第14話 ご褒美を待ち侘びて
マッサージ事件を終えて、私達は寝室に戻って来た。
あのイケメン食いに申し訳ないことをしたな。まさか私にまだ痙攣する余裕が残っていたとは……やっぱりフレディーのエッチな声はずるいよ、痙攣しちゃうって。
デザートは別腹だもん。
『エリンさん、ゼロまで耐えたご褒美くださいよ。納得するものが貰えるまでねだり続けますからね』
寝室で寝転がる私の顔を、ふわふわ空中浮遊しながら覗き見るフレディー。頬を膨らませて怒るフレディーは子供っぽさがあって愛らしいね、もっとイジリたくなっちゃうじゃないか。
「もう一度カウントダウンするかい?」
『断固拒否です』
ふふ、またいつかカウントダウンさせてみせるよ。楽しみにしておくんだね。
浮かぶフレディーに手を伸ばし、フレディーに手を透かせながら言う。
「もちろんご褒美はするよ。だからまた憑依をお願いしても?」
『それはエリンさんのご褒美では?』
「いいから、あとエリンって呼んでよ」
疑いの目笑向けるフレディーの後ろ側。寝室のドアがノックされる。
「あ、きたきた。お待ちかねのやつだよフレディー」
私はぴょいんと立ち上がり、ドアの小窓から外側にいる人物を確認してから開ける。
お待ちかねのやつとは。
「お待たせしました~。こちら、ディナーになります」
そう、夕飯!
ベルギーのディナーメニューは、牛肉煮込みのカルボナード、お決まりフレンチフライ、ムール貝、魚スープ、そしてワッフルだ!
もうお手本のようなベルギーディナーだな。
肉、野菜、魚介、デザートとフルコースじゃないか。フレンチフライは野菜だ、いいな?
ちなみにムール貝は特製ビールと一緒に嗜むべきなのだが、明日フレディーと会うのに酔い散らかしたらいけないので断念した。まあ、ムール貝とフレンチポテトも合うらしいし良いでしょう。
私はルンルンになってワンプレートのディナーをテーブルに運ぶ。
『エリンさんだけズルいですよ、む~何がご褒美なんですか』
不貞腐れるフレディーは、生霊らしくうらめしやな感じで近づいて来た。
私は少し膨らむフレディーの頬を、指でツンと押して空気抜きしながら。
「言っただろう? 憑依してくれと。私にフレディーが憑依することで、味覚を共有するのさ」
フレディーは分かりやすく手の平にぽんと手を置き、満面の笑みになる。
『わ~なるほどです! 疑ってすみません! さ、憑依憑依~』
私以上にルンルンになったフレディーは早速憑依。寒気が身体全身を襲うが、つまみ食いフレンチフライで身体を温めなんとか耐える。ウマウマ。ぴょい。
『あ、まだ完全に味覚共有出来てないのに……食べちゃダメですよ』
「へへ」
椅子にしっかり座り、さあディナータイムの始まりだ!




