第17話 アズサはコピーができるか?
四日目の昼ご飯を食べながらフリオさんに聞いてみました。
「あのー。私の服はどうされたのでしょうか?」
「あぁ、洗濯して、あそこに干してあるよ。その服とズボンは、僕が作ったものだけど、着心地は?」
フリオさんと同じ形の上下を身に着けていました。
ズボンの下を覗くと、すっぽんぽんでした。
「あのー。私のパンツは?」
「あぁ、それも、あそこに干してあるよ。汚れていたので脱がせて、身体を布で拭いたんだ。」
ちょっと恥ずかしい気もしたのですが、まあ良いか。子供だもんね。それにきっと臭かったかも。
「ありがとうございます」素直に感謝しました。
フリオと私で、切り株の上に並べられた、私のブラウスやスカートを見ています。
「これと、同じものが有ればいいなと思うのですが、この辺にお店は無いですか?」
「ないね。ここは見渡す限り人の気配がないところだよ」
「うーん。これをコピーして、復元する魔法は無いのかしら?」
「ちょっと、クラフト魔法を試してみよう」
ウサギの毛皮を原料にして、”ブラウスをクラフト!”と唱えた。
出来たよ、新しいブラウス。
「うわー、すごい、どうして!どうして!・・・」
「僕はね、魔法が使えるんだ。水や炎を出したり、クラフトと言ってイメージのものを作ることができるんだ」
「魔法って、思ったことを実現できるってこと?」
「イメージが大事だよ。コップに水が入っているイメージを頭に浮かべて、”水よ出でよ!”と唱えれば良いんだ」
アズサは、クラフトで作られたブラウスを手に取って、
「肌触りが良くないわね」と、評価されてしまった。
「材料がウサギの皮だからかな?。同じ材料があれば、同じものができるはず?」
「まあ、着れなくはないわ。ありがとうございます」
二人で、あれこれと材料を変えて、試してみた。
「同じものを出現させるということであれば、コピーして復元もあるのかな?。 ”コピーアンドペースト”の魔法を開発しようではないか。そうしたら、同じものが手に入るかも?」
「うん。私、頑張る」
開発には時間が必要。とりあえず、肌触りは良くないが、クラフト魔法でアズサの衣類を作成した。
スカートではなく、動きやすい短パンとピンクのブラウスを用意した。クラフトでちっちゃな靴も用意した。
これで、よしっと。
「フリオさん、ありがとうございました」
「敬語ではなく、普通にしゃべってくれると嬉しいな」
「フリオ、了解したよ。これでいい?」
この星2年目の秋
アズサはコピーアンドペースト魔法を懲りずに挑戦している。
「フリオー! 見てみて。ちょっとできたよ」
20センチメートル角のハンカチを題材にやっていたのだが、ついに形になった。
「フリオー!見てみて!」
スプーンをコピーして10個作ってみました。とエヘン。
小さな胸を張って、褒めてと詰め寄ってくる。
数日後、念願の下着を数着コピーすることができたと、アズサが喜んでいた。
「フリオー、生き物はコピーできないみたい。でも、種はできるよ」
僕は、ニンジンとセロリの種を取り出して、多めにコピーアンドペーストで増量してもらった。
やったね。これで冬に向けてニンジンやセロリの備蓄も考えられる。
今日はアズサと罠を見に行った。ウサギの通り道に、少し硬めの蔦のわっかを立てかけて、一方を近くの木に結わえておくだけ。単純だが結構かかるよ。
10か所設置して、3匹がかかっていた。
「フリオ。可愛そうだね。でも私たちも生きるためには必要なことなのね」
「そうだよ。だから大事に利用しようね。肉はお腹にいれて、毛皮は身にまとったり入れ物にするよ」
ひいらぎの魔導書によると、僕のクラフトやアズサのコピーアンドペーストは、能力に相当するらしい。魔法ではない。




