ここでまさか小学生の頃、田舎のじーちゃんに連れ回された時の経験が、生かされるとは思わなかった!
じーちゃんは、山や川に俺を連れ回し、その時にいろんな事を教えてくれた。
火打石から焚き火をおこすのも、その時に教えてくれた。
とはいえ、もう十年近く前の事だ。
点けるのに、二時間はかかったと思う。
(薪になる木は、"グレイウルフ"達が頑張って集めてくれました!)
あとは先程手に入れた、"アングルアイビー"を各一枚づつ【合成】した。
アングルアイビー N Lv 5
(植物族/土属性/cost2)
A T: 250/250
D T: 800/800
植物族は防御値が高いヤツが多い。
育てれば、壁役になってくれるだろう。
あと、【合成】や【進化】といったものには晶貨を使う。
『晶貨』とは魔結晶とも呼ばれ、魔力の元素結晶で、紛い物ができない事から世界共通の通貨としても使用されている。
…これも、ゲームの時は3000万Gは持っていたのになー
キツネのにーちゃんが、持ち物は何も持って転生出来ないって言っていた通り、一文ナシからの再スタートだ。
…
……
………
って、オイオイ、ちょっとまてっ!
ああっ!まさか、カードも『持ち物』なのかっ!




