54.作戦開始<円卓会議>
「ではどうすればいいか、話し合うとしよう。久々の円卓会議だなぁ」
「お前天草先輩いるんだから敬語使えよ」
「いや、俺は気にしないぞ。今は三年生としてではなく、顧客の一人として来ているわけだからな」
「はぁ……」
久々の円卓会議でテンションが上がっている安心院と、珍しい状況だからか楽しそうにしている笑っている天草先輩を、みながら俺は思う。天草先輩って結構こういうの好きなんだなぁ
「そもそも金庫の鍵を奪い返すとのことだが、赤坂さんは学校に持ってきているのか? なんかそのへんに捨てたりしてない?」
「確かに……俺は、安心院君の彼女を知らないが、さすがに人の家に忍び込むのは抵抗があるな……」
「ふふ、安心してくれ、安心院だけにな!! 鍵なら今日赤坂が持っているのをみている!! なぜなら今朝、『あなたが18歳になったらこれにハンコをおしてくれると約束するならば返すわよ』っていってたからな」
「うわぁ……」
「いや、さすがに偽物だろう……ちょっと触るよ」
そういって、安心院がテーブルの上においた紙をみて、俺と天草先輩は顔を見合わせてドン引いた。これ結婚届じゃん。恐る恐るといった感じで天草先輩は紙に触れてじっとみて、冷や汗をかきながら一言。
「本物だ……」
天草先輩が助けを求めるように俺をみてきた。いや、そんな目でみられても困りますよ!! こういうときどういう顔をすればいいかわからないの。
これもう、安心院がハンコおして終わりじゃだめだろうか? そうすれば無理に鍵を取り返す必要ないし、赤坂さんも幸せ、俺たちもDVD借りられるようになって幸せ。安心院も奥さんができて幸せ。誰も不幸にならないしな。
「まあ、押してもいいんだが……」
「いいのかよ!! お前赤坂さんと結婚すんの?」
「ん? どうせ、俺の愛を試すとかだろ? 俺たちはまだ高校生だぞ。ままごとのようなものだ。だが、やられっぱなしって言うのは男として格好悪いからな」
そんなこと言ってるけど、赤坂さんだったら絶対そのまま役所に持ってくぞ!! 付き合う前のガチっぷりからして彼女は躊躇なく行動するだろう。
「まあ、安心院君がいいならいいか……それで、俺の力を借りたいというは科学部の力を借りたいということでいいかな?」
「ええ、俺の考えた作戦はこうです。放課後に赤坂は部活に出るんで、女子更衣室に侵入して、このダミーの鍵とすり替える。完璧だろう」
そういって安心院はダミーらしき鍵をポケットから取り出した。いや、どや顔しているけどさ。鍵と言えばもっと重大な問題があるじゃん。そもそも作戦自体雑すぎるわ!!
「お前、女子更衣室の鍵どうするんだよ。職員室で借りるわけにはいかないだろ……まさか、赤坂さんの荷物をあさりたいから鍵を貸してくれって言うのかよ」
「如月、確か前に鍵開けできるって言って、男子更衣室で俺がロッカーの鍵なくしたとき針金であけてくれたろ、お前なら女子更衣室の鍵も開けれるだろ」
「まあ、女子更衣室も、男子更衣室と同じつくりならできるが……」
「天草先輩は監視カメラみたいなのあるって聞いたんだけど、科学部からもってこれる?」
俺はテロリストに閉じ込められた時様に、簡単な鍵くらいなら開けれるように訓練をしているのだ。学校は公立ということもあってか、基本的に設備が古い。おそらく開けることはできるだろう。でも、ちょっとやりすぎじゃない? 安心院がハンコを押せば解決するんだよ。俺はちらっと天草先輩をみる。
「俺は部長だからな。科学部の設備は基本自由だ。部長特権というやつだな」
「いいんですか? 文化祭の時は結構厳しかったのに!!」
「あれは仕事だからな。今はプライベートだよ。なんかスパイ大作戦みたいで楽しそうじゃないか」
「うーんでもなぁ……」
俺は悩む。ぶっちゃけ犯罪だし、ばれたら俺の学園生活終わるし、紅の好感度がむっちゃ下がりそうなんだが……
「これが成功すれば。DVDのレンタル代金を一生無料にするぞ」
「そのはなしのった!!」
まあ、元はと言えば安心院のものを奪った赤坂さんが悪いし、誰もいない時を狙えば問題はないだろう。そうして俺たちは作戦を決行するのであった。
FGOの更新に間に合ったぁぁぁ
なんかこの三人のやりとりにむちゃくちゃ苦労して、更新が遅れてしまいました……すいません。
今回の話はあほな感じで行きます。よろしくです。