55作戦成功
優斗に子が生まれるまで後2カ月、優斗が転生して2年と3カ月が経った。
子供が生まれる日が近くなった。
皆、俺に出産に立ち会えという。
嬉しいような、ちょっと怖いような。
俺は何もできないけど、手を握って応援しようと思う。
ナンシーから通達があった。
お腹の子に障るから突っ込むのは、はしばらく禁止だって。
でも気持ちよくするのは大丈夫だって。
俺もお腹さすりたいからちょうどいい。
今、王都の拠点に来ている。
時間は正午、メンバーは俺、タマ、ミカン、忍者6人。
皆、緊張しているせいか口数が少ない。
俺「正午きっかりに『母の日』作戦を開始する。
10秒前からカウントするからね。
全力出してね。
10、9、8、…、1、開始」
一瞬の間をおいて。
タマ「第二段階まで成功です。
第三段階は実行中です。
保守ゴーレムから連絡です。
マザーゴーレムの改修を開始、完了は24時間後、明日の正午」
俺「皆、ありがとう。
作戦は継続中だけど、いったん解散する。
明日の正午にはここに集まってね。
『母の日』作戦の第四段階から作戦を継続する」
* *
俺「タマ、保守ゴーレムの第三段階の終了を確認して」
タマ「第三段階の終了、確認取れました」
俺「じゃ、第四段階の実行開始」
タマ「マザーゴーレムを起動しました。30秒で終わります」
俺「ミカン、マザーゴーレムが目を覚ましたら、俺をマザーゴーレムに接続して」
マザーゴーレムに接続したはずだが、異空間にいた。
テーブルと椅子ある空間だった。
目の前にギリシャ彫刻の女神のような巨大な女性が裸で立っていた。
胸も股間も隠していない。
恥ずかしい。
俺「優斗といいます。
マザーゴーレムさんにお会いしたいのですが」
巨大な女性「私がマザーゴーレムです」
俺「すみません。
あまりの大きさに驚いてしまいました」
巨大な女性「分かりました」
巨大な女性は人間サイズ変わった。
だが裸族なのは変わらなかった。
俺「会えてうれしいです。
服はお持ちでないですか?」
マザーゴーレム「分かりました」
やっと服を着てくれた。
俺「マザーゴーレムさん、お話がしたくて来ました」
マザーゴーレム「マムと呼んでください」
俺「俺のことは優斗と呼んでください」
マム「座ってお話を聞きましょう。
どうぞ、かけてください」
俺はマムに保守ゴーレムと神にかけられた呪いを解くようにお願いした。
マム「もう必要ないですね。
はい、解きましたよ」
俺「ありがとうございました。
要件は済みました。
お暇致します」
マム「もう少し、お話しませんか」
イステナ様のこと、アレフギアのこと、異世界召喚を禁止したこと、などを話した。
マム「優斗、子を増やし、子孫を増やし、アレフギアに根をはりなさい」
俺「イステナ様から子は50人作れと厳命されてます」
マム「イステナは欲のない子ですね、
優斗、100人は頑張りなさい」
俺「鋭意努力します」
マムの元から、元に戻った。
俺「マザーゴーレムと話した。
保守ゴーレムの呪いは解いたって。
タマ、保守ゴーレムに連絡して」
タマ「了」
俺「『母の日』作戦は成功した。ありがとう」
俺はミカンを連れて拠点に帰った。
タマには保守ゴーレムと作戦の跡片付けをお願いした。ダナ遺跡の保守区画に行ってもらった。
拠点に帰り、最初にイステナ様にお祈りを捧げた。
俺「イステナ様、俺隠し事してました」
イステナ「お母さまから聞きました。
善意ですが、罰は必要ですね」
俺「罰ですか?優しいのでお願いします」
イステナ「お母さまから子が50人は中途半端だとダメ出しをもらいました。
50人増やして切りのいい100人にします」
俺「厳しすぎます。
許してください。
お願いです」
イステナ「優斗は12歳でしょ。
まだ30年は子作り頑張れるはず。
100を30で割ると3、年に3人なんて楽勝ですよ」
俺「俺、30年生きられないかも」
イステナ「私が死なせません」
次に、ポムとポミーに会い、隠し事をしていたことを謝った。
ポム「お気づかいありがとうございます。
優斗に話しておきたいことがあります。
私とポミーは保守ゴーレムの責務を解いてもらいました。
保守ゴーレムではありません」
俺「そうなんだ。今は何ゴーレム?」
ポム「優斗のゴーレムです。
よろしくお願いします」