向日葵の見上げる頃④
登場人物
月渡 咲弥 主人公
桜木 舞 現生徒会長
水上 蓮乃 咲夜のルームメイト
日向菊 葵 生徒会書記 舞の親友
彩木 楓 演劇部副部長 椛と双子
彩木 椛 演劇部部長 楓と双子
巻多 永華 生徒会副会長
鷲黒 朱音 元生徒会長
月渡 照海 咲弥の姉
金木 根子 生徒会会計
「おかえり」
「ただいま、サクサク」
あまり表情は変わらないけど、嬉しそうに蓮乃が部屋に帰ってきた。
「調子はどう?」
「ばっちぐ」
よく分からない返事だけど、嬉しそうなので調子は良いらしい。
「葵ちゃんすごく上手くなってた」
「そっか」
「スッポンが月になった感じ」
「ーーそっか……?」
それは褒めてるのかな?
たぶん、きっと。他意は無いはず。今日補修で月とスッポンって出てきたから使ってるだけのはず。
はずだけど……。
「たぶん言いたい意図と合わないから、その表現はあまり使わない方が良いかな……」
「ん?うん、分かった」
素直で良かった。
「着替えたら夕飯に行こうか」
「うん」
午前中は補講で午後はお互い練習と作業でそれなりに忙しい夏休みになってる。
これも充実した夏休みなのかな。
と言っても、そんなに長い期間でもないけど。
このまま順調に本番を迎えられたら良いな。
「はぁ……」
「どったの、葵ちゃん?」
夕食の席で思わずため息を零してしまった。
「……なんでもないわ」
「そう?背景作り上手くいってない?」
「ううん、なんか……ね。過去の自分の愚かさを再確認した、というところかしら」
「つまり?」
「私とあの子との絵の差がちょっとね……」
「蓮乃ちゃんだっけ?過去に色々あったっていうの」
「そう。うん……そうなんだけどね」
これは、どういうことなのかしら。
私だって、専門的に絵を描いてきた訳でもないのに。
なんでこんなに……。
「葵ちゃんよりそんなにすごいの?」
すごい……そう、すごいといえば凄いんだけど、なんだか……。
「……拍子抜けした」
フォークでサラダのレタスを刺そうとしたら力加減を間違えてお皿に当たって、カツン、と音が鳴った。




