メリークリスマス
どうも。お久しぶりです。
これは活動報告に置いていた、お気に入りユーザー登録してくれた人へのお礼として書いたクリスマスの話です。
簡単な人物紹介↓
セイラ
ヒロイン。龍ノ助を庇い代わりに異世界転生し呪われた。なんだかんだあってディノに助けられ今は婚約者。
ディノ
ヒーロー。元・諜報員。セイラを助けるために魔王の側近になった。ヤンデレ予備軍。まだ考えるだけで実行していないから予備軍。
龍ノ助
セイラに助けられて生き延びた高校生。結局異世界召喚され呪われる。なんだかんだあってまた助けられたので、この世界と日本を行き来する事を選び恩を返そうとしている。
「イラさん、メリークリスマス! これどうぞ」
龍ノ助君から差し出されたピンク色の物体から目が離せない。
無意識に手が震える。
「こっ、これは『プッチン〇リン 幸せのいちごミルク~濃い練乳ソースがけ~』ですって⁈ 新作!」
「本当はきたくら〇のクリスマスケーキを買おうとしたんですけど、僕、まだ異世界渡りが安定しなくて、衝撃が凄いんです。潰す可能性があったのでコレにしました。イラさん、プリン好きでしたよね?」
「ありがとう! 龍ノ助君! 大好き‼︎」
感謝の気持ちを表すため、龍ノ助君に抱きつこうと両手を広げ彼に近づく。
前世の記憶を引き継いでいる私だけど、日々ディノさんのスキンシップが激しいせいで抱きつくことに抵抗がなくなってきている。
だが、龍ノ助君に阻まれた。
「僕まだ死にたくないんで」
私、力そんなに強くないよ?
「あと、大好きというのはプリンのことですよね? ね?」
「うん。そうだよ。大丈夫? 顔が真っ青だよ」
もちろん龍ノ助君の事も好きだが、それを言ったらいけない雰囲気なのはわかるよ。
その後、一緒にプリンを食べて騎士団に挨拶に行くという彼と別れた。
プリンはもちろん美味しかった。エマやレモン達に一口ずつあげたら、すぐ無くなったけどね。幸せは分け合うもの!
でも、そうか。日本はクリスマスなんだ。
クリスマスといえば、やっぱりプレゼントよね。……よし!
日頃お世話になった皆さんにお礼をしよう。
思い立ったその足で料理人さんに会いに行きキッチンを借りた。
そしてクッキーを大量生産し、エマに手伝ってもらってラッピング。
なんでクッキーにしたかって?
私が作れるお菓子がそれしかないから‼
ディノさんから自由に使っていいぞと、ある程度お金を貰っている。けれど、ディノさんから貰ったお金でプレゼントを買うのはなんか違う気がする。
クッキーの材料も元を正せばディノさんのお金から出ているからあんまり意味ないけどね。
早く働いて返したい。
クッキーを持ってお世話になった人に配り歩く。
トゥナさん、ディノさんのお屋敷の使用人の人達、龍ノ助君、リッカルドさん、フラヴィオさん、御者さん。マルゼンバージ(ムキムキの馬だよ)には人参っぽいものをあげた。
みんな喜んでくれてこちらも嬉しくなる。
魔王陛下は簡単に会えるものじゃないから、リッカルドさんにお願いして渡してもらうことにした。
あと、フラヴィオさんからは「父と母にも貰えないか?」と言われ、ちょっとびっくりした。多めに作ったからあげたよ。(後日、お礼と称して荷馬車いっぱいのドレスとお茶会への招待状が届いて、ディノさんが怒り狂うのは別の話)
それを見ていた他の騎士の人達が、俺も俺もと欲しがったのでクッキーがなくなった。
エマ達、精霊の分を別にしておいてよかった。
☆
そして、私は今ディノさんの部屋のバルコニーにいます。
時刻は深夜の一時過ぎ。おそらくディノさんは深い眠りの中。
クリスマスといえば、起きた時に枕元にあるプレゼントだよね! と、ディノさんの部屋に侵入しようとしている。
エマに頼んで昼間のうちに鍵を開けてもらい、プーちゃんの触手でバルコニーに運んでもらった。扉を使わずバルコニーから入ろうとするのは、サンタクロース気分を味わいたいから。
かちゃ。きぃ。
ふぉぉ。意外と音が響く。よ、夜だからだよね。しょうがないよね。
当たり前だけど中は真っ暗。家具にぶつからないように気を付けないと。
魔術は使わない。ディノさんにバレそうだから。
そろり、そろりとベッドに近づく。
自分の呼吸の音がやけに大きく聞こえる気がする。
枕元にプレゼントを置こうとした瞬間、手を引っ張られベッドに押し倒された。
同時に部屋に明かりも灯されて、眩しくて目がチカチカする。
頭上からディノさんの弾んだ声が聞こえてきた。
「まさか、セイラが夜這いをしてくれるとは。いい日だな。しかもその格好……」
見られてしまった。
そう、サンタといえば赤い衣装だと思いクローゼットを漁ったら、真紅のドレスを見つけた。
大輪の薔薇を思わせるヒラヒラのドレス。
肩が出ていて恥ずかしかったので、銀の刺繍が施された白いストールを巻いた。
図らずも赤と白のサンタカラーに内心テンションが爆上がりだ。
三角帽子と付け髭があればと思ったくらい。
見せるつもりなんてなかった。
まだ目が慣れないが、ディノさんの熱い視線を感じる。羞恥でいたたまれない。
「あの、勝手にお部屋に入ってごめんなさい。ビックリさせたくて。プレゼントを、ひゃッ」
あまりの恥ずかしさに横を向いたのがいけなかった。露わになった首元をディノさんに舐め上げられ、そのまま舌が耳に辿り着くと何度もキスを落とされる。ちゅっ、ちゅっとやけに大きく聞こえるリップ音が耳から脳に響いていく。
「セイラ自身がプレゼントなんだろ?」
「ちがっ、んぅ」
制止の声をあげようと正面を向くと唇を塞がれた。
ベッドに転がっているラッピングされた箱が見えているはずなのに、言葉を紡ぐ前にキスで遮られる。
「クリスマスってのはいいな」
「なんで、クリスマス……知っているんですか?」
「今日、もう昨日か。リューノスケと会っていただろう? そのことについて、リューノスケにじんも……説明を求めたら教えてくれた」
今、尋問って聞こえた気がした。
「クリスマスは恋人同士でいちゃつく日だってな。俺の機嫌を直すためにも頑張ってくれ」
「え、なんで」
世界的には家族と過ごす日です、と説明したかったがディノさんの機嫌が悪いと知り不安になる。
「セイラ、手作りの品を色んな奴に配ったよな。ファルコ達はギリギリ許そう。だが、関係のないフラヴィオの両親と騎士達、特に御者はダメだ」
御者さんはディノさんに何かしたのかな。
「さあ、セイラ。最高のクリスマスにしような」
終われ。
メリークリスマス‼︎
Q、セイラが用意したプレゼントはなんでしょう?
①、LOVEとかいてあるハートのクッキー
②、ラブレター
③、なんでも言うこと聞く券
A、全部。ディノがどんなお願いをするか楽しみですね。




