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思い出してしまった記憶

今回短いです。

 今年の夏は暑かった。

 会社でお飾りになっていたエアコンが入社以来初めて動いているのを見ただけでなく、夜も寝苦しくて何度目を覚ましたことか。

 だがそんな暑さも東京の湿気混じりの、まるでサウナのような暑さに比べたら可愛いものだった。


 東京への出張も終わり、飛行機で北海道へ帰りバスに乗って見慣れた駅に着いた時にそう思った。たしかに暑いがカラッとした暑さ。


 空が茜色に染まり出すと、時折吹く風が頬を冷たく通り過ぎ秋の襲来を告げている。


 街路樹の脇に植えられた大振りのマリーゴールドを見ると北海道に帰ってきたなと安心する。

 何故か東京で見たマリーゴールドは小さかった。

 種類が違うのかな?

 そんなことを考えつつ、お土産でパンパンになって重くなったキャリーケースを引きながら帰路についていると、前を歩いている高校の制服を着た男の子が目に入った。


 あ、あの子歩きスマホしてる。危ないな。もうすぐ横断歩道だぞー。


 声を掛けて注意する義理もないので心の中で呟く。


 横断歩道の中間あたりで男の子が立ち止まった。まだ歩道は青信号だが様子がおかしい。

 よく見れば男の子の足元から黒いモヤのようなものが立ち上り絡みついていた。


 男の子も必死に動こうと足を動かしているがビクともしない。

 他の人には黒いモヤが見えないのか次々と彼を追い越していく。


 突如耳が痛くなるほどタイヤとコンクリートが擦れる音が響いてきた。赤信号を止まらず猛スピードで車が侵入してきたのだ。

 車はブレーキを踏む様子もなく交差点を突っ切り男の子に真っ直ぐ向かっていく。


 危ない! 思わず体が動き男の子を突き飛ばしていた。


 そこから空と地面が逆さまになって一回転したような気がするが、その映像がとても遅くて現実味がなかった。

 頭は熱くて体が冷たい。ふわふわとした感じ。

 寝ちゃダメですよと声をかけてくれた男の子がモヤから脱出できて無事だった安堵より、制服が血で汚れていることのほうが気になった。


 そして視界に黒いモヤが覆ってきて意識が途切れ、愛しのあの人に起こされた。






 これは前世の私の死の直前の記憶。

 今まで無意識に思い出さないようにしていたのに、ハッキリと思い出してしまった。


 なぜなら二回戦の相手がモヤに絡まれて動けなくなっていた、私に声をかけてくれたあの男の子だったからだ。


 最後に見た時と同じ大雪山国立大付属高校の制服を着ている。

 あの時は、胸元のエンブレムが見えなくなるほど血に染まっていたが今は綺麗になっていた。


 アマキ・リューノスケって名前だったんだ。おじいちゃんかなと思ってごめん。

 昨今のキラキラネームに相反するように古風な名前をつけるのが流行っていると聞いたけどそれかな?


「あまきりゅうのすけ君。どういう漢字か教えてもらってもいいかな?」


 私の発言にりゅうのすけ君は目を見開いた。



短くてすみません。

帰国したその足で会社にお土産渡しに向かったのがいけなかった。エラー祭りでずっとその対応を手伝ってました。




そういえば着陸する時、やたら飛行機が揺れまして。一回着陸するのをやめて大きく旋回してから着陸し直すと放送が入ったとき「死ぬかも」と思いました。


でも隣に座っていたおばちゃんが、着陸直前に雷に打たれて羽から煙出てたけど無事着陸したことあるから揺れぐらいなんともないよー!!と笑っていたのでちょっと安心しました。


やっぱり日本はいいですね。

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