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36玲救出

エスペリに到着して4カ月と3週間、優斗が転生して10カ月と3週間たった。


4日ほど前になるが、4人の女生徒の居場所が判かった。4人はカンボス炭鉱の娼館にいた。

4人を救出し、病院に帰還した。

彼女らのカルテは看護官に作成してもらった。


2日まえ、イステ市の娼館にいる女生徒を見つけた。

女生徒の救出にも慣れてきた。

女生徒を救出するとき、

偶然にも女生徒と一緒にローラがいた。

ローラは俺のことを覚えていないだろう。


取りあえず女生徒はマジックポーチに確保した。


睡眠弾で寝ているローラの顔を見た。

やはり、ローラはまた奴隷の首輪をはめられていた。

あの時、親がローラを売ったことを伝えるべきだった。

真実を知ったローラはホームシックになっただろうか。クジュ村に、両親のもとに帰っただろうか。

ローラを手放した時の悔恨を思い出す。

このままローラを見捨てて立ち去ることはできない。

俺はあの時、覚悟がなかった。

覚悟もないままローラを連れ出してしまった。

今回は違う。

ローラを一生面倒見る覚悟を決め、マジックポーチに収納した。


これで女生徒10名は救出した。

残るは5名。玲も5名の中にいる。

気が焦る。


数日が過ぎた。

トラから連絡が入る。

カーニバル商隊に同行する移動娼館で1人見つけた。

救出は一連の流れ作業のように進む。


病院で女生徒を看護官に渡しているとき、

立て続けに2件の発見の報告があった。

一件は南部の漁村にいる移動娼館で、2人いるようだ。

もう一件は王都の見世物小屋に1人。


王都に!

玲だ。心が熱くなる。

汗が噴き出す。力がみなぎる。

やっと会える。


俺「トラ、王都の方だ。俺をスパイゴーレムに接続」

スパイゴーレムから情報が俺に流れ込む。

場所は芝居小屋か、広くない。

舞台に2人、観客が36人いる。

即座に移転する。


玲を見つけた!

間違いなく玲だ。

舞台の上で辱められた姿。

畜生! 俺の玲に酷いことしやがって。

お前ら全員許さねえ。


玲の安全確保を最優先する。

玲の確保に邪魔な舞台の男を排除する。

男の腹にストーンバレットを撃ちこむ。

初めて人間にストーンバレットを撃った。

当れば体内で砕けるように弾丸は脆く作ってある。

長い苦しみののち死を迎えるように。

舞台の男が大声を上げて転げまわる。


玲に睡眠弾を撃つ。

同時に舞台に飛び上がり、玲をマジックポーチに収納した。

よし! 玲の安全は確保した。

これで思う存分暴れられる。


まず逃げ出そうとする観客に、

ストーンバレットを打ち込む。

出入り口付近の観客を先に処理した。

出入り口は倒れ転げ回る観客がふさいだ。

観客は逃げ出せず、右往左往している。


その時、舞台の袖から2人、男が走りこんでくる。

奴隷の首輪はない。敵だ。

こいつらにも腹にストーンバレットを撃ちこむ。


観客は逃げ出せず棒立ちであった。

俺の怒りを鎮めるための生贄になってもらおう。

ストーンバレットの打ち込みを再開した。

死んだふりの観客もいる。

そいつらにも弾を打ち込む。

芝居小屋はうめき声で埋め尽くされた。

気配察知で全員の処理を確認した。


最初から気づいていたが、小屋の壁面に覗き窓がある。部屋があるのだろう。

そこから、小屋の中を覗き込む奴がいた。

3人。今、小屋の外に向け移動している。


念話でスパイゴーレムに3人の処分を命じる。

スパイゴーレムは軽く頭を下げ「了解」と返した。


俺は病院に移転した。

看護官のところに行く。

玲をマジックポーチから出し、ベッドに寝かせる。

何も着ていない玲が痛々しい。

看護官から布を受け取りかけてやる。

奴隷の首輪を外すあいだ、涙があふれ止まらなかった。

玲を取り戻せた安堵感、俺の玲を辱められた悔しさ、

大声で叫びそうになる。

まだ終っていない。

医師と看護官に玲を託し、

次の女生徒の救出に向かった。


最後の女生徒は隣国ロンカルド王国ハボ港町の娼館にいた。

トラ達に『友を探せ』作戦を命じて1カ月弱、これで男子も含めクラスメイト全員の居場所が判った。


最後の女生徒を救出し、トラ達の元に移転した。


俺「明日、南部方面軍にいる男子生徒を救出する。

スパイゴーレムの増援は間に合ったかな」

トラ「生徒1名に1体を配置済みです」

俺「明後日は東部方面軍にいる男子生徒を救出する。

そちらの方は」

トラ「配置済みです」

俺「約束通り『友を探せ』作戦を1カ月で終わらせてくれた。トラ、レオ、ハナありがとう」


     *     *


男子生徒を救出後、トラ達に『友を探せ』作戦の撤収作業を命じた。

『友を探せ』作戦の報告書、

復讐対象者のリストアップ、

重要復讐対象者の捕捉監視、

スパイゴーレム、エージェントゴーレムの回収。


王都の拠点は維持することになった。

トラ達は移転ができないので、王都の拠点、魔道具工房の2箇所に移転魔法陣を設置した。

魔法陣の設置はポミーにお願いした。

これで、移転魔法が使えなくても魔道具工房、病院、王都の拠点を移動できる。


俺「トラ、レオ、ハナ、撤収作業が終わったら、しばらく休暇にして。

病院に後輩の忍者がいるよ。

ララ、リリ、ルルの3人、仲良くしてね」


その夜のイステナ様へのお祈りで、

俺「イステナ様、クラスメイト全員、救出できました。ありがとうございます」

イステナ「優斗、素晴らしい活躍でした」

俺「玲が病院です。心配です」

イステナ「医療ゴーレムは優秀です。安心なさい」

俺「50人の子の件ですけど」

イステナ「期待してるわよ。いつまで待たせるの。

早く子作り始めない」

早く成長しろよ俺。


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