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52.安心院の金庫<王の宝物庫>

 学校の昼休み。俺は紅に今日はお昼一緒には食べれないと断って、とある部屋の前に来ていた。断った時の拗ねた顔が可愛くて、ちょっとにやけたのはここだけの話である。それはさておき、扉の前で立ち止まりノックを三回する。すると少し間が空いて二回ノックが返ってきたので、俺はさらにノックを一回返すと、奥から声が響いた。



「貴様の望む宝は何だ?」

「時を操りしクロノスの時計である」

「承認」



そのセリフと共に扉が開かれる。俺を待ち受けていたのは安心院と妻田である。二人の顔はすごく暗い。特に妻田はまるで世界の終わりかのような顔である。おそらく俺も同じような顔なのだろう。



「安心院……ラインの内容は本当なのか?」

「ああ……エイプリルフールは終わっているからな……赤坂にばれて没収された」

「クソがーーー!! お前らはいいよな。相手がいるからさ!! 俺は安心院や如月と違って何にもないんだよ!! これから先、俺はどうすりゃいいって言うんだよぉぉぉぉ!!」

「すまない……赤坂を部屋に呼んだ時に、あの金庫の正体がばれたんだ……それで怒られて、金庫の鍵を奪われた……」



 安心院の言葉を聞いて妻田が気が狂ったように叫ぶ。RZK会の資金はどこから出てくるのか? 疑問に思っていた人もいるかもしれない。その答えがこれだ。安心院の兄はビデオ屋で働いており、時々お気に入りのエッチな中古DVDを、安心院にわけてくれるのだ。そして安心院は学校のモテない男子生徒達にレンタルをしていたというわけである。俺の時止めのDVDも安心院から借りたのだ。ネットで無料でみれるじゃんって言うかもしれないが、やっぱり、ウイルスとか、架空請求とかこわくない? というわけで我が学校の生徒たちは、大抵安心院にお世話になっているのだ。



「でも、いくら赤坂さんでもエッチな動画みてるくらいでそんな怒るのか……?」



 確かに彼女は愛が深いがそれくらいは許してくれそうだと思う。紅の場合は……多分嫉妬とかの前に顔を真っ赤にして恥ずかしがりそうだな。今度わざとみつかるように置いてみよう。



「いや……その……たまたま観ていたのがロリ巨乳ものだったんだ……」

「うわぁ……」



 俺はその一言ですべてを察してしまった。赤坂さんは長身系の美人だ。そしてスレンダーである。そんな女の子が、彼氏が自分と真逆な女の子のエッチな動画をみていたら……まあ、いい気分にはならないよな。俺はゴミを見る目で安心院を睨む。少しは毎晩寝る前に、紅の猫の真似をしている動画でいやされている俺を見習うべきだろう。



「やっぱり、納得いかねえよ!! 直接話をしてくる。あれは俺の……俺達非リアの最後の希望なんだよ!!」



 そう言って妻田が出て行った。まるでミステリー映画で真っ先に殺されるモブキャラのようだ。「犯人がいるかもしれないところにいれるか!!」って言って、部屋から出て、大体二番目くらいに死ぬやつね。俺と安心院は顔をあわせてうなずいた。



「あいつ死んだな……」

「赤坂さん強いもんな……妻田いいやつだったよ……」



 いや、いいやつだったかな? ろくでもないやつだった気がする。俺がそう思っていると扉が三回ノックされた。安心院が扉の方に行きノックを二回返すと、また一回ノックが返ってくる。どうやらお客様らしい。



「貴様のスキルは何だ?」

「科学の英知、魔法のごとき鏡のである」

「承認」



 扉が開くとそこには天草先輩がいた。ああ、この人はマジッ〇ミラー号が好きなんだな。ロリとか妹ものだったら付き合い方を変えなければいけないところだった。まあ、ほとんどの男子生徒がお世話になっているのだ天草先輩もお世話になっていても不思議ではない。

 部屋に入った天草先輩は俺をみると、一瞬目を見開いて、不敵な笑みを浮かべた。



「話は聞いた。それにしても魔女の騎士もいるとはな……かつての敵と手を組むというのは中々テンションが上がるな」

「確かに俺も、厨二的に無茶苦茶テンション上がるんですけど、できればもっと違う形で共闘したかったんですね……」

「これでメンバーはそろった、作戦会議をはじめるぞ。俺たちの宝物庫の鍵は赤坂が持っている!! なんとしても取り返すぞ!!」



 あれ、妻田はいいのかな? まあ、どうせあいつは役に立たないからどうでもいいか。それはさておき俺達は作戦会議をするのであった。何かどこかで悲鳴が聞こえたような気がしたが、まあ、よくあることだ。


 

「まるで羅刹女から芭蕉扇を奪うみたいでわくわくしますね」

「如月よ、お前最近アクタージュよんだろ? あれ、結構面白いよな。というか普通に安心院が謝るんじゃ、だめなのか?」

「天草先輩……それは多分ダメでしょうね……八つ裂きにされますよ。文化祭のあれをみたでしょう? 怒らった赤坂さんを止める事はだれにもできません」

「二人とも俺の彼女を魔王みたいに言わないで欲しいんだけど……」



 漫画のネタも交えつつ盛り上がっている俺達に安心院が、ちょっと困ったように言う。一応赤坂さんには、貸しがあるけど、今回はだめだろうなぁ……俺達は作戦を練るのであった。




現実恋愛なのに、ヒロインが登場しなさそうな回です。あと二話くらいでこの話は終わります。


分かりにくいですが、神矢は天草先輩には敬語です。安心院は空気を読まないので、敬語は使いません。



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― 新着の感想 ―
[良い点] やはり持ってたか紅の猫動画w 癒されて羨ましいのう DVDは踏割られておしまいだと思う・・・ [気になる点] いやもしかしたらきょうみをもっていっしょにみてくr うぇっ! なぜここにあな…
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